インクルーシブで友好的な「ファンコミュニティ」へ
何かの「ファンである」と言う時、皆さんはどこから「ファンである」と定義しますか? 逆に、「ファンでない」という線引きはどこにあるでしょうか?
好きなものの対象がドラマシリーズならば、そのドラマの登場人物を空で言えないといけない……。ミュージシャンのファンであると公言するなら、楽曲の歌詞くらい覚えていないといけないし、ライブには何度か参加していて当然……。かつてのファンコミュニティでは、このように「自分がどれだけ熱心なファンであるか」を証明する必要がありました。
ところが今、こうした制限はなくなり、新しい時代を迎えつつあります。
テクノロジーやカルチャーコードの変化により、ファン同士の関わり方や情報交換の方法はアップデートされ、排他的というよりはインクルーシブに、批判的というよりは友好的に、ファンコミュニティが進展しているのです。そんな自分の好きなものにとことん熱を注げる場が「ファンダム」です。
近年のファン文化を紐解く調査を実施
近年のファン文化やその考え方、ブランドに対する受容性を理解するために、Twitchは文化的インサイトとブランド戦略のコンサルティング会社Crowd DNAと共同で調査を行いました。その結果をまとめたレポートが「Anatomy of Hype: Engaging fans in a new era of fandom(刺激的な広告の分析:新しいファンダムの時代のファン獲得法)」です。
このレポートは、世界12ヵ国1万2,000人のファンを対象にした調査の結果と、専門家と10個の注目すべきグループへのインタビューに基づいて作成されています。
次のページから、このレポートの内容を踏まえて、現代のファン文化について紹介していきます。