MA導入が上手く行かないのは「4つの投資」ができていないため?
先述の活用事例のように、MAの様々な機能を組み合わせることで、業務の効率化やスキルの標準化が期待できる。しかし、導入したものの上手く活用できずに悩む企業も多い。高畑氏は締めくくりのアジェンダとして、「MA導入を失敗しないための3つのポイント」挙げた。
1つ目は、KPIの設計だ。数字を管理せず、肌感覚で案件を追う企業は少なくない。MAの運用には、データを把握し、数値で経営判断をする基盤が必要だ。「ビジネスの成否を分けるのはデータですが、知見も重要です。今まで培ってきた経験に、正しいデータが加わることで、精度が上がるのです」と高畑氏は話す。
そして2つ目のポイントは、4つの投資だ。ビジネス成果を阻害する4つの要因は「集客」「コンテンツ」「スキル」「ノウハウ作り」。これらへ投資をせずに、事業の成長はないという。
集客への投資についてマーケティングユニットの取り組みを例に挙げると、ブログの継続的な更新を行っているそうだ。「どんな情報で顧客へ貢献するか?」を考え運用した結果、取り組みから2ヵ月でアクセスは3倍に伸びた。
「MA導入を成功に導く3つのポイント」の最後は、アナログとデジタルを同等に重視することだ。顧客の消費行動が変化しているとはいえ、デジタル一辺倒になることが正解ではない。デジタルとアナログが入り交じったハイブリッドなマーケティングフローを構築することが求められる。
「マーケティングは、お客様から買いますと言っていただくための活動のことであり、お客様のためにあります。ですから、目的と手段を間違えずに、お客様のために最適なフローを作ることが大切です」(高畑氏)
高畑氏は、ピーター・ドラッカー氏の言葉「未来を予測する最良の方法は、自ら作り出すことである」を紹介し、「自分たちの力で、自分たちの未来を作る。そのような気概を持ち、取り組んでいきましょう」と呼びかけ、セッションを締めくくった。