SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

ポストCookieの世界~アドテク最新事情をキャッチアップ

Cookie規制で注目される「文脈・情緒」を活かしたターゲティング【コンテキスト広告の現在地】

 RTB House高橋氏が、ポストCookieの世界とアドテクの技術革新を紐解いていく本連載。第2回はコンテキスト広告領域のプレイヤー、GumGum(ガムガム)米国本社の幹部に取材。早くからコンテキスト広告に着目し、技術を磨いてきた同社に、プロダクトの概要やブランドセーフティ・ブランド適合性への対応をうかがうとともに、日本と米国におけるアドテク業界の現在地、各プレイヤーの対応状況などを議論した。

広告主のメッセージを適切な文脈で伝える

高橋:本日はGumGum(ガムガム)のAdam Schenkelさんにお話をうかがいます。Adamさん、まずは自己紹介と御社のサービスについて教えてください。

Adam:Adam Schenkelと申します。GumGumは画像認識技術と自然言語処理技術でマーケティングを進化させる会社です。グローバルでは広告とスポーツマーケティングの2領域で事業を展開していますが、日本では現在、広告事業のみを提供しています。私がGumGumに入社したのは2013年ですが、弊社はその頃から既に、画像解析を使ってコンテンツ単位で内容を理解し、適切な文脈に沿った広告配信を行う技術に注力していました。

(左)GumGum  SVP, Global Commercial Development Adam Schenkel氏(右)RTB House Japan Head of Sales 高橋 君成氏
(左)GumGum SVP, Global Commercial Development Adam Schenkel氏
(右)RTB House Japan Head of Sales 高橋 君成氏

高橋:当時はCookieを活用したユーザーターゲティングが主流だったと思いますが、一貫して文脈に着目したターゲ一ティングを提案し続けてきたのですね。

Adam:はい。もちろんユーザーターゲティングにも価値がありますが、ユーザーが何を読んでいるかを理解することができれば、広告主が伝えようとしている広告メッセージを、適切な文脈に乗せて表示できるようになると考えていました。

 その技術が、ページ上の画像やテキストを自然言語処理を使ってコンテキスト解析する「Verity(ベリティ)」というプロダクトにつながります。Verityは元来GumGumの配信ネットワーク内で活用されていましたが、世の中のニーズに応えるべく、現在は外部への提供も開始しています。

高橋:では、Verityの仕組みを教えて下さい。

Adam:接続方法としては、広告主向け、媒体社向けの2種類を提供しています。広告主向けについては、DSPの管理画面で「GumGum」を有効にすることで、ブランドセーフティ機能やコンテキストターゲティング機能を使うことが可能になる、Pre-bid(事前入札)のようなソリューションです。

 媒体社向けのソリューションは、自社のブランドセーフティを強化したり、自社ページのコンテキストデータを蓄積・分析してインサイトを得ることが可能です。

Cookie配信との比較、発展可能性

高橋:Cookieに限らず、データプライバシーに関する問題はこれからますます対処すべきものになっていくと考えられますね。

Adam:はい。まさにそうした時代に、コンテキスト広告はますます意義深いものになると思います。コンテキスト広告は個人データに一切依存していないため、Cookieや識別子の有無に関わらず機能します。唯一の解決策ではないかもしれませんが、間違いなく大きな位置を占めるようになるでしょう。

高橋:なるほど。現時点で、コンテキスト配信はCookieを活用した配信と比べてどのくらい優れているとお考えですか?

Adam:今のところ、コンテキスト配信はCookieを活用する方法よりも難易度が高いものではありますが、非常に大きな拡張性があります。たとえばGumGumの場合、自社のエコシステム内で完結するのではなく、多くのDSPとも接続しており、それぞれのDSPからの入札にも対応しています。

 また、ブランドの安全性や適合性を確保するために、コンテンツの意味だけでなく、センチメント(情緒)を解析したり、不適切なヘイトコンテンツを解析して分類したりといったことも可能です。広告配信の対象になるコンテンツが個別の事象につ肯定的な文脈なのか、否定的な文脈なのか、または中立的な文脈なのかを判断できるということです。こういった技術を持っている企業は、我々を含めごくわずかだと思っています。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
米国で浸透しつつある「ブランド適合性」の考え方

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
ポストCookieの世界~アドテク最新事情をキャッチアップ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高橋 君成(タカハシ キミナリ)

Cosmose Inc, Head of Sales&Partnership, Japan 1988年生まれ。外国語大学卒業後、リクルート、Criteoなどを経て、RTB Houseの日本法人立ち上げを経験。2021年4月よりCosmose Incの日本ビジネスにおける責任者を務める。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/10/15 07:00 https://markezine.jp/article/detail/34251

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング