SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

分析業務の効率化で年に140時間を削減 リノベるがGA4移行後の悩みを解決するために選んだ手段

 2023年7月1日までの移行が必須になったGoogle Analytics4(以下、GA4)。これにともない、旧GA(UA)で使用できていたWebマーケティングにおけるデータの自動モニタリングができなくなり、新たに発生する業務によるリソースの圧迫や、これまで蓄積してきたノウハウが発揮しづらい状況に悩むケースが多く見られる。リノベるではこのような課題を解決するため、ヴァリューズとともにGA4上のデータからKPI効果検証を行うためのダッシュボード化を実行、Webマーケティングのためのデータ分析環境を大きく改善した。本取り組みについて、リノベるの舩田氏と渋谷氏、ヴァリューズの小林氏に詳細を伺った。

物件の購入支援と生まれ変わりを手掛ける「リノベる」

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず皆様のご担当業務とミッションをお教えください。

舩田:リノべるでマーケティングのリードジェネレーション領域を担当しています。具体的にはサイト運営や広告運用などマーケティング施策全般の管理をしています。

渋谷:データ分析を担当しており、自社顧客や市況感、競合環境をウォッチしています。これまで様々な企業で働いてきましたが、一貫してデータ分析に携わってきました。

画像を説明するテキストなくても可
(写真左)リノベる株式会社 マーケティングソリューション本部 本部長代理 舩田 悠介氏
(写真右)同社 マーケティングソリューション本部 マーケティングソリューション部 セールスマーケティング課 渋谷 真理子氏  

小林:ヴァリューズではお客様がお持ちのデータを利活用する事業を行っており、私はコンサルタントとして、リノべる様をはじめとした企業様の支援をさせていただいています。

画像を説明するテキストなくても可
株式会社ヴァリューズ ソリューション局 DX推進支援G マネジャー 小林 竜也氏

MZ:改めてリノベるの事業内容についてお聞かせいただけますか。

舩田:主に三つの事業を展開しています。一つは主軸であるto Cのリノベーション事業。お客様の物件購入の支援からリノベーションした家の提供までを行っています。二つ目はto Bのリノベーションプラットフォーム事業で、法人様がお持ちの一棟ビルなど遊休資産化した不動産の利活用を推進しています。三つ目はパートナー企業向けのDXプラットフォーム事業です。個人向けリノベーションサービスのFC展開に際し、リノベーションに最適化されたノウハウやテクノロジーツールを日本全国のパートナーへ展開することで、リノベーションに関わる事業者のDXを推進しています。

GA4への移行により顧客データの自動連携が不可に

MZ:リノべるではWebマーケティング施策に力を入れていると伺いました。運用においてはデータに基づいた分析と改善が重要と考えられますが、貴社ではどのように取り組んでいるのでしょうか。

舩田:当社のマーケティングにおいて主な役割は、リードジェネレーションの部分です。商材の特徴として検討工程が長いため、安定的にリードを獲得して商談につなげられるようにデータを活用することで計画を立て、モニタリングを行っています

 また、お客様のニーズや検討段階に合わせた施策を実施できるように、メールやSNSなど様々なツールを用いた情報提供を行う他、営業との連携にも力を入れて顧客のデータを蓄積するようにしています。ですが、オンライン・オフラインから引き出したデータを1ヵ所に蓄積しなければいけないため、難しい部分でした。Excelやスプレッドシートなどを使い、表組みを作り、組み替えてクロス集計し直していく必要があり非常に手間でしたね。

渋谷:さらに、GA4への移行で、データの集計がより煩雑になることが予想されました。UAの時はアドオンの機能でデータの自動連携をしていました。ですが、GA4では現在その機能がGoogleから発表がされていない他、トークンの制限もあります。今まで通り自動連携で円滑にモニタリングするためには、Big Query経由でデータの自動更新が必要になりますが、その新たな業務が本来行うべき分析等の業務のリソースを圧迫する懸念がありました

 そこで以前からWebマーケティング関連でお世話になっているヴァリューズ様に相談をしました。これまでの信頼関係から「きっとヴァリューズ様なら、GA4移行後のモニタリング環境整備に向けて、サポートいただけるだろう」と思ったのです。

 結果、GA4上のデータからKPI効果検証を行うためにダッシュボードを作成し、私達の課題を解決してくださいました。

GA4移行以前と一貫したデータ分析を実現

MZ:今回のダッシュボード化は、ヴァリューズが展開する「DX推進支援サービス」によるものと聞きました。サービスの簡単な概要と、ダッシュボード化における支援内容をお聞かせください。

小林:こちらのサービスは、ビジネスユーザーが自社のGA4のデータを扱う際に、スプレッドシートからデータの抽出内容を決めて自動更新をかけられるようなモニタリング環境に整備することで、ユーザー自身が決めた観点での振り返りやその後の意思決定を支援するものです。

 具体的には、まずGA4にたまっているデータをGoogle Cloud PlatformのサービスであるBigQueryにエクスポートします。ただし、生のデータでは使えない状態なので、既存のUAで使われていた指標で抽出ができるように表形式に成形します。

BigQyeryにエクスポートしたデータ
【クリックすると拡大します】
BigQyeryにエクスポートしたデータ

小林:それをGoogleスプレッドシートのデータコネクタであるコネクテッドシートにつなぐことで、スプレッドシート上で任意の条件での抽出や、組み替えが設定できるようにします。

コネクテッドシート経由で任意のデータを抽出したスプレッドシートの画面
【クリックすると拡大します】
コネクテッドシート経由で任意のデータを抽出したスプレッドシートの画面

舩田:ツールが変わると導入前と後で分析が途切れてしまうことも少なくないため不安なものですが、ヴァリューズ様のサービスは、普段使い慣れているスプレッドシートをそのまま使えるので、非常にありがたいと感じています。

渋谷:当社では緻密な分析のために非常に細かくモニタリングシートを作っています。だからこそ、GA4に移行後でもスプレッドシート上で関数を少し調整するだけで通常運用にのせられる点は大きなポイントでした。

画像を説明するテキストなくても可

渋谷:加えて、GA4への移行により様々な数値の定義が変わるということで、数字の推移がどうなるか心配でしたが、ヴァリューズ様に調査いただき、定義が変わる部分の理由を周知していただけたので安心して移行させることができました。

舩田:私達がヴァリューズ様とお付き合いする中で強く感じているのは、本当にこちらの事業の内容をしっかりと理解して話を聞いてくださるところだと思っています。実際に当社が使用しているモニタリングシートを一度すべて見ていただいて、私達がどのような項目に着目しているかを把握いただいた上で、データをまとめていただけるのが特徴的だと思っています。

小林:弊社は、そもそも事業をマーケティングのリサーチからはじめていることもあり、「データを集計して終わり」ではなく、その先に業務、そして意思決定があることを念頭に置いています。今回のサービスを提供しているDX推進支援事業ではお客様の社内でデータを使わせていただくため、特にお客様とのコミュニケーションや業務理解を強めています。こちらからご提案させていただいたり、お客様から新しい情報をいただいたりして、お互いの理解度を深めていきながら、長期的に伴走していくことを心がけているのでそのように感じていただけるのだと思います。

年間で約140時間短縮 GA4移行後でも自動更新だから効率的

MZ:リノベるにお伺いします。今回実装したダッシュボードについて、今後期待していることをお聞かせください。

舩田:まずダッシュボード化により意思決定が早くなることです。もう一つはシステム面で、今後お付き合いをする中で変わり続ける仕様に対応する保守性を期待しています。

渋谷:作っていただいたからには、チーム全員が自分でモニタリングできる環境を作ることが理想だと考えています。ヴァリューズ様はレクチャー会の開催を通して、メンバーの理解をサポートしていただけるので、非常に助かっているのと同時に今後も期待しております。

MZ:今回のダッシュボード導入により、推定でどのくらいの時間が削減できるようになりましたか。

渋谷:UAデータで更新していた既存のモニタリング環境を関数レベルで流用できたため、GA4データへの移行における初期構築の内部工数を最小限に抑えることが出来ました。

 UAではスプレッドシートのアドオンで自動更新を設定していたので、引き続きGA4で自動更新が維持できたことも非常に助かっています。仮に手動で同内容の更新をする場合、年間で約140時間の工数が発生していたと試算しています

 加えて、スプレッドシートのみで運用する際には、バックアップやマスタデータとの結合なども必要ですが、今回実装していただいたダッシュボードではそれらの対応も不要になりました。

企業のDX推進を伴走者として支援

 ヴァリューズでは、これまでデータ分析事業で培った⾼度な分析メソッドと独⾃ノウハウを活かし、企業のDX推進を伴⾛者として⽀援しています。企業様ごとの状況や課題に応じた完全オーダーメイド⽀援の「コンサルティング」、データ活⽤において広く共通する課題の解決に向けて⾃社開発プロダクトと他社ツールの提供を行う「プロダクト」の組み合わせで、最適な内容をご提案いたします。詳しくはDX推進支援サービスページからご覧ください。

データ分析環境の定着にはチーム全体でのモニタリングの継続が重要

MZ:ヴァリューズの小林様にお伺いします。GA4環境におけるKPI効果検証のためのサービスは今後多くの企業でも求められると思いますが、こうした新たなデータ分析環境の定着や実際の活用には通常はそれなりに時間がかかるものと考えられます。貴社ではこれらのために何が必要と考えているか、お聞かせください。

小林:主に三つあると考えています。一つ目が、自社ビジネスや現在の環境から、どのような切り口でモニタリングをしていくべきかを決め、情報の取捨選択を意識的に行うことです。目的やそのための手段をチームで共通認識として持つことが第一歩として重要だと考えます。

画像を説明するテキストなくても可

小林:ですが、工数が多すぎると、面倒に思えるものです。そのため、二つ目はUIを普段から使い慣れているものでモニタリングを行うことがポイントになります。BIツールをはじめ、様々な分析サービスがありますが、それらをチーム全員が使えるようになるには、おそらくハードルが一段上がってしまいます。チーム全体がどのレベルに達しているかなども含めて考えることが大切です。

 三つ目はモニタリングし続けることの重要性をリーダー自らが認識し、発信し続け、チームの雰囲気をキープすることです。

MZ:ヴァリューズでは、これら三つのポイントの実現のため、どのような支援をしているのでしょうか。

小林:まずはお客様の事業について深く理解するよう努めています。ディスカッションを通して事業や業務の特徴を整理し、その内容を踏まえて提案を行っています。

 またUIとしては、ユーザーとなるメンバーの方々の現状のリテラシーやチームの体制などを伺った上で、有効なものを選ぶようにしています。

 そして、最終的に作ったダッシュボードを定期的に一緒に見る機会を設け、ディスカッションパートナーとして伴走支援をしています。

ダッシュボードを使用してマーケターの時間を作り出す

MZ:リノベるは現在のデータ分析環境を今後どのように役立てていきたいと考えていますか。

舩田:当社が保有しているデータは他にもまだ沢山あるので、それらをどう掛け合わせるのかは重要です。そしてその掛け合わせにより新たな発見をどう作り、お客様に還元していくかを考えていきたいです。仮説精度を高めるための取り組みを引き続き行っていきたいと思っています。

渋谷:実務的な話でいうと、モニタリングするデータの種類が増えると、運用保守に時間が割かれるようなってしまいます。今回のダッシュボード化に限らず、ヴァリューズ様との連携体制も活かしながら、この負担も減らしていければと考えています。

MZ:ヴァリューズは今後このサービスを通じて、どのような価値を提供していきたいとお考えですか。

小林:データ集計などの作業部分を圧縮し自動化することで、結果をどう解釈するのかなどといった本質の部分に、マーケターの方々の貴重な時間が使えるように支援していきたいです。

 さらに、Webマーケティングには様々な種類のツールや施策があり、今後も増加していくと考えられます。そのためGA4を見ているだけでは、全体感がわかりにくくなることが今後課題として上がって来ると考えています。そこで、このような幅広い施策やその結果としての社内データを1ヵ所で扱える基盤をお客様と一緒に作っていくことで、より進んだ支援をしていけると考えています。

企業のDX推進を伴走者として支援

 ヴァリューズでは、これまでデータ分析事業で培った⾼度な分析メソッドと独⾃ノウハウを活かし、企業のDX推進を伴⾛者として⽀援しています。企業様ごとの状況や課題に応じた完全オーダーメイド⽀援の「コンサルティング」、データ活⽤において広く共通する課題の解決に向けて⾃社開発プロダクトと他社ツールの提供を行う「プロダクト」の組み合わせで、最適な内容をご提案いたします。詳しくはDX推進支援サービスページからご覧ください。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ヴァリューズ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/05/29 10:00 https://markezine.jp/article/detail/41682