『名探偵コナン』や『犬夜叉』などの名作から、最近では『葬送のフリーレン』といったヒット作などを快調に生み出す小学館の「少年サンデー」。その編集部が運営する漫画配信アプリが「サンデーうぇぶり」だ。人気漫画の連載だけではなく、コンテンツにちなんだ様々な企画やSNSのトレンドを捉えたこまめな無料開放施策などが功を奏し、2024年4月現在で1,500万ダウンロード、DAUが87万人という成果を生んでいる。少年サンデー編集部デスクの足立健斗氏に、右肩上がりの成長を続ける要因を伺った。
コアなファンの期待を応えながら新たなジャンルに挑戦
━━まずは「サンデーうぇぶり」のサービスについて、概要を教えてください。
「サンデーうぇぶり」は、小学館が展開する漫画配信サービスです。「週刊少年サンデー」「ゲッサン」「サンデーGX(ジェネックス)」の3誌が合同で運営しており、少年サンデー編集部がそのまとめをしています。
2014年小学館入社。マーケティング局コミックSP室にて、新刊値引き商品『SPECIALプライスパック』を生み出す。2021年に少年サンデー編集部に異動。現在は『みずぽろ』『KOEボルカルス』など連載漫画の編集も担いながら「サンデーうぇぶり」の運営を主として行う
『名探偵コナン』や『タッチ』『犬夜叉』などの、名作と呼んでいただいている作品から、最近では映像化で話題になった『葬送のフリーレン』や『薬屋のひとりごと』などの作品も配信しています。
また「サンデー」という冠が付いてはいるものの「ビッグコミックスピリッツ」や「ビックコミックスペリオール」などの青年系、「コロコロコミック」などの児童系の作品も配信しており、幅広いユーザーを獲得しています。
━━貴社は他にも多くの媒体をお持ちですが、その中でも「サンデーうぇぶり」の役割を教えてください。
「サンデーうぇぶり」の役割は大きく三つあります。一つ目は、紙の雑誌の規模がシュリンクしていく中で、「週刊少年サンデー」連載中作品および過去の名作へのタッチポイントを増やすことです。
二つ目は映像化作品からの新規読者の獲得です。「漫画を読んだことはないけれど『葬送のフリーレン』のアニメは観ている」というような層に対し、無料キャンペーンなどの施策を機に、アクセスいただく入り口となることを期待しています。
三つ目は新たなジャンルへの挑戦です。「良い子のサンデー」と呼ばれることもあるように、「週刊少年サンデー」は元々ラブコメやスポーツ、ファンタジーといった王道ジャンルの作品で人気を獲得してきた媒体です。一方、Webやアプリでの漫画配信では、ちょいエロやホラー、サスペンスなどのジャンルが好まれる傾向も見えています。本誌に掲載するのは少し難しい部分があるこうしたジャンルも含め、「様々な漫画を読みたい」というニーズを受けて「サンデーうぇぶり」では幅広い作品を発信しています。
━━紙の雑誌「週刊少年サンデー」と「サンデーうぇぶり」では、人気の出る作品の傾向やジャンルは異なるのでしょうか?
一般的に、書店機能がメインの電子媒体は、エロやバイオレンスなどの青年系ジャンルの作品が人気となる傾向があります。「サンデーうぇぶり」も、いわゆる「ウケる」作品の中にはそういったジャンルもあります。
しかしランキングの上位に並ぶとなると「サンデー」カラーの強い、王道のラブコメ作品などが多くなります。これには「サンデーうぇぶり」の読者は、あだち充先生や高橋留美子先生、青山剛昌先生作品といった「サンデー」らしさを求めている方が多いのではないかと感じています。紙の雑誌との共通点・相違点は、我々としても興味深いですね。
ユーザーの熱量に合わせたマネタイズ設計 定期購読者数を最重要視
━━アプリではどのようにマネタイズを図っているのでしょうか。
「サンデーうぇぶり」には、待てば無料で読むことができる「チケット」と、条件を満たすともらえる「ポイント」の機能に加え、有料の機能として「コイン」を買って1話単位で読める「話(わ)レンタル」、利用期間や媒体ごとに料金が設定された「定期購読」があります。
また、すべての作品ではありませんが、雑誌に連載中の作品の最新話は、課金いただくことで「サンデーうぇぶり」でも読んでいただける「先読み機能」も用意しています。漫画の話末広告によるマネタイズも行っています。
━━アプリは業界や業種により、その成長を計る指標も異なっています。「サンデーうぇぶり」はどのような指標を立てていますか?
「サンデーうぇぶり」は2024年4月現在で1,500万ダウンロード、DAUは87万人で、基本的にはいずれの数値も右肩上がりに伸びている状態です。様々な指標の中で「サンデーうぇぶり」が最も重視しているのは、定期購読数です。アプリないしブラウザで、毎週水曜日の深夜0時に更新している作品を読み続けていただく方々を増やしたいと考えています。
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落合 真彩(オチアイ マアヤ)
教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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