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18年連続売上No.1! データ×CRMが導く資生堂「エリクシール」の成長戦略

 スキンケア市場で18年連続売上No.1(※1)を誇る資生堂の「エリクシール」。エイジングケア市場のトップブランドの実績に甘んじることなく、2022年にはブランドの再構築を実施。従来の施策に加え、新たなCRM戦略の展開で前年購買比140%という、さらなる成長を実現している。エリクシールのブランドマネージャーとCRMプロジェクトを支援したブレインパッドへの取材を通し、データの力がブランド戦略にどう関わったのか、その裏側に迫る。

市場の変化とターゲット世代のデジタルシフト

──エリクシールは2022年にブランド戦略を大きく転換したと伺っています。なぜこのタイミングでブランド戦略を見直されたのか、また具体的にどのような転換をされたのかお聞かせください。

小暮:エリクシールは長年にわたりスキンケア市場でNo.1ブランドの地位を維持していたものの、主力市場の縮小という課題に直面していました。スキンケア市場では低価格帯と高価格帯が成長する一方、エリクシールが展開している中価格帯市場は停滞傾向にありました。また従来の戦略は、テレビCMを通じた認知向上から店頭での購入を促すという流れが中心でしたが、エイジングケア世代もSNSをはじめとしたインターネット利用率が急拡大していることから、デジタル接点を強化していく必要性を感じていました。

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資生堂ジャパン株式会社
エイジングケアマーケティング部 エイジングケアデジタルマーケティング戦略グループ ブランドマネージャー
小暮 亮祐氏

小暮:これらの背景を踏まえ、2022年から「選択と集中」という方針で、ブランド戦略の見直しを行いました。これまでは幅広い層に訴求していましたが、エイジングケア領域に特化していくことを決定、ターゲットとするお客様を40歳以上に絞り込みました。商品価値の訴求においても、情緒的な価値に加えて、コラーゲンサイエンスによる機能的価値もしっかりと説明する方針で展開しています。

 さらに、顧客接点においてもテレビCMと店頭に限定せず、デジタルを含めた包括的なアプローチへと移行しました。商品戦略も、多数の商品を展開する方式から、注力する商品を絞り込んで計画的に展開する「ヒーロープロダクト戦略」に変更しました。

CRM戦略を構造から見直し、「継続愛用」に注力

小暮:また、ブランド戦略の転換にともない、CRM戦略も大きく見直しました。具体的には、これまでのテレビCMによる一時的な集客(フロー型)から、継続的な購買・愛用を促進するストック型へと移行し、LTV向上を重視する戦略へ注力していくことにしました。

 CRM戦略では、お客様の情報、特に1st Partyデータが鍵となります。しかしながら、私たちは商品を小売店に卸す立場であるため、直接的なデータを持っていないという課題がありました。そこで、10年ほど前に立ち上げていた会員組織「エリクシールクラブ」を通じて、1st Partyデータの活用に取り組むことにしました。店舗の購買レシートを登録していただくとマイルが貯まる仕組みを導入し、これまで可視化できていなかったオフライン購買・行動データも把握できるようにしたことで、「メーカー・ブランドならではのCRM戦略」の基盤を構築していきました。

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小暮:そして2年半ほど前からブレインパッドさんと協力して、データを活用したCRM戦略を本格的に開始し、現在は、集めたデータをお客様にどう還元していくかというフェーズに至っています。

(※1)インテージ SRI,SRI+スキンケア市場メインシリーズランキング2006年11月~2024年10月 推計販売金額

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お客様の期待と行動をデータで読み解き「ゴールデンジャーニー」を設計

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ブレインパッド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2025/01/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/47757

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