「ノンカチオン」という新たな市場の創造
――ジャパンゲートウェイのヒット商品「レヴール」は、マスを中心としたプロモーションを行い、ヘアケア業界にノンシリコン市場を創造しました。今回、マスの活用ではなくヘアラボで新商品のキャンペーンを行った背景を教えてください。
丹治:我々は今回、「レヴール」をリニューアルした「レヴール ゼロ」のプロモーションに取り組みました。この商品の最大の特徴である「ノンカチオン(一般的なヘアトリートメントに含まれるカチオン界面活性剤が含まれないこと)」という付加価値を訴求し、前回の「ノンシリコン」に続く新たな市場を切り開いていくことが目的です。しかし、従来にはない新しいメッセージですので、まずは最適な情報発信の方法を設計する必要がありました。
ノンカチオンの訴求には、2つのポイントがあります。1つ目は、一般的なトリートメントに配合されているカチオンという成分にはかゆみや炎症など、髪や頭皮への悪影響につながる可能性があることをしっかりと伝えること。そして2つ目は、ノンカチオンを実現した「レヴール ゼロ」は長くご利用いただくことで効果を実感する商品であることを伝えるということです。
なので、「トライアルで1回試してみよう」ではなく、正しい情報を発信し、正しく理解された上で使っていただきたいんです。そこで、まずはヘアケアに興味のある顕在層にその情報を届けることを優先して、ヘアラボさんとの取り組みをスタートしました。
山口:ヘアラボさんを選んだ1番の理由は、バーティカルメディアの中でも、特にヘアケア業界への理解・関心が高いためです。ヘアケア用品に関するトレンドや成分といった領域にも精通していて、メーカーである私たちのほうが勉強させていただくこともありました。実際に使っていただくお客様のためにも、「レヴール ゼロ」をヘアラボさんにかみ砕いてわかりやすく取り上げていただくことに価値があると思い、お願いしました。
丹治:いきなり商品のアピールをするのではなく、まずは価値を伝えることを意識しました。ヘアラボさんにも、商品の発売以降定期的に記事を書いていただき、多面的に商品を訴求できるよう工夫しました。
【ヘアラボに掲載された記事】
「【新発売】『レヴール ゼロ』シャンプー&トリートメントを徹底解説~特徴・成分・口コミ(使用感)をお届け~」
「『ノンカチオン』って何?~おすすめのトリートメントも紹介〜」
「えっ、「髪年齢」って何? 美容師が教える、健やかな美髪のために今できること」
「ノンシリコン・ボタニカル・オーガニックシャンプーって、どんなシャンプーなの?〜シャンプー開発担当者に聞いてみた〜」
慶野:ヘアケアの分野はより細分化していまして、まず価格から価値訴求へシフトしています。「スカルプ」や「ノンシリコン」、「ボタニカル」「オーガニック」といった価値の訴求は、もはや当たり前になってきました。
今は「すべて日本製のオーガニック商品」であったり、ジャパンゲートウェイさんのように「髪に低刺激なノンカチオン」など、いかに付加価値を乗せられるかがトレンドとなっています。なので、CMなどのビジュアル中心の訴求だけでは、商品の価値を伝えきれないんです。
メーカーは、細分化していく商品の特徴を本当に理解してもらうために、深いメッセージがしっかりと響くユーザーへ情報を届けたいと願っています。そのため、ヘアケアに対する関心度の高いユーザーが集まるヘアラボが、コミュニケーションポイントとして選ばれているのだと思います。