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実践!マーケティングアカデミー

ブランドへの「共感」、どう作る?

※本記事は、2020年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』51号に掲載したものです。

本日のお題
ブランドへの「共感」、どう作る?

有名歌手が商品名を歌い上げるCMでおなじみのエステー。「消臭力」というブランド名の認知と同時に顧客との絆づくりにチャレンジしてきた同社は、さらなる「ブランドへの共感深耕」にマーケティングをシフトしていた。同社が見つけた、その方法とは?

回答者は……
「企業人を捨て、ファンではなく“仲間”を作る」
「企業人を捨て、ファンではなく“仲間”を作る」

【写真右】
エステー株式会社 執行役エグゼクティブ・クリエイティブディレクター 鹿毛康司氏
【写真左】
Adクリエイター 井出瑞樹氏

お客様は「リーチ先」ではない

――本誌1月号のコメント企画では、井出さんにご協力いただきました。その際、昨年4月に「エステー特命宣伝部」を立ち上げられたこと、特命宣伝部の仲間たちで新CMのオンエア時に協力して盛り上げ、Twitterのトレンド入りができたことなどを述べられていました。非常に興味深かったため、今回の取材ではこの取り組みについて、詳しくお伺いしていきたいと考えております。まず「エステー特命宣伝部」とは何か教えてください。

鹿毛:「エステー特命宣伝部」は、お客様をターゲットにするのではなく、自分たちと一緒の仲間として捉えていこうよという取り組みです。企業側が何かを発信して「これを買ってください」「ファンになってください」というように、お客様を「リーチ先」として考えるのはやめましょう、ということです。

 元々私たちエステーは、ファンの価値をずっと感じていて、それを一番大事にし続けてきた企業です。「エステー特命宣伝部」という名前がついたのは昨年ですが、それよりも遥かに前、2003年頃からずっとお客様との関係値を作ろうとしてきました。近年「ファンベースドマーケティング」という手法に注目が集まっていますが、我々はもう10年以上前からファンとの取り組みを大切にしてきたのです。

――かなり早い段階から取り組まれてきたのですね。

鹿毛:はい。「それはなぜか」というお話の前に、まずエステーが取り組んできたPR戦略について簡単にご説明します。私たちは2003年頃から「ちょっと風変わりなCM」を沢山作っていました。

 たとえば女優の草刈麻有さんが「新CMをオンエアする予定でしたが、制作が間に合いませんでした」と説明する「急場しのぎCM」や、エステー宣伝部長の「高田鳥場(たかだのとりば)」つまり、私が被り物をしてCMに登場するものなど。なぜこういったCMを作っていたかというと、広告費が他社と比べて潤沢ではなかったためです。そのため、尖った、記憶に残るCMを作る必要があったのです。

 またこれらのCMをTwitterやWebサイトと連動させることで、テレビからネット検索、ネット検索からテレビというようにつなげていく「コンテンツマーケティング」を行ってきました。

 これらはケビン・ケラーが提唱している「ブランド・レゾナンス・ピラミッド」における「ブランド認知」を取っていくための仕掛けです。しかし、どんなに「エステー」「消臭力」というブランド名を認知させても、「共感」がなければブランドは成り立ちません。そこで、この「共感」の部分をどう作っていくかというのを試行錯誤してきたわけです。そして、そのひとつの答えが出たのが東日本大震災の時でした。

 震災後、しばらくは企業CMも自粛が続いていたのですが、消費者の皆様から「日常に戻りたい」「楽しいCMが見たい」という声が上がっていました。私たちはそういった声に応える形で、震災後初の商品CMを流しました。それが、ポルトガルの少年ミゲル君がアカペラで消臭力の歌を歌うCMです。

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消費者の声から生まれたCMが「共感」を作るきっかけに

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

1993年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。Web記事に加え、定期購読誌『MarkeZine』の企画・制作、イベント『MarkeZine Day』の企画も担当。最近はSDGsに関する取り組みに注目しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/18 17:28 https://markezine.jp/article/detail/33059

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