SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

LINE広告活用術(AD)

審査時間の短縮で即日出稿も!LINE広告を使いやすくする最新アップデートと活用Tips

 マーケティング活動における運用型のデジタル広告活用が、成熟期を迎えた昨今。広告プラットフォームとして多くの企業が出稿している「LINE広告」は、2023年1月に広告審査の体制を強化した。クライアントのニーズに応えるため、より進化した広告審査およびクリエイティブのサポート環境、今後のLINE広告活用におけるヒントなどについて、LINEの担当者3名に聞いた。

LINE広告の担当者に聞く、近年の広告トレンドとユーザー意識の変化

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はLINE広告の最新状況について、担当者である皆様にうかがいたいと思います。まずは簡単なご経歴と、現職の業務やミッションを教えてください。

画像を説明するテキストなくても可
(左から)LINE株式会社 広告事業本部 デマンドプロダクトプランニング1チーム マネージャー 黒岩柊介氏
LINE株式会社 広告事業本部 クリエイティブディベロップメントチームチーム 柿崎菜々子氏
LINE株式会社 広告事業本部 エクスペリエンスデザインチーム 相樂長宏氏

黒岩:LINE広告の機能開発、管理画面改修などを担当しています。LINEに入社したのは2017年で、営業として直接クライアントや代理店と接してきました。その経験や知見を生かして、今の部署で働いています。

柿崎:LINE広告に関するクリエイティブのサポート業務を担当しています。広告代理店でクリエイティブディレクターを務めていた経験を生かし、現在は「LINE Creative Lab」という制作ツールの運営をメインで進めています。

相樂:柿崎さんと同じく前職は広告代理店ですが、現在はよりクライアントに近い位置でクリエイティブのサポートを行っています。クリエイティブトレンドの発信や代理店・クライアントへの提案が業務の中心です。

MZ:企業のマーケティング活動において、運用型のデジタル広告活用は成熟してきた印象があります。近年の企業のデジタル広告出稿においては、どのようなトレンド、意識の変化があるでしょうか。

黒岩:まず、個人情報規制に関する対応は、業種や業態を問わず意識が最も変化したトピックスだと思います。弊社も昨年、改正個人情報保護法への対応でユーザーに再同意をお願いしました。Cookie利用廃止の話もある中で、デジタル広告でも全体的に活用可能なデータは減っていくと予想されます。今後は限られたデータを、いかに活用できるかが重要になってきます。

 また、生成AIに注目が集まった背景もあり、広告の運用もこれまで以上に自動化が進み、PDCAをより早く回しながら効率を高めていくようになると思います。つまり、運用の手間はかけず、クリエイティブに注力していく流れが強まっていくと考えています。

MZ:そうした潮流の中で、LINE広告の役割、LINE広告の強みをどのように見ていますか。

黒岩:役割自体は、他のプラットフォームと大きくは変わりません。ただ、LINEの圧倒的な月間ユーザー数(2023年6月末時点で9,500万人)と属性の幅広さは、依然として強みといえます。加えて、「配信面」の種類を拡大してきたことも大きなポイントです。LINE広告では、これらの「面」それぞれに合ったクリエイティブを作成することが成果を残すために重要で、その点も他の媒体と異なる特性かもしれません。

主な配信面
LINE広告の主な配信面(LINEの公式サイトより)

黒岩:わかりやすい例で説明すると、LINE広告では、「トークリスト」が最もユーザーから見られている配信面になります。昨年、このトークリストに「画像(アニメーション)」というフォーマットが配信できるようになりました。結果、約1年で配信効率という意味で高い数値が出ていて、直近の配信比率が急速に伸びています。このように、広告が配信される「面」ごとにユーザー属性や特徴が異なるため、広告の形式やクリエイティブを工夫すれば、リーチ拡大や新規獲得にも大きな影響が出るプラットフォームになっています。

 一方、広告運用を成果につなげるためには、先述の通りPDCAの効率化、スピード感がとても重要です。そこで、LINE広告では2023年1月に広告審査体制の大幅アップデートを行いました。

即日での広告出稿も可能に LINE広告の審査スピードアップ

MZ:広告審査体制の強化とは具体的にどのようなアップデートなのでしょうか?

黒岩:審査システムを一新し、AIを活用することで、24時間365日体制で短期間で精度の高い審査ができるようになりました

審査体制強化のポイント
広告審査のシステム・体制強化を実施(LINE公式サイトより)

 これまでは土日や年末年始など、審査を行っていない期間があり、クライアント側から見れば柔軟さに欠けるところがありました。ユーザーへの満足度調査でも、審査期間に対して多くのフィードバックが寄せられていました。そうした不満を解消するために準備を続けてきた結果、ようやく今回のアップデートに至ったという経緯です。

 結果的に、約8割の広告が5分以内に配信を開始できるようになりました。一部、懸念点がある案件では人の目による審査を経て配信可能となるケースもありますが、多くの商材や業種においては5分以内で審査が完了し、即日配信が可能な広告も増えています

 同時に、出稿可能な業種も拡大しています。審査体制が強化されたことによって、リスクを低減しユーザーを守れると判断できたことが理由です。

MZ:広告主にとって、今回の審査体制強化はどのようなメリットがあるのでしょうか?

黒岩:これまで、広告アカウント作成から商材の審査、クリエイティブの広告審査が下りるまで最大10営業日ほどかかることもありましたが、今では1~2営業日で出稿を始められるケースが増えています。結果、クライアントにとっても圧倒的にPDCAが回しやすくなったと思います。

 審査に数日かかり、やっと出稿できたものの、初動で効果が出ずに止めるといった効率の悪い運用を経験されたクライアントもいたと思います。それが、審査スピードが上がることで結果が出るまでの時間も早くなり、改善サイクルが早くなりました

 もう1つ、「広告アカウントカテゴリ」の追加も行いました。以前までは、水の商品とお茶の商品があったら、商品ごとに広告アカウントを分け、それぞれ審査を通す必要がありました。それを、「飲料」というカテゴリで横断的に審査できるようになりました。商品ブランドごとに複数アカウントを作成する必要がないため、手間と時間が省けます

広告アカウントカテゴリの図
広告アカウントカテゴリの概略図(LINE公式サイトより)

黒岩:リーチできるユーザーが多いだけでなく、使いたいときにスピード感を持ってPDCAを回すことができ、配信量を伸ばせることは、LINE広告の大きなメリットだと考えます。

クリエイティブ制作は「トレンド情報の発信」「個別提案」で支援

MZ:PDCAと同様に広告出稿においてクリエイティブは重要な要素ですが、LINE広告ではどんなサポートを行っていますか?

相樂:所属しているクリエイティブプランニング室から、隔月で発信している「クリエイティブトレンド」という定期レポートがあります。LINE広告ではどんなクリエイティブ、フォーマットデザインであれば効果が出やすいのか、といった情報をまとめた資料です。

 また、不定期ですが、新しいフォーマットが出たときには、どのように攻略すれば成果が出るのか、具体的にキャッチコピーの中で効果が良かったものをまとめた資料なども発信することがあります。

 上記のような情報発信でのサポートに加え、代理店、クライアントに対して個別にクリエイティブの提案も行っています。

MZ:具体的なクリエイティブのトレンドをいくつかご紹介いただけますか。

相樂:直近では、業種を問わないトレンドとして「時間、金額、期間などの数字を強調」「条件にチェックマークをつける」「商材をスクロールさせるアニメーション」などが、成果の良かったクリエイティブの傾向として見られました。

トレンド
【クリックすると拡大します】
資料で定期的に発信している業種を問わないトレンドの一例
(「【2023年6-7月】LINE広告×Yahoo!広告 クリエイティブトレンド」より)

相樂:業種別トレンドでは、たとえば美容・健康食品カテゴリの場合、「ビジュアルやキャッチコピーでお得な情報があることを伝える」というトレンド傾向があります。業種別のトレンドは、毎回5~6業種、ポイントを3つくらいずつ抽出し、その期間で効果が良かったクリエイティブのポイントを掲載しています。

業種別トレンド
【クリックすると拡大します】
資料で定期的に発信している業界別トレンドの一例
(「【2023年6-7月】LINE広告×Yahoo!広告 クリエイティブトレンド」より)

“トレンドのテンプレ化”も LINE Creative Labで制作もスピーディーに

MZ:クリエイティブについて、トレンドの発信のほかにサポートされていることはありますか。

柿崎:LINE Creative Inspiration」というサイトを運営しています。先述の「クリエイティブトレンド」のレポートをはじめ、業種別の資料など、2023年5月頃から情報発信を強化しております。

 また、LINE Creative Lab」というクリエイティブ制作ツールも無料で提供しています。一般的なデザインソフトやツールは使いこなすのが難しいという方でも簡単に使えるよう、シンプルな仕様になっていて、すぐにクリエイティブを作成して、そのままLINE広告の管理画面にデータを反映できます。

 他のツールにない特徴としては、「クリエイティブトレンド」レポートに掲載しているLINE広告のトレンド内容をテンプレート化していて、素早く簡単に、効果が見込めるクリエイティブが作れるようになっている点です。LINE広告に特化したツールだからこそできることだと思います。

テンプレートの一覧
【クリックすると拡大します】
テンプレートの一覧。右上の「フィルター」から配信面に対応するサイズ別などで絞り込むことも可能

柿崎:特に最近伸びているアニメーションを使った広告については、クリエイティブを作るのが難しいと感じる方が多いのですが、これもLINE Creative Labを使えば簡単に動きをつけて管理画面に送付できます

アニメーションの作り方
【クリックすると拡大します】
「アニメーションを追加」のデモ画面。複数のエフェクトからアニメーションを追加できる

システム整備とクリエイティブ支援の両輪を洗練させていく

MZ:国内企業の広告発信の一端を担うLINE広告を通じて、今後どのような価値を提供していきたいとお考えでしょうか?展望をお教えください。

黒岩:私は昔から「広告=嫌われる」という概念を打ち壊したいと思っています。ユーザーにとって有益な情報が与えられれば、広告はうっとうしいものではなく、良質な「情報」になります。限られた範囲でデータを集め連携することで、よりターゲティング精度を上げ、ユーザーに有益な情報を提供できるプラットフォームを実現していきたいです。

相樂:配信面が多いLINE広告においては、商材ごと、アカウントごとに適切なクリエイティブを突き詰めていけるようになると思います。そこに対してしっかりとサポートできるよう、分析にも力を入れていきたいと思います。

柿崎:クリエイティブ制作の工数やスピード感に課題を感じられている方も多いと思います。LINE Creative InspirationやLINE Creative Labなど、LINEではLINE広告を運用いただいている方の負担が軽減できるツールを提供しているので、ぜひ使っていただきたいと思います!

LINE広告について詳しくはこちら

 LINE広告の概要やアカウント開設、問い合わせなど、サービス詳細についてはこちらのWebサイトをご確認ください。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:LINE株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/10/10 14:05 https://markezine.jp/article/detail/43465