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MarkeZine Day 2026 Autumn

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フォーム偏重を脱却せよ!97%を占める「名乗らないサイト訪問者」を引き上げるAI SDR

訪問者の状態に合わせた「出口」で最適な対応を

 AI SDRを機能させる要は、訪問者の状態ごとに次の一歩を設計しておくことにある。澤野氏によると、出口は少なくとも5種類あるという。

入口の再設計、状態ごとに「次の一歩」を用意する

訪問者の状態ごとに用意する5つの「出口」(講演資料より)

  1. 「課題を調べ始めた人」には、商談提案ではなく、関連記事や入門資料、事例を渡すだけにとどめる。
  2. 「解決策を比較している人」には、比較表・機能仕様・費用対効果など判断材料を渡す。
  3. 「導入上の懸念がある人」には、セキュリティ資料や導入フローなど懸念を解消する情報を提供する。懸念は放置すれば離脱理由になるが、解消すれば導入に向けた前進理由になる。
  4. 「具体的に検討している人」には、問い合わせフォームからヒアリング希望日時を出してもらい、カレンダー予約する。
  5. 「興味はあるが今ではない人」には、メール登録を促し継続的にフォローする。

 本来であれば訪問者の状態によって5つの対応に分けるべきなのに、フォーム偏重施策は出口を1つしか用意していない状態だったのだ。

 この設計表を作る過程では、マーケティングと営業の連携が欠かせないが、心配することはない。訪問者の状態という「どちらの縄張りでもない議題」を介し、マーケティングと営業が自然に同じテーブルにつくようになるからだ。

 澤野氏によると、AI SDRの対話を入れることで、リード数だけでなく商談化率まで改善するという。

商談数は1.5〜2倍。しかも商談化率が上がる
AI SDR導入企業の商談数・商談化率の傾向値(講演資料より)

 実際のAI SDR導入事例を見てみよう。

 SaaS自動化ツールを提供する企業では、AI非対応のシナリオ型チャットからAI SDRに切り替えた結果、チャット経由のリード獲得が月1〜2件から月20件以上へと、10〜20倍に増えた。どちらも置き場所も集客も変えず、受け答えの中身と「能動か受動か」の違いだけでこの差が出たという。

 人材英語研修サービスの企業では、AI SDR経由の商談化率が60%超に達した。業界平均が20〜30%程度とされるなかで、およそ3倍にあたる。

 また、あるコンサルティング企業は、アポにならなかった訪問者データからも「どの企業がどのコンテンツをどれだけ見ているか」まで分析できるようになった結果、市場分析や競合分析の質まで高まったという。匿名トラフィックが読めるデータへと変わったことで、ビジネスの精度が向上したわけだ。これにより、営業が受け入れた商談(SQL)が2倍以上に増え、AI SDR経由のリードが3ヵ月以内に受注へつながったという。

成果を左右するのは「AIの性能」ではなく「体験設計」

 ただ、「AI SDRを入れれば自動的に成果が出るわけではない」と澤野氏は注意を喚起する。

 導入現場でつまずく最大の理由は、AIの性能ではなく体験設計にある。全ページで同じ「何かお困りですか」を出す一律の声かけは、ただのポップアップとして無視される。AIが差し出す資料が棚になければ、対話は1〜2往復で終わってしまう。商談化条件が甘くなれば、商談数は増えても受注率は下がる。また、AIで商談まで持っていっても、営業初動が1〜2週間かかるペースのままでは、対話で高まった熱量も冷めていく。

 AI SDRの意義は、フォームの代替にあるのではない。名乗る前から始まる接客として「待つ設計」を「話しかける設計」へ転換し、先に価値を渡すことで後から名乗ってもらうきっかけを作る。フォームは覚悟の決まった人にとって最短の入口として残しつつ、入口をそれ一本に限る状態をやめ、状態ごとに複数の出口を設計する。フォーム送信という1点の計測から卒業できるかどうかに、BtoBサイトの残された伸びしろが懸かっている。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:DynaMeet株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/77647

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