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シェア拡散されるブランドストーリー

スペースX打ち上げ実験は、電気自動車の壮大なSNSプロモーション⁉宇宙が持つPRの可能性

 その時々の時流に合わせてコンテンツがシェアされる理由を分析してきた本連載。今回は、民間ロケット会社スペースXによる、史上最大級の大型ロケット「ファルコン・ヘビー」打ち上げ成功がもたらしたPR効果を考察すると同時に、「宇宙」を絡めたプロモーションがもたらす効果を明らかにします。

民間宇宙企業が成し遂げた偉業

 本連載ではこれまで幅広く、シェア拡散視点でコンテンツを紐解いてきました(前回記事はこちら)。そして今回取り上げるのは、米宇宙開発ベンチャーのスペースXによる、史上最大級の大型ロケット「ファルコン・ヘビー」の打ち上げ成功です。

 日本時間2月7日の午前5時45分、天才企業家として名高いイーロン・マスク氏が率いる民間ロケット会社スペースXが史上最大級の大型ロケット「ファルコン・ヘビー」の打ち上げを成功させ、大きな話題を呼びました。

 全世界が固唾を呑んで見守るなか、ケネディ宇宙センターから打ち上げられた「ファルコン・ヘビー」は、予定通り順調に飛行。ブースターの切り離しを行い、上部はそのまま宇宙へと旅立ちました。切り離したブースターのうち2基は逆噴射によって地球に戻り、無事、発射場に着陸したのです。

ライブ配信がエンターテインメントに

 民間宇宙開発を行う企業として功績を上げ、世界中で話題になった今回のプロジェクトですが、本連載で注目したいのは発射に合わせて配信されたライブ動画が持つコンテンツとしてのパワーです。

 

 まず、このライブ動画、コンテンツとしての出来栄えが素晴らしいんです。冒頭、「ファルコン・ヘビー」を組み立てるタイムラプス(コマ落とし)動画からスタート。これまでのプロジェクトを編集して作られたオープニングムービーは、スペースXのロゴがどーんと決まると現地のライブ配信にスイッチされ、否が応でも気分が高まります。

 ロケット発射の準備真っ最中には、なんだか凄そうな“基地”から、MTVのVJのようなノリノリのレポーターが今回のプロジェクトについて解説し、カウントダウンに突入。発射後も、複数のカメラをスイッチングして飛行の様子を多角的に捉えた映像を配信し続けました。

引用元:Falcon Heavy Test Flight
https://www.youtube.com/watch?v=wbSwFU6tY1c

 スピードメーターをリアルタイムに表示するなど画面デザインにも細部までこだわっています。これは、明らかにこの発射実験をニュースとして届けるコンテンツとは一線を画す、シェア拡散を意識した“エンターテインメントコンテンツ”といえます。

引用元:Falcon Heavy Test Flight
https://www.youtube.com/watch?v=wbSwFU6tY1c

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この記事の著者

物延 秀(モノノベシュウ)

スパイスボックス 副社長。2006年スパイスボックス入社。プロデューサーとして大手企業のデジタル・コミュニケーションをワンストップで支援し、2012年以降はソーシャルメディアを中心とした「共感」と「話題」を生むコンテンツのプランニングとプロデュース、自社ソリューション開発を統括。2016年に事業統括責任者および執行役員に就任。2017年より現職。自社サービス:インフルエンサーマーケティング支援「TELLER」、コンテンツマーケティング支援「BRAND SHARE」、ROI分析プラットフォーム「THINK」、自社メディア:「newStory」自著:『新ヒットの方程式』~ソーシャルメディア時代は、「モノ」を売るな「共感」を売れ!~(宝島社)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/03/22 09:00 https://markezine.jp/article/detail/28064

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