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小林佳徳のネットメディア通信

第1回 Podcastの現状と今後の可能性


Podcastのビジネスモデル

 最後に、Podcastが今後普及した場合に考えられるビジネスモデルについてまとめてみました。

  • 番組内における音声・映像コマーシャルラジオ(TV)内広告のリプレース

    例えば、15秒の企業CMを制作し、あるサイトにアップロードされた番組には自動的に挿入されるといった展開が期待できます。そのような仕組みを開発しているところも出てきているようですが、システム的な問題よりも、配信者の番組内にずっと広告が残るということから、広告の種類や挿入位置を選べるなどの配慮は必要であり、導入のタイミングによってはユーザを失うリスクも考慮する必要があります。

  • 主に配信者等のプレミアムユーザ向けの課金メニューの導入

    容量制限の上限上昇や、リッチなテンプレートの利用ができるなどが考えられます。しかし有料ブログの利用者数を考えると、ビジネスとして成り立たせるにはPodcastならではの仕組みが必要でしょう。

  • リスナーへのマッチ広告などを出すことで広告収入

    リスティング広告、ネットワーク広告RSSによる配信であることや、番組にタグをつけられることから、番組を検索しようとしてきたリスナーへの広告ビジネスが期待できます。コンテンツの量と質が上がってくれば順調に期待できる部分だと思われます。

  • 大手広告主とのタイアップ

    DRM技術による有料コンテンツ配信法人的な側面の強いモデルです。先ほども紹介しましたが、クオリティの高い番組を制作することで、大きい広告効果をあげたり、有料での配信、いわゆる「pay per veiw」を行うことでリスナーから直接利用料を徴収するわけですが、視聴回数を制限する場合などはどうしてもソフトウェアやハードウェアの制約などがあるため、今のところは携帯電話の着メロのような成功するイメージはまだ無いように見えます。

  • Podcastされた番組をCD等の別メディアとして販売

    異なる媒体との流用・連携すでに動いているところもあるようです。データ自体に権利関係が発生しないものがほとんどのため、物理的なメディアだけではなく、極端な話、P2Pのようなネットワークに流すことで広告効果を狙うこともできるかもしれません。例えば書評を行う番組を配布し、結果、書籍を販売するという連携も始まっているようです。

 以上、Podcastの現状分析と今後の可能性を見てきました。  今後ますます個人の、「情報発信」に対する欲求は高まっていくでしょうし、マスとネットの融合といったさらに便利で新しいメディアへの探求が深まっていくことからも、Podcastは目が離せないメディアとして、今後もその行方には注目しています。

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この記事の著者

小林 佳徳(コバヤシ ヨシノリ)

 1973年山梨県甲府市生まれ。幼少時代にNEC PC6001と出会いコンピュータに興味を持つ。 新潟大学大学院自然科学研究科在籍中にインターネットの可能性に惹かれ、1998年に上京。大日本印刷、ベネッセコーポレーション、と大企業を経験後、livedoor、モバイルファクトリー、イトクロなどのベンチャー企業を経て、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/07/12 21:16 https://markezine.jp/article/detail/49

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