急なアクセス増加による負荷を回避 本業への集中を生む仕組みに
河野:Shopifyを使ったマーケティング活動での成果として、「ダウンタイムがなくなった」とか「コストと時間改善された」という話をよく聞きます。お二人の所では実際どのような改善が見られましたか?
北山:サーバーが落ちないという安心感により、サーバーの枠を広げるなどの事前準備を行う必要がなく、負荷が減ったことが大きいと感じています。弊社では最近、レザーのアップルウォッチバンドが好評で、再販時にはアクセスが集中してサーバーに負荷がかかる可能性があります。ところが、Shopifyではそういった際もサーバーの心配をする必要がなく、基本的な部分はShopifyが自動で調整してくれるので運用側としては楽になりましたね。
河野:支援側にとってもブランド側にとっても、サーバーが止まる恐怖は強くありますよね。特に、キャンペーン時は多くの方に来てほしいからこそサーバーの心配をしたくないというのはどのブランドにおいてもある気持ちだと思います。
Shopifyは、急に商品がテレビで紹介されるといったことがあってもサーバーが落ちることはないので、安心感を持って運用できる点は特徴的だと思います。
西田:当社の場合は、D2Cの知見が一切ない状態でのスタートだったこともあり、そもそもShopifyがなければプロジェクト自体が始められなかったと思います。フォーマットがあり、それを使えば素人でもECサイトが作れるという点は、スタート時の心理的なハードルを大きく下げてくれました。
また運用面でも、受注後に提携倉庫と自動で連携してくれるシステムがあります。おかげで、誰かが休みの日でもバックヤード的なサポートをしてもらえるため、当社のような数名で推進するプロジェクトにとっては本当にありがたいです。このサポートのおかげで少人数でも本当にやるべきことに集中ができています。当社は「開発」と「お客様の声を聞く」に非常に力を入れているのですが、そういったことが可能なのも、Shopifyのサポートシステムが充実しているおかげだと感じています。
河野:どの企業にとっても新しい事業を始める際には、限られた予算やリソースの中で効果を最大限に出す必要があると思います。そういった悩みを抱える方にとってShopifyは、コスト面でも仕組みの面でも本業に集中するためのサービスを用意していることが特徴として挙がります。マーケターや事業担当者がすべきことに集中できる環境を作るプラットフォームだと思います。
新たな機能でパーソナライズされた対応を仕組化 インナーブランディング推進へ
河野:最近ではShopifyでどのような活用を検討しているのでしょうか?
西田:まずグループ会社に対する社販やファンの方に向けて特別な対応を行う際に活用していきたいと考えています。Shopifyは、ShopifyやShopifyパートナーが補完的な機能をアプリ開発して提供してくれる仕組みがあるため、新たな機能からよりパーソナライズした対応の設計などが非常に楽になると考えています。
西田:我々が属する東レグループは素材開発に力を入れているメーカーなので、社内の技術者達は「開発した商品を自分で使いながら、次の開発へとフィードバックしたい」という思いがあります。ですが、これまでは自分達の素材がどこでどう使われているかといった情報の共有も少なく、自社商品購入のハードルが高いという問題がありました。
その部分はMOONRAKERSができたことで買いやすくなったと非常に感謝されるのですが、そうなるとよりサービスを向上させたくなるのが私の癖で(笑)。技術者達が最終商品をより手に取りやすくするための社販などの仕組み作りがあればより良いなと考えたりしています。Shopifyを使って最優先で行いたい施策ですね。
河野:Shopifyはそうした仕組みが非常に簡単に作れて管理・運用が楽という点でも大変喜ばれています。最近ではグループ内企業や互いにリスペクトする企業同士が福利厚生も兼ねて、従来の社販のように顧客向けとは異なる販売をする動きもありますね。これはインナーブランディングの観点でとても重要な取り組みだと感じています。