サイト運営における3つの制約――スキル、組織、システム
MZ:なるほど。サイト運営に関わる関係者が多いことで施策をすぐに試せない、煩雑になるということは多くの企業で発生していそうですね。大塚さんにうかがいますが、この点を含めて、KARTE Blocksを導入する企業にはどんな悩みが多いのでしょうか?
大塚:関係者が多く実装に時間がかかる、というのは確かに共通の悩みとしてよくうかがいますね。様々な企業のお話を聞く中で、サイト運営の悩みは、基本的に3つの制約によって生じると考えています。
1つ目は、サイト運用に必要な知識が多様化しており、HTMLやCSS、分析ツールなどを使いこなせる人が少ないという、スキルや人材の制約です。
2つ目が、まさにステークホルダーが多いために工数がかかるという組織的な制約です。サイトを簡単にいじれないと、外部のパートナーやエンジニアへの依頼が生じ、そのための予算確保や社内調整といった手間やコストが発生してしまいます。
3つ目は、複数のツールを組み合わせてサイトを運営していると、時間の経過に比例してツールの活用自体が煩雑になってしまう、システムの制約です。この3つは、業種を問わず多くの企業で課題に挙がっていて、KARTE Blocksが解決のお役に立てると思っています。
短納期モデルの比較表を載せることで、クリック率が飛躍的に向上
MZ:具体的にKARTE Blocksで行った施策と、その結果をうかがえますか?
日笠:初期の取り組みで本当にびっくりしたのが、「こういうのが見やすいのではないかな」とテスト的に作成したスペック比較表をKARTE Blocksで掲載したところ、クリック率が28.9%になったことです。せいぜい2%から3%程度だろうと想定していたので、何度も、エラーではないかと思いました(笑)。
お客様が製品を選ぶときは通常、自分のニーズに合うか、お得か、そして納期は適切かの3点を主に気にされます。そこに「どのモデルがどれくらいのお得な価格で短納期出荷が可能か」と、情報をわかりやすく掲載できればお役に立てるのではないかと考えましたが、確信を持てていませんでした。また、情報をほぼリアルタイムで更新し続けるには社内各所の連携が必要で「とりあえずやってみましょう」と言うにはハードルを高く感じ、実現できていませんでした。
これを、KARTE Blocksを使えば少人数でもテストできるのではないか、と。やってみると、見ている方に違和感を与えたり、注目を集めすぎたりせずに自然な形で短納期モデルの情報を掲載することができ、想定以上にクリックしていただけました。実際、それだけクリックがあると売上も大きく伸び、数十%のCVRというすばらしい結果が得られました。
MZ:これはすごい数字ですね。予想の10倍近い結果となったわけですね?
日笠:はい。その結果を基に、別ストアでも同じような情報を掲載することになりました。というのも、学生向けストアの担当者がお客様にアンケートをとったところ、短納期モデルを比較したいというニーズが強いことがわかったからです。そこで、こちらにもKARTE Blocksを導入したところ、やはりクリック率や大きな成果が得られました。