子育て世帯の情報へのアクセスにおける課題を解決するために
では実際に柏の葉スマートシティで、どのように「マイグル」を活用したのだろうか。
一般的には子育てが始まると、生活時間の配分見直しや子どもを預けられる保育施設の確保、家族で出かけられる場所のリサーチなど、急激なライフスタイルの変化への対応が必要となる。
たとえば自治体を主体とする補助金助成や、親子向け施設の整備、体験保育・園庭解放などのイベント。さらに、民間主催の子ども向けイベントや親向けのアプリ・サービスの提供なども挙げられる。しかし、それらの情報はユーザーが能動的に調べなければわからない、また満足したユーザーはそれ以上情報を取りにいかないといった課題があった。
仕事や育児、家事に追われる子育て世帯がすべての情報を収集するのは困難だ。ユーザーが情報収集を楽しみながら積極的に行動させることが重要だと佐藤氏は振り返り、これが実現できれば、柏の葉スマートシティのみに限らず全国の地域コミュニティの課題解決にもつながると指摘した。
「生活者に『子育てしやすい』と実感いただける環境作りは喫緊の課題です。地域の施設・イベントの認知度を向上して住民の利用を促進し『住んでよかった』と思っていただける街にしたい。同時に、スマートシティにおけるアプリや会員サイトの利用の輪を拡大して、住民の価値体験を向上したいと考えました」(佐藤氏)
これらの課題を解決する上で、「マイグル」の持つ強みが合致したという。
楽しみながら役立つ情報を得られる「子育て支援スタンプラリー」
LINE公式アカウントに「マイグル」の機能を組み込み、2023年12月から2024年2月まで提供したミッションゲームが「子育て支援スタンプラリー」だ。エリア内でスタンプラリーに参加して下記のようなミッションをクリアすることで、スタンプを貯められる。
・柏市内の子育て支援拠点に訪問し、設置された二次元バーコードの読み取り
・子育て関連のイベント参加
・「スマートライフパス」と連携するサービスの利用
・子どもを持つ親同士が「子育て支援スタンプラリー」上のQRコードを読み取ると行える「ママ友パパ友登録」
また、チャレンジには「ママ友パパ友登録をしよう(5人以上でクリア)」「柏市子育て支援拠点を訪問しよう(5回訪問でクリア)」などゲーム要素を取り入れながら、コミュニティ活性化につながるよう工夫を凝らした。
「参加者は、ポイント獲得を目的として、楽しく子育てに役立つ地域のサービスを知れます。『ママ友パパ友登録』は、子育てする親同士が交流を始めるきっかけにしていただけたらと考えました」(堀越氏)
同時に子育て関連施設・イベントの情報提供やMAP表示なども搭載したところ、「MAP検索が便利で利用するきっかけになった」といった反響が寄せられた。