AIに頼るべき職業、頼るべきではない職業
人口減少社会に突入している日本では、運送業界・建設業界・介護などの現場における人手不足が表面化してきている。海外からの労働力を受け入れるという選択肢もあるが、AIやロボティクス技術を使い人間が行ってきた仕事を代替してもらおうという機運が高まっている。特に単純な作業や危険をともなう作業については、疲れ知らずで、人間よりも正確にこなしてくれるだろう。こうした背景もあってか、AIの導入を進めるべき職業として、最も回答率が高かったのは「工場作業員」であった(図表2)。
ベース:全体(n=1,000)/複数回答
また、セルフレジを導入する小売店や、コールセンターの人間に代わりチャットボットを導入するネットサービスなども登場している。スマートフォンの翻訳アプリでは、翻訳精度の高さを実感する人も多いだろう。これらのように、実生活でAIに触れる機会があるような職業においても、AIの導入を進めるべきだという回答が多かった。
一方、完全なAI化が進むことを望まれていない職業も存在する。必ず人間が行うべき職業として回答率が高かったものは、「医師」「料理人・シェフ」「保育士」「看護師」などであった。これらに共通しているのは、生命や人の気持ち・感性に寄り添うことが必要な職種であるといえよう。もちろん遠隔医療という現場においては、AIによる支援が必要となる場合があるだろうが、完全なAI化はあまり望まれていないということだろう。
AIの導入が進むと思う職業は?
次に、AIに置き換わると思う職業、置き換わることはないと思う職業を、それぞれ予想してもらった(図表3)。
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置き換わると思う職業のうち、上位にランキングにされたものは、図表2のAIを導入すべき職業と一致していた。一方、置き換わることがないと思う職業については、「ミュージシャン」「小説家」といったクリエイティビティを要する職業がその上位にランキングされた。回答者の多くがAIの仕組みを理解していたわけではないが、直感的にAIには人が感動するような新しいものを生み出す職種には向いていないと判断したのだろうか。
▼調査レポート
『AIに置き換わる職業、人間が行うべき職業は?就業者1,000人調査』(HoNote)
