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『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?

100年先もビールを楽しんでもらいたい キリン「晴れ風ACTION」が消費者の応援を集める

 消費スタイルの多様化が進む中、応援消費やトキ消費の文脈で注目を集めている取り組みがある。キリンビールが2024年4月に開始した「晴れ風ACTION」だ。17年ぶりにスタンダードビールの新ブランド「キリンビール晴れ風(以下、晴れ風)」を新発売(※)した同社は、桜や花火大会など日本の風物詩を支援する目的でこの活動をスタートした。本稿では晴れ風の担当者を取材し、企画の意図や消費者の反応、ビジネスへの影響などをうかがった。 (※プレミアム・クラフト・販売先限定品・既存ブランド派生品を除く)

※本記事は、2024年6月刊行の『MarkeZine』(雑誌)102号に掲載したものです

寄付先を自分で選べる仕掛けが肝

──まずは、4月2日に発売した新商品「キリンビール晴れ風(以下、晴れ風)」について教えてください。

 当社が17年ぶりに新発売したスタンダードビールのブランドです。17年の間に消費者の嗜好が変わる中「今の時代の定番ビールをつくりたい」という思いで開発に至りました。

キリンビール株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 向井 優夏(むかい・ゆか)氏 2016年入社。九州にてキリンビールの量販営業・営業企画を経験。2022年よりマーケティング部に異動し、『スプリングバレー』ブランドを担当。2024年1月から『キリンビール 晴れ風』ブランドを担当し、企画・開発など包括的に携わる。
キリンビール株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 向井優夏(むかい・ゆか
2016年入社。九州にてキリンビールの量販営業・営業企画を経験。2022年よりマーケティング部に異動し、『スプリングバレー』ブランドを担当。2024年1月から『キリンビール 晴れ風』ブランドを担当し、企画・開発など包括的に携わる。

──「今の時代の定番ビール」とは、具体的にどのようなビールなのでしょうか。

 昨今は若者の「ビール離れ」が進んでいると言われますよね。商品の開発にあたり、ご自宅でビールを飲まない方の声をヒアリングしたところ、味の苦さや重さを飲まない理由として挙げる方が多かったのです。さらに、以前はビールを好んで飲んでいた40〜50代の方でも「年齢とともにビールの味わいを重たく感じるようになってきた」とおっしゃっていました。

 また、30代を中心とした若年層においては「ビール=中高年が飲むもの/自分たち向けではない」というイメージが強いことも調査を通じてわかりました。「ビールの味覚と印象を変えた先に勝機がある」と考え、開発した商品が晴れ風です。ビールらしい味わいは残しつつ、さわやかな後味を追求することで「飲み応えと飲みやすさの両立」を実現しました。既にビールがお好きな方はもちろん、苦手な方にも受け入れていただけるビールが、我々の考える「今の時代の定番」です。

キリンビール 晴れ風
キリンビール 晴れ風

──晴れ風の発売と同時にスタートした「晴れ風ACTION」とは、どのような取り組みですか?

 晴れ風ACTIONとは、商品の売上の一部を桜や花火大会といった日本の風物詩に寄付できる仕組みのことです。昔からビールは日本の風物詩とともに楽しまれてきましたが、昨今は自治体の資金難や少子高齢化、気候変動などの様々な理由で保全・継承が難しくなっています。そこで、ビール会社として日本の風物詩に少しでも恩返しがしたいという思いから、晴れ風ACTIONを企画しました。アクションを通じて、自分の子や孫の世代にも風物詩を楽しみながらビールを飲むシーンを残したいという思いもあります。期間限定のイベントではなく、中長期的な活動として進めているものです。

──晴れ風ACTIONの専用サイトを訪問すると付与される「晴れ風コイン」についても詳しく教えてください。

 晴れ風を購入いただくだけで自動的に寄付はされるのですが、缶の裏面に記載した二次元バーコードから専用サイトを訪問いただくと、0.5円分の晴れ風コインが付与されます。この晴れ風コインを使って、ご自身で寄付先を選ぶことができるのです。

──商品の売上の一部を寄付する仕組みはイメージしやすいですが、晴れ風コインのようにユニークな仕掛けも用意した意図が気になります。

 自分で対象を選んで寄付できる点が魅力だと考えたからです。地元やゆかりのある地域、寄付金の用途に共感した地域などを、お客様がご自身で選んで楽しんでいただきたいと思っています。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45705

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