one to oneマーケティング実現への3つのソリューション
これまで述べてきたように広告代理店を取り巻く外部環境の変化は著しく、また一方で企業の代理店離れと言われて久しい。特にインターネット広告の世界では、代理店は必ずしも必要不可欠な存在ではない。実際にメディアと広告主による直接取引が増える中、選ばれ続ける広告代理店であるためには時代の先を見据えて進化していかなければならない。広告主の商品の魅力を、適切なタイミングで、適切な人に届けるためには、従来からあるクリエイティブやターゲット分析はもちろんのこと、テクノロジーによるソリューション強化が不可欠だ。
アドテクノロジーの進化により、マーケティングにおける商品訴求がまさにone to oneに近づきつつある。適切なタイミングで、適切な商品を、適切な人に、適切な表現で、届けることは、非常に広範囲での実現が可能になっている。課題は依然としてあるものの、広告テクノロジー側のシステムと顧客の状況に合わせたシステムをアジャストする技術を開発していくことで、実現可能な範囲はより広がっていく。とくに期待できるものとしては下記の3点だ。
- 顧客側商品状況のリアルタイム更新
- 顧客サイトに埋めるタグの整理
- 統合マーケティングプラットフォーム
ポイント1:顧客側商品状況のリアルタイム更新
オプトと弊社グループのTAGGYで共同開発したMCP(Mulch Channel Publisher)は、商品名・在庫・価格・セールなど商品の個別ステータスを把握した広告クリエイティブとランディングページの出し分けを実現できる。検索連動型広告、レコメンドエンジン広告、オーディエンスターゲティング広告などに利用用途は広がり、ROIを大幅に改善することが可能だ。
ポイント2:顧客サイトに埋めるタグの整理
顧客サイトに埋めるべきトラッキングタグは、効果測定から流入経路別配信制御、第三者配信、DSPなどの目的に応じて、種類も数も飛躍的に増加した。オプトでは効果測定「ADPLAN」で培ったノウハウをもとに、タグマネジメントサービスを提供している。「ADPLANワンタグ」は企業サイトにおけるタグの設定や運用を一元管理するためのシステムで、商品IDなどを動的に引き継ぐタグにも対応。サイトソースを変更せずに、管理画面上から各ページや商材ごとに、タグの設定・編集・削除を行うことができる。
ポイント3:統合マーケティングプラットフォーム
今日では様々な広告手法が現れてきたことにより、利用する広告ごとにレポートの単位がバラバラになるのが一般的である。それを顧客側の視点に立ち、意思決定を迅速にするために、オンラインはもちろん、オフラインも含めたDBを統合し、顧客のマーケティングプラットフォームを構築することが必要だ。オプトでは「ADPLAN」をベースに様々なツールベンダーとの連携を可能にし、データ計測から意思決定までをシームレスにつなげている。
eマーケティングカンパニーとして進む第3の道とは
ここ数年、インターネットマーケティングの環境変化は著しい。数年前では信じられないようなサービスが次々と生まれてきた。タイムマシンで2000年代前半から2012年へやって来た人たちは、その進化に驚くだろう。これは広告主も含めて、業界内のあらゆるプレイヤーがマーケティング効果の向上に正面から向き合った結果と言える。私たち広告代理店も、目に見えるところから見えないところまで、少なくないシステム投資、そしてそれを使いこなす社員の育成を手掛けてきた。
しかし、個々のサービスが進化し、すばらしい費用対効果を生み出す広告商品を提供すればするほど、顧客からは全体を統合した戦略の構築と確実な戦術の実行を求められる。プラットフォームと名のつくサービスを導入を進め、さらなる自動化を進めても同じことが言える。
今後も、テクノロジーが進化するほど、顧客のニーズはますます広がっていくだろう。今まで述べてきたことと矛盾するようだが、広告商品の運用力を高め、高いROIを実現すればするほど、同時にその個別の商品をトータルして統合管理する力が求められる。個別最適と全体最適の両立、そのニーズに応えるサービスを提供し続けていくことが、私たち広告代理店のミッションだ。