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フルファネル対応で新領域の拡大を目指すCriteo/導入企業が新規ユーザー数20%増加を果たせた理由

 Criteoは2018年から、新たな広告プロダクト「Criteo Customer Acquisition」をリリースしている。同プロダクトは、認知獲得や興味喚起にも効果を発揮するため広告主からの関心は高く、様々なシーンでの導入が進んでいるという。今回は、同プロダクトにおける国内初の導入事例を作ったアイレップとCriteoの担当者に、進化を続けるCriteoの現在と今後について話を聞いた。

フルファネルに対応したプロダクトを展開

 現在、グローバル規模でダイナミックリターゲティング領域をリードしているCriteo。2019年は「コマースマーケティングプラットフォーム」への進化を掲げ、プロダクトのポートフォリオとクライアント領域の拡大に注力している(参考記事)。

 同社のセールスマネージャー中村祐介氏は、ポートフォリオの拡大について次のように解説する。

 「これまでCriteoが提供してきたのは、リターゲティングを中心とした購入に近いファネルに強みを持つプロダクトでした。しかし、お客様のビジネス課題を解決するためには、認知獲得や興味喚起のファネルに対するアプローチも必要です。そこで2018年6月、潜在層に対するナーチャリングからコンバージョンまでフルファネルで活用いただける新たなプロダクト「Criteo Customer Acquisition(以下、CCA)」をローンチしました」(中村氏)

CRITEO株式会社 Sales Manager 中村祐介氏

 CCAは、Criteoが保有する月間約14億のオンラインユーザーデータをもとに、ユーザーそれぞれの関心や購買傾向を分析。この分析結果をもとに、クライアントが提供する商品・サービスへの関心度が高いユーザーに対してターゲティングを行う。これによって、新規の見込み客を効率的に誘引することができる。

 CCAは認知や興味喚起から新規獲得に至るまで、フルファネルに対応したソリューションとなっているため、幅広く活用が見込まれる。Criteoにとって、クライアント領域拡大につながる重要なプロダクトだ。

運用のコストを抑えながら新規ユーザー獲得を20%増加

 このCCAは、とある総合通販企業が日本国内で初めて導入した。導入にあたっては、運用型広告に強みを持つデジタルマーケティングエージェンシーであるアイレップがフィードの設計やデータベースの構築を行った。

 通常の静的リターゲティングでは、季節ごとの一押し商品やセール商品などが変わる度にクリエイティブを入稿し直す必要がある。一方でCCAにおけるダイナミッククリエイティブは、リアルタイムで更新される各ユーザーの動的な情報をもとに自動生成されるため、運用における人的コストを抑えることができる。

 たとえば、夏季に水着商品の販売数が増えた場合、Criteoエンジンが機械学習テクノロジーを用いて、各ユーザーに最適なビジュアル要素をリアルタイムで選択。コンテンツとクリエイティブ両方における最適化を行う。

 CCAを導入したA社においては、新規ユーザー数が20%増加し、CPAも20%削減と目標のKPIに大きく貢献。また、他メディアにおける類似した新規獲得向けの広告と比較した場合も、より低いCPCでの配信が可能となった(※2018年6月~2019年3月の約9ヵ月間CCA配信を実施)。

 「アイレップは、SEMを中心としたデジタルマーケティング領域で成長してきた企業です。Criteoのプロダクトは私たちのクライアント企業が抱えている課題へのソリューションとしての親和性が高く、Criteo様と取り組みをさせていただいた当初から、成果を出し続けています」(村上氏)

株式会社アイレップ メディアデザインUnit Unit manager 村上祐氏

 アイレップは、Criteoの販売・運用実績を評価するスター代理店制度「Criteo Certified Partners」において、最高ランクのファイブスターを2017年7月から4期連続で獲得している。中村氏は同社について、以下のように評価した。

 「Criteoの導入には、タグとフィード、そしてタグを設定するWebサイトの構造理解など、深い知見が必要です。アイレップさんは、早い時期からCriteoの専任担当者を置いていただき、技術的な理解や運用ノウハウを社内で共有する体制を整えてくださいました。特に、実装から配信、運用までのプロセスの早さが、アイレップさんの強みだと感じています」(中村氏)

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導入後の運用も柔軟なカスタマイズで支援

 さらに、代理店セールスとしてアイレップを担当するCriteoの髙橋氏も、以下のように両社の連携の強さを強調した。

 「ファイブスターの代理店様は、それぞれに強みをお持ちですが、アイレップ様は中でも私たちと密なコミュニケーションをとってくださっています。Criteoのプロダクトは、導入クライアントのビジネスに応じた運用が求められるのですが、Criteoの技術担当も交えた打ち合わせを行い、クライアントへ最適な設計と運用を提供されています」(髙橋氏)

CRITEO株式会社 パートナーセールス 髙橋華織氏

 では、アイレップはどのようにCriteoのプロダクトを提案し、運用しているのだろうか。岩田氏と野口氏の二人は、次のように明かした。

 「Criteoは、お客様ごとのビジネス課題に合わせてフィード設計やタグ実装などのカスタマイズができるという特徴があります。そうした特徴を踏まえて、フィード設計やタグ実装に加え、蓄積したナレッジをもとに運用を行うことで、成果につながる支援を行っています。運用型広告を強みとするアイレップの良さが最大限に発揮できるプロダクトとも言えますね」(岩田氏)

(写真左)株式会社アイレップ 岩田篤士氏
※2019年6月現在、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
トレーディングデスク本部 SEM局 第五プランニング部へ出向中
(写真右)同 メディアデザインUnit メディアデザインDiv.
第1メディアデザイングループ 野口祐奈氏

 アイレップではまず、クライアントが持つWebサイトのページ構成や掲載内容を詳細に把握し、データフィードにどのような情報を追加すべきか細かく選定していく。その後、Criteoのタグ実装におけるベストプラクティスに合わせて、Webサイトから取得可能な情報を確認し、スピーディーに実装を行う。

 「Criteoで成果を出すための最も重要なポイントは、タグ実装・データフィード作成といった初期段階で、的確にクライアントの目的に応じた設計を行うことです。また、必須事項の対応はもちろんのこと、エンジン学習のために推奨とされる設計も取り入れることで、成果の最大化に貢献します」と野口氏は続けて主張した。

 「配信開始後も、データフィードの改修やクリエイティブ要素の追加など、パフォーマンスを見ながらPDCAを回し続けます。たとえば、購買につながる情報をユーザー視点で吟味し、レコメンドを行う上で重要になりそうな情報を追加するなどしています」(野口氏)

 さらに、サイトのページ構成を分析し、購買確度の高いユーザーが訪れると予想されるページにタグを追加実装していくこともあるという。それ以外にも、他メディアのキャンペーンと組み合わせた施策で新規獲得を促進するなど、常に横断的な運用を行っている。

 Criteoのプロダクトは、技術的な要素の調整も必要となるため、クライアント側のマーケターやエンジニアに対してイニシアチブを持って導入・運用をしてくことが求められる。このクライアントへのリーダーシップの強さも、中村氏がアイレップを評価する一つの理由だ。

プロダクトを深く理解し成果を最大化

 アイレップでは、クライアントとの取り組みで得た知見やノウハウを社内で共有し、他の事例にも応用することで実績を積み重ねている。CCAがリリースされた時にはCriteoによるプロダクト説明会を実施するなど、セールス担当者がプロダクトの特徴や強みを正しく理解することを重視している。

 「CCAの強みは、やはり新規ユーザーの誘導が行えることです。こうしたプロダクト独自の強みを担当者がしっかりと把握することで、提案から導入後の成果まで一貫した支援をすることができています。CCAは他メディアにおける同様のプロダクトと比べても高い新規獲得率が出ており、導入したクライアント企業からは継続して出稿していただいています」と村上氏は語った。

 岩田氏はまた、バナークリエイティブにおいてもクライアントに寄り添った支援を心がけていると話した。

 「Criteoはフィード情報をもとに、自動でバナークリエイティブを生成するのですが、ある時ブランディングの観点から事前確認をされたいというクライアントがいらっしゃいました。従来ならばフィード情報を調整して自動生成に任せるのですが、Criteoさんに相談し、バナークリエイティブを配信前にご確認いただくフローを新たに作りました」(岩田氏)

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リターゲティング領域でも進化を続けるCriteo

 CCAを軸に、認知獲得・興味喚起の領域においても存在感を増してきたCriteo。村上氏は、「やはりダイナミックリターゲティング領域での実績があるからこそ、新しいCriteoの広告プロダクトを導入してみたいという声が多い」と述べた。

 CriteoはECをはじめ、商品点数が多い旅行や不動産、人材、インフラ、通信、VODなど、様々な業種の企業に導入されている。このような成長の背景には、同社がプロダクトを日本市場に合わせて変化させてきたことがあるという。

 「Criteoを日本でローンチした当初は、商品点数に100点以上という条件がありました。しかし、単品通販で成果が出やすい傾向にある日本市場の特性や新しい業種・サービスの台頭に合わせて、現在では1点からでも出稿が行えるようになっています」(中村氏)

 現在Criteoでは、フィード情報による自動生成のバナークリエイティブにおいて、商品点数を問わない自由度の高いデザインレイアウトを提供している。また、エンジンの精度も日々向上し、単品商品であっても成果を上げる企業が増えている。リターゲティング広告ゆえ、ユニークユーザー数の条件はあるものの、現在は非常に導入ハードルが下がっていると言える。

 これらの対応は、「アイレップにとってもより多くのクライアント企業の課題解決につながっている」と村上氏は語った。

 「Criteoさんが既存プロダクトのアップデート、CCAのような新たなプロダクトのリリースをしていただけることで、我々も提案機会が増えています。また、既にお取引をしているお客様のビジネスフェーズを獲得から認知へ広げる際もCCAの提案ができるようになったため、あらゆる課題に応じてCriteoのプロダクトを活用できるようになりました」(村上氏)

 企業におけるデジタルマーケティング活用の幅が拡大する中、Criteoはアプローチ可能な範囲を拡張することで、多様な課題への解決に貢献していく考えだ。

 中村氏は、「新しい業種は、配信や運用にカスタマイズが必要です。アイレップさんのオリジナリティあるCriteo活用をサポートしていきたいと思います」と両社の更なる関係強化に期待を寄せた。

多様なアセットを組み合わせて事業を推進

 最後に、Criteoとアイレップの両社に今後の展望を聞いた。

 まず村上氏は、2018年にCriteoが買収した米国のモバイルアプリマーケティングプロダクト企業Manage(マネージ)のアセットを活かしたアプリ領域への進出に意気込みを見せた(参考リンク)。

 「CCAと並んでCriteoが今後注力していくプロダクトに、『Criteo Audience Match』があります。このプロダクトは、休眠中のユーザーに向けたターゲティングが可能となっているため、クライアントの期待値も高いです。当社で独自開発しているデータフィード自動生成ツール『Marketia Feed Manager』の導入も進め、Criteo全体のPDCAを効率的に回したいですね」(村上氏)

 最後に、中村氏は改めてCriteoの進化を強調した。

 「日本市場は、グローバルで見ても規模の大きいマーケットです。Criteoのビジョンは、オープンなインターネット環境に適した広告プラットフォームでありつづけること。リターゲティング含め、今後も新しいプロダクトをお届けしていきます」(中村氏)

 「今後はさらにパートナーシップを強化し、クライアントのビジネス拡大を支援してきたい」と語った、中村氏と村上氏。アイレップのグループ全体で、新たなコマースビジネスの展開を実現していく構えだ。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/20 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29925