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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?

「試用」を「利用」に パナソニックのサブスクサービスがつくる新たな顧客接点

 人々の暮らしと密接に関わる家電。価値観や生活スタイルの変化に応じて、商品に求められる機能や利用のされ方も変わるはずだ。そんな中、パナソニックはパーソナル食洗機「SOLOTA(ソロタ)」を筆頭に、画期的な商品を開発しながら新たな需要を創出し続けている。2020年12月に自社ECサイト「パナソニックストアプラス」で家電の定額利用サービスをスタートした背景にも、多様化が進むニーズやインサイトに対応する狙いがあるかもしれない。そんな仮説を念頭に、3名の担当者に話をうかがった。

※本記事は、2024年6月刊行の『MarkeZine』(雑誌)102号に掲載したものです

合理的な利用と失敗リスクの低減を叶える

パナソニック株式会社
コンシューマーマーケティングジャパン本部
ダイレクトEC戦略課 係長
峯村和典(みねむら・かずのり)氏

2015年よりメーカーダイレクトECの業務に従事。商品担当として販促企画経て、ECのインフラにかかわる決済・物流・コールセンターといったフルフィルメントの改革や新規事業を推進。直近ではサブスクリプション型のサービス企画を担当。

パナソニック株式会社
コンシューマーマーケティングジャパン本部
ダイレクトEC戦略課 主務
大崎亜美(おおさき・あみ)氏

量販店向け家電マーケティング業務を経て、2021年よりメーカーダイレクトECの業務に従事。パナソニックストアプラスでの家電サブスクリプション型サービスおよび自治体連携のサブスクリプション型サービスの企画を中心とした、新規事業を担当。

パナソニック株式会社
コンシューマーマーケティングジャパン本部
ダイレクトEC戦略課 主務
加藤亮平(かとう・りょうへい)氏

2013年に大手EC企業に新卒入社し、ECマーケティングの企画や販促施策に従事。2020年にパナソニックに転職後、メーカーダイレクトECの価値向上を目指し、戦略的なマーケティング施策や企画を推進している。直近ではサブスクリプション型のサービスをはじめとする新規事業の企画を担当。

──まずは、定額利用サービスの概要を紹介いただけますか?

峯村:当社では「ヘアードライヤーナノケア」や、パーソナル食洗機「SOLOTA」などの商品単位でサブスクプランを用意しています。プランごとに設定した月額料金を支払い、当該商品を使う仕組みです。商品の交換や修理に費用は一切かかりません。契約期間が満期を迎えた場合は、商品をお客様に進呈しています。

 家電、特に美顔器や一眼カメラは使いこなすハードルが高いジャンルです。せっかく定額利用サービスを契約いただいても、商品を利用できなければ意味がありませんから、当社のスタッフや外部の専門家がオンラインでフォローアップするような付帯サービスも特典として提供しています。カメラ講座の「LUMIXアカデミー」などはその一例です。

──主な利用者層はどのような方々ですか?

峯村:定額利用サービスの契約者と商品の購入者で、属性はそれほど大きく違いません。前者の年齢層が若干低い程度です。パナソニックストアプラス全体で見ると40代以降のお客様が多い一方、定額利用サービスに範囲を限ると20代や30代の契約者数が多くいらっしゃいます。

──サブスクリプション型のサービスを始めるに至った背景も教えてください。

峯村:多くのサブスクサービスがそうであるように、消費者の価値観の変化は背景の一つです。所有に価値を見出す方が多かった時代を経て、現在は「所有<利用」のニーズが高まりつつあり、「失敗したくない」「購入する前に試してみたい」という声も増えています。当社が扱う家電ジャンルは高価格帯の商品が多いため、サブスクを通じたトライアルのニーズは一層高いはずです。仮説の検証を兼ねて、定額利用サービスをローンチしました。

──人々の暮らしと密接に関わる家電は、価値観や生活スタイルの変化の影響をもろに受けると思います。

峯村:そうですね。最近は「必要なときに必要な分だけ使いたい」というニーズが高まっているため、たとえば単身赴任の期間中や、元々使っていたものを修理に預けている間だけ、当社の定額利用サービスを利用する方もいらっしゃいます。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/25 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45704

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