SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

「あのキャンペーン」の担当者に直撃!

サンスターとPARTYが提案する歯磨き体験、スマート歯ブラシ「G・U・M PLAY」が目指すもの

 2016年4月にサンスターが発売した「G・U・M PLAY」は、歯磨きの状況をスマートフォンのアプリに送信し、そのデータを活用してアプリを楽しんだり、磨き方の採点ができるというもの。私たちの生活に入り込んだ身近なIoTデバイスだ。同社はなぜ、このような商品を開発したのか。仕掛け人であるサンスターの松富氏とPARTYの田中氏に詳しい話を聞いた。

日常に入り込むIoTデバイス「G・U・M PLAY」

 IoTという言葉が広がる一方で、私たちが普段の生活のなかでそれを身近に感じる機会は少ないのではないだろうか。この状況のなかで、2016年4月18日(よい歯の日)にサンスターがスマート歯ブラシ「G・U・M PLAY」の提供を開始した。

  歯ブラシのハンドル部分に「G・U・M PLAY」を装着すると、歯磨きの状況をセンサーが認識し、その情報をBluetoothでスマートフォンのアプリに送信するというもの。データを活用して、歯科衛生士のブラッシングの動きに、どれだけ近いかを採点するアプリや、曲にあわせて磨く場所を教えてくれるアプリ、歯を磨きながらモンスターと戦えるアプリなどが用意されており、一般生活者が気軽に利用できるIoTデバイスとして注目を集めている。

 

 今回、G・U・M PLAYの仕掛け人であるサンスターの松富信治氏と、PARTYの田中潤氏に企画意図から開発秘話、今後の狙いまで、詳しい話を聞いた。

新しい体験を通してブランドの先進性を伝えたい

Marketzine編集部(以下、MZ):お二人はG・U・M PLAY企画にどのような立場で関わっているのでしょうか?

右:サンスターグループ オーラルケアカンパニー 日本ブロック マーケティング部 プロダクトマネジメントグループ 松富信治氏左:PARTY エグゼクティブ プロデューサー 田中潤氏
右:サンスターグループ オーラルケアカンパニー 日本ブロック マーケティング部
プロダクトマネジメントグループ 松富信治氏
左:PARTY エグゼクティブ プロデューサー 田中潤氏

松富:私はオーラルケアのマーケティングを担当として、歯周病を予防するG・U・Mシリーズを含めた商品開発やマーケティング戦略の立案を行っています。

田中:私はプロデューサーとして、クリエイティブディレクターやプランナーなどのスタッフをまとめ、G・U・M PLAYのプロジェクトを進行する立場ですね。

MZ:G・U・M PLAY企画の背景はどのようなものでしょうか?

松富:G・U・Mは25周年を迎えた長寿ブランドで、長くご支持いただいている一方で、ユーザー層が高齢化している傾向があります。そのため、若い方にブランドの先進性やメッセージを伝える必要があると考えました。しかし、従来のマスメディアだけでは、若い方々へのアプローチが難しく、ましてやユーザー体験を変えることは容易ではありません。この課題意識から、今回の企画にたどり着きました。

田中:G・U・M PLAYを企画する前に、サンスターさんのオフィスへ2週間に1回、半日から1日お邪魔して、企業理念や悩みなどを聞き、ディスカッションをする時間を持ちました。そのなかで“1回の歯磨きは3分間行う”ことが推奨されている割に、浸透していないという話題が出ました。

 自分の行動に照らし合わせても、「3分も磨いてないかも」と思いますよね。ちゃんとしたいけど、実際にはできていないという、みんなの課題をクリアできるようなコミュニケーションを通して、G・U・Mの魅力を伝えられないかという話になりました。

松富:データの面でも様々な調査で、体感では3分磨いているつもりでも実際は1分くらいだったり、逆に時間をかけていてもきちんと磨けていなかったりするケースが多いことがわかっています。あとは、子供の歯磨きの習慣化ですね。今までも光る歯ブラシや、音が出る歯ブラシなどが発売されていますが、なかなか課題解決の決定打にならなかった。そこにインタラクティブな何かがあれば態度変容が起こるのではないかと考えていました。

田中:そこで「やらなくちゃから、やりたいへ」というコンセプトを作り、歯を磨く3分が楽しくなるような製品を作ろう、と。もちろん、楽しいだけではダメなので、正しく磨ける機能をサンスターさんからアドバイスいただいて開発していきました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
普及を前提に考えると、電動歯ブラシよりもアタッチメント型

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
「あのキャンペーン」の担当者に直撃!連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/10/07 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25274

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング