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「コンテンツ制作力×チームアップ」で認知獲得3倍に エアークローゼットとワンスターのLINE広告戦略

記事でファッションニーズを喚起

MZ:2020年夏から本格的にLINE広告の運用を開始されたそうですが、どのような戦略で進められたのでしょうか。

山田:「airClosetの潜在顧客にリーチ」し、「無料/有料登録していただく」という点を最終ゴールに置いていました。ただ、airClosetを知らない人たちにサービスを知ってもらい、さらに登録を促すとなると、コミュニケーションをうまく設計できなければCPAが合わなくなる恐れがある。そのハードルを、クリエイティブとメディアの力を活用することでクリアし、市場を拡大していくことが私たちのミッションでした。

 具体的な施策として、2つの広告を実施しました。1つは記事広告、もう1つはアンケート広告です。

 まずは記事広告を中心に展開しました。記事の目的は「潜在層へのニーズ喚起」。「服・ファッションについて悩んでいる」というより、「そういう悩みを潜在的に持っているけれど、自分のニーズに気が付いていない」という方に「気付き」を促すものです。第三者的に「かわいく着こなしたいですよね」「こういう理想像に近づきたいですよね」というメッセージを発信し、ニーズが顕在化したところで「そのための手段としてairClosetが有効」だと伝える内容にしました。

潜在的なニーズをユーザーに気付かせる記事広告
潜在的なニーズをユーザーに気付かせる記事広告

高精度の仮説検証でターゲティング機能の成果を最大化

MZ:もう1つのアンケート施策についても教えてください。

山田:2021年3月~4月に、記事広告よりもライトな施策としてアンケート広告を実施しました。記事を読み込む手間がなく、アンケートに答えるだけで割引クーポンなどのお得な情報をもらえるので、記事が刺さらなかったユーザーをカバーできると考えたわけです。

 この施策には2つの狙いがあります。1つは、「アンケートに答える」というユーザーの能動的な行動を引き出すこと。もう1つは、airClosetに登録しない理由をユーザー自身で潰していってもらうことです。アンケートの内容は「ファッションに関する悩みを回答する」というものなのですが、回答していくうちに「その悩みを解消したいならairClosetに登録しない理由はない」と思えるような設計を意識しました。

ユーザーが能動的に設問に回答することでサービス利用を促すアンケート広告
ユーザーが能動的に設問に回答することでサービス利用を促すアンケート広告

MZ:記事とアンケートの配信には、LINE広告のターゲティング機能を活用したと伺いました。

山田:最初は、LINE広告の「類似配信」機能を使って配信しました。ただ、類似配信はCPAを抑えるのに効果的ですが、どうしても拡大に限界があるので、デモグラ情報を活用した拡張施策を考えたのです。そこで、LINE広告の「LINEターゲティング配信」機能を活用することにしました。

 airClosetのターゲットは「忙しいビジネスウーマン」です。まとまった月額費用を支払える経済力がある人でなければコンバージョンしにくいという仮説のもと、LINEターゲティング配信の属性セグメント(みなし属性※)で、「年収が上位50%の女性」に絞ってターゲティングを行った結果、うまくはまりました。

 加えて、経済力のあるビジネスウーマンを確実に狙うためには、一定以上の年代で区切った方が当たる確率が高くなると考え、「30代以上」に設定したところ、こちらも目論見通りの成果に結びつきました。

※ユーザーがLINE上で購入・使用したスタンプや興味のあるコンテンツのほか、どのようなLINE公式アカウントと友だちになっているかといった傾向を基に分析(電話番号、メールアドレス、アドレス帳、トーク内容などの機微情報は含まない)したもの。なお、属性情報の推定は統計的に実施され、特定の個人の識別は行っていない。また、特定の個人を識別可能な情報の第三者(広告主など)への提供は実施していない。

桑原:LINE広告には、類似配信やLINEターゲティング配信のほか、「オーディエンス配信」など様々な配信機能があります。類似配信は、類似の度合いを1~15%の範囲内で、1%単位で決められるため、切り口によってオーディエンスのボリュームを調整することが可能です。

 細かく設定できるからこそ、代理店やマーケティング担当者による仮説が重要なのですが、ワンスターさんの場合はそうした仮説検証や配信設定にずば抜けて高いスキルを持っており、繰り返しテストして最適解を素早く見つける体制が整っているのだと思います。

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パフォーマンスは3~4倍、長期的な顧客育成にも高い効果

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/08/19 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36792

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