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カスタマージャーニーマップ作成・活用事例(PR)

“店舗ごとに全く異なる顧客の嗜好”をCJMで明確化、ペルソナと顧客の距離を縮めるバリューマネジメント

地道な改善が成約につながる

 CJMによる仮説と、顧客のアクションとのギャップで見えてきた気づきは、何を生み出しているのだろうか。笠氏と高野氏は一例として「検索流入よる気づき」を挙げる。

 「CJMを描いて仮説を立てた上で、実際のお客様のお声を調べると単なる検索ではなくて、画像検索で流入するケースが多々あることに気づきました。“え、画像なの?”と(笑)。そこで、弊社サイト内の全画像を再確認してAltタグにきちんとしたテキストが埋め込まれているかを確認し、内容をコントロールするようにしました」(笠氏)

 「従来通りのワードを出すのではなくて、会場ごとのお客様に響きやすいワードを、個別に出すよう改めています。こうしたささやかな改善が、成約に近づく成果につながると考えています」(高野氏)

 キーワードの出し方にも工夫が必要だと再確認できたという。

 「神戸でウェディング会場を探すとします。同じウェディングを指す言葉でも、神戸 ウェディング、神戸 結婚式、神戸 ブライダル、神戸 結婚式場など会場の趣向によって、最適解が違うことがわかりました」(笠氏)

 他にも新たにInstagramのアカウントを立ち上げたり、各会場の特徴に合わせてFacebookの投稿頻度を上げたり、広告予算の投下先を変更するといったアクションにも結びついている。その結果、CPAの大きな改善やアトリビューションにも波及している。

ヒルサイド神戸のInstagramアカウント(@the_hillside_kobe)
ヒルサイド神戸のInstagramアカウント(@the_hillside_kobe)

 「ペルソナの精度を高める作業に注力して、その先に待つ成約するお客様を呼び込んでいくことが、マーケティングの使命だと思っています」(笠氏)

 <カスタマージャーニー研究プロジェクトメモ・その1>

 バリューマネジメントのように、各店舗でペルソナを設けてCJMを作る必要がある場合、一度それらを集めて俯瞰すると良い。事業視点を入れて、各店舗で見出した個別最適化の中からプライオリティをつけられれば、企業として一本筋の通ったCJM活用となるはずだ。

BtoB的アプローチのCJM作成も検討

 同社では、1年前からのCJM作成を通じて、社内の共通認識の輪が確実に広がっているという。今後はその浸透が本当に隅々まで行き渡ることがミッションだ。

 「CJMという共通認識について、マーケティング部と近隣の部署には理解されやすい一方で、全社的にはまだまだ浸透しきれていません。一刻も早く社内のゴールの共通化は浸透させたい。今後もっとCJMの重要性を伝えていくには、自分たちの部署がどうこうではなく、会社全体にとってどうなのか。お客様にとってどうなのかについて訴求したいです」(笠氏)

 元々ペルソナマーケティングを進めてきた同社だけに、CJMの活用がフィットしやすい背景もあったのだろう。今後も、もっと条件の異なる設定のもと、CJMを描き、気づきを見出したいと考えている。

 「今後CJMには、定量的なKPIの設定やアトリビューションについても反映したい考えです。悩みどころは、ペルソナを一人に絞れないケースについて。ウェディングでいえば、探し始めるのは新婦でも決済者が新郎。宿泊なら、調べるのは母親で予約するのは娘。この場合、ペルソナを二人で進めるべきか、初期検討ペルソナと購買ペルソナと分けた方がいいのか。この答えは、運用しながら1年かけて見つけていきたいですね。」(笠氏)

 <カスタマージャーニー研究プロジェクトメモ・その2>

 無理にペルソナを一つに絞らず、二つ設けてCJMを作る方法もある。たとえば、決済者/意思決定ペルソナと、現場ペルソナの二つを設け、両者を連携させると良い。これは特にBtoBマーケティングだと取り入れやすい。

 「私は、もっとCJMを突き詰めた活用がしたいです。結婚式の実施率が下がっている世の中で、結婚式という文化や価値、意味を伝えて、実施率を上げたいのです。結婚式という文化を後世に残すのもミッションの一つだからこそ、マーケティングが問われますし、CJMに磨きをかけて結婚式を検討しない層に、来店前(認知以前)層への最適なアプローチにつなげたいと考えています。結婚式に対するお客様の考え方をパラダイムシフトしたいですね」(高野氏)

 結婚式への興味がない層へのアプローチは、確かに難題だが、最適なタイミングで最適なコンテンツやメッセージを用意できれば、適切なコミュニケーションにもつながる。ブラッシュアップを重ねる同社のCJMがどのような進化を遂げていくのか。バリューマネジメントが見出していくであろう、新たなマーケティングソリューションに大いに期待したい。

 <カスタマージャーニー研究プロジェクトメモ・その3>

 今回の例は、顧客が認知をして実際に結婚式場を決めるまでのサイクルが約40日だとされた。新たな施策(打ち手)を見つけるための突破口として、40日の中で1週間単位などの「短期間のジャーニー」を描くのも一手。どこで知って、どこでインサイトが変わるかなどを考えていくと、そのためのコンテンツ案のアイデアが出てくるだろう。

カスタマージャーニー研究プロジェクトとは?
MarkeZine編集部とセールスフォース・ドットコム マーケティングディレクターとして、各企業とジャーニーを研究してきた加藤希尊氏を中心に共同でカスタマージャーニー研究プロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトでは、「顧客視点のマーケティング」における成功例を取り上げ、様々なアプローチ方法をご紹介していきます。
カスタマージャーニーマップ作成の事例はこちら
カスタマージャーニーマップを作成した上で、活用している事例はこちらでご覧いただけます。

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この記事の著者

高山 透(コウヤマ トオル)

フリーカメラマン。雑誌の撮影などを主にしています。最近では、webの撮影も多くなってきました。日々の生活は、朝タブレット端末をながめながらコーヒーを飲み、のんびり1日が始まります。 休みの日は、新宿御苑に行ったり、子供と遊んで過ごしています。webサイト

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加藤 希尊(カトウ ミコト)

チーターデジタル株式会社 副社長 兼 CMO 広告代理店と広告主、BtoCとBtoB両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。WPPグループに12年勤務し、化粧品やITなど、14業種において100以上のマーケティング施策を展開。2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画し、日本におけるマ...

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遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/08 11:00 https://markezine.jp/article/detail/27405

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