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次世代サービスをどう作るか。電通デジタルに聞く“アドバンステック”の活用で意識すべきこと

アドバンステック活用の好事例

MZ:アドバンステックの活用事例についてご紹介いただけますか。

泰良:ドコモが提供している『my daiz(マイデイズ)』という音声ナビゲーションを開発段階から担当させていただきました。いわばSiriやGoogleアシスタントのようなシステムです。

泰良:従来のAIのように最短最適な回答を返してくれる機能はもちろん、ユーザーの行動や経験を元に、新たなエクスペリエンスを提案することができます。

 残業のない日に「帰りに映画に行ってみてはいかがですか」と提案したり、雨の日に「早めに家を出ませんか」と提案したりすることで、ユーザー一人ではたどり着けない新たな選択肢を生み出すような仕組みです。

 ただ、コミュニケーションがフランクすぎたり、過度に干渉してきたりするとうっとうしいですよね。VUIはパーソナリティを感じやすいインターフェイスなので、my daizの口調やキャラクターについては、心理学やコミュニケーションモデルを活用し、かなり綿密に設計しています。

 親密度が上がると、ある程度距離感の近いキャラクターに進化したり、提案の精度が成長したりするのも、my daizの特長ですね。

川村:私が紹介したいのは、Isobar Brazilが手掛けた『Fiat Live Store』です。実施時期が2014年とかなり前の事例ですが、今の時代に非常にあっているプロモーションだったと思います。

 オンライン上に実際の店舗がデザインされたイベント会場があり、ユーザーがブラウザ越しにアクセスすると、現地のスタッフに直接つながります。スタッフはカメラとマイクのついたヘッドセットを装着しており、ユーザーの希望通りに実車を見てくれるシステムです。

Fiat Live Store / Case Study (English) from Isobar Brasil on Vimeo.

川村:Webサイト上のカタログでは得られない、質感や手触りなどの情報まで得られる点が注目を集めました。結果的に45万人の方が利用して、そのうちの67%が試乗予約を行ったプロモーションです。

 従来、ブラウザの中では達成できなかったユーザー体験を、新たに作り出した功績は非常に大きいと思います。

「ペイン」の解消と「ゲイン」の提供

MZ:アドバンステックの活用事例を踏まえ、優れた体験を届けるサービスやプロダクトの共通項について教えてください。

泰良:冒頭の内容と重なりますが、時間のかかることが瞬時にできたり、外出せずに自宅で完結できたり、ユーザーの「ペイン」を的確に解消していることがポイントの1つだと思います。

 もう1つは、人間には処理できない膨大なデータを処理したり、見つけられない独自のパターンを提案したりするような「ゲイン」の提供です。NetflixやYouTubeなどでレコメンドされた、全然知らない動画が思いのほかおもしろく、関連動画まで見てしまった経験は、皆さんあるかと思います。

 優れたアドバンステックの活用とは、ユーザーの利便性を高めるペインレスな体験か、新たな出会いや驚きを得るゲインな体験の、いずれかを作れることではないでしょうか。

川村:アドバンステックが、ユーザーにとって「空気のような存在」になっていることも意識する必要があります。テクノロジーを主張しすぎず、体験の中に自然に溶け込んでいる状況が、理想的なフリクションレスの実現だと思います。

泰良:テクノロジーを意識せず、無自覚に使えるものが、本来最も優れたテクノロジーの活用です。PASMOなどがまさにそうですよね。仕組みを知らなくても、誰でも使えるサービスにまで仕立て上げられるかが重要です。VRはまだ、そこまでの次元には到達していないですよね。

川村:エンタメ領域で刺さっているにも関わらず、日常には浸透していないのがVRの現状です。だからこそ、現時点でのチャレンジが今後生きてくる領域だと考えています。

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開発に取り組む企業が意識すべき3つのポイント

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この記事の著者

坂本 陽平(サカモト ヨウヘイ)

理系ライター、インタビュアー。分析機器メーカー、国際物流、商社勤務を経てフリーランスに。ビジネス領域での実務経験を活かし、サイエンス、ODA、人事、転職、海外文化などのジャンルを中心に執筆活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/37910

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