潜在層や実購買層の把握が可能に
オフラインの購買状況を把握することができると、どのようなメリットがあるのだろうか。導入企業の事例をいくつか紹介する。
ある男性向け商品を展開するメーカーでは、「Rakuten Pasha」を活用して実店舗における購買層を分析したところ、実際の購入者は女性ユーザーが3割を占めることがわかった。代理購入の可能性もあるが、広告戦略やマーケティング展開を見直す必要性が明らかになった。またコーヒーやミネラルウォーターなど複数の商品を展開している某飲料ブランドでは、「Rakuten Pasha」を活用してそれぞれの商品の買い回り状況を分析。どのような層に対し、どのようにブランドを横展開していくべきか、数値を元に判断できるようになったという。
さらに、「Rakuten Pasha」では継続的に商品を購買してもらう仕組みを作ることも可能だ。一般的なサンプリング施策では、一挙に数十万個の商品を配るなどの形を取ることが多いが、「Rakuten Pasha」では、ユーザーが1回目の購入時に100ポイント、2回目には30ポイント、3回目には10ポイントを獲得できる「トクダネ」を発行するなどして、サンプリングと同時に継続的な購入を促すことができる。購入頻度や購入場所に加えて定着度を把握することができるほか、「回数を追うことで『どんな人が継続して購入しなかったか』といった点も明らかにできるので、それに基づいた戦略を立てられます」と、山口氏は話す。
「このように、実店舗における購買を活用して、オフラインマーケティングのPDCAを回せることが『Rakuten Pasha』の強みであり、広告サービスとしての価値だと思います」と山口氏は話し、「顧客理解が深まることで、広告主のマーケティングの強化、さらには商品開発などに寄与し、より良い商品がそれを必要としているユーザーと出会える機会を提供していきたい」と抱負を述べた。
約85万人が毎日閲覧する「Super Point Screen」
続いて、「Super Point Screen」について見ていこう。「Super Point Screen」は、Androidであればロック画面、iOSであれば通知などを通して広告に接触し、タップすることで「楽天スーパーポイント」を獲得することができるおこづかいアプリだ。同時に、許諾を得たユーザーの位置情報を活用することで来店促進を支援する広告サービスとしての顔も持つ。
「サービスを開始して丸4年以上が経ち、現時点でAndroidとiOSを合わせて300万ダウンロードを突破しています。月間アクティブユーザー数は約130万で、うちデイリーアクティブユーザー数は約65%です。つまり約85万人が毎日アプリを開いて広告を閲覧し、ポイントを獲得しているということです。楽天の『ファーストタッチポイント』になり得るメディアだといえます」(小林氏)