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話題化につながる「オフライン広告」の4要素

話題化の要素(3)私生活あるあるで共感を呼ぶ

 3つ目に紹介するのは「私生活のあるあるネタが共感を呼んだ」広告です。2022年3月に実施された、目薬「ロートZ」の私生活あるあるネタを切り出した広告はSNS上で話題となりました。

東京メトロ銀座線の電車内をジャックした「ロートZ」の広告
東京メトロ銀座線の電車内をジャックした「ロートZ」の広告

 この広告は東京メトロの車両内の窓上、中吊り、床部分など、1編成すべてをジャックして展開。横長いっぱいにデザインされた数分刻み、数時間にわたって設定されたスマホのアラーム設定画面が印象的でした。

 この広告で使われたアラーム設定画面は、あるユーザーの画面を実際に利用したもの。拡散された投稿に寄せられたメッセージの多くが「似た者同士」「私も同じような感じだ」などの共感メッセージでした。傍から見ると思わず笑ってしまいそうなデザインですが、決して他人ごとにできないリアリティが拡散要因になったと考えられます。

 また今回のような、列車を丸々1社の広告でジャックする“アドトレイン”、実は多くの鉄道会社で、1編成単位での実施が基本となっており、同じ路線内を走るすべての列車で展開されるわけではありません。なので、巡り合えるだけでも相当ラッキーだったりすることもあり、その珍しさも話題化の要因になったと感じています。

話題化の要素(4)企業を超えた、やりとり広告

 4つ目は「企業を超えた、やりとり広告」です。これについては2022年2月に渋谷エリアで掲出された、TinderとNetflixリアリティシリーズ「ラブ・イズ・ブラインドJAPAN」のコラボ広告が話題となりました。

渋谷センター街に掲出された看板広告
渋谷センター街に掲出された看板広告

 同じ“出会い”がテーマながら、Tinderは「相手の写真やプロフィール文で会う人を決める」、ラブ・イズ・ブラインドは「相手の外見をまったく見ずに出会う」と世界観は実は真逆。その両社が互いのスタンスをぶつけ合っているのが特徴的なクリエイティブで、あるユーザーの投稿が3万近い拡散を記録しました。

 このような事例は、互いのブランドイメージを崩さないよう最大限の注意が必要なため、頻繁に実施できるものとは考えにくく、実施事例はまだまだ少ないのが現状です。

 ただ今回のような、企業間で広告を通してメッセージをやり取りする広告は、その希少性ゆえ話題化しやすい傾向にあると感じています。また、それぞれのサービスのファンがコラボ先のサービスに興味を持つ、といった相互集客の側面も期待できます。

 ユーザー目線で見てもおもしろいので今後の展開にも期待したいところです。

広告の聖地・渋谷では大型媒体が続々登場

 新型コロナウイルス感染拡大の状況も落ち着き、ユーザーの外出機会が増えてきているように思います。外出機会増加にともない、屋外広告などOOHの実施にフォーカスを当てている企業も多いのではないでしょうか。

 広告の聖地ともいえる渋谷駅では、直近でシンクロ7シブヤヒットビジョンやBIGBOSSビジョンなどの大型媒体も続々と新登場しており、今後の動向から目を離せません。

左が「シンクロ7シブヤヒットビジョン」、右が「BIGBOSSビジョン」
左が「シンクロ7シブヤヒットビジョン」、右が「BIGBOSSビジョン」

 広告クリエイティブの表現方法が多様になることで、より話題化する広告も増えてくることでしょう。2022年度の広告展開にも引き続き注視していきます。

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この記事の著者

加藤 誠也(カトウ セイヤ)

株式会社ビズパ アドクロ編集長

 食品メーカーで営業職を経験後、2019年に同社入社。主に、編集長として広告・マーケティングの情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を担当。「広告巡礼」を日課としており、Xでは見つけた広告事例に考察を添えて発信、テレビ出演やセミナー登壇も多数。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/29 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39249

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