「キャッシュバック」の前後にストーリーを紡いでいく
草刈:毎年春先に「新生活応援キャンペーン」という形で展開するケースも多いと思います。この場合は少し価格が高い家電製品がマッチしますし、春先はちょうど需要時期でもあるので親和性は高いですね。たとえば洗濯機を購入した時に「オフィスコーディネートのためのキャッシュバック」というアピールをすることで、「新生活をはじめ、清潔さのキープを大切にしたい人をサポートするブランド」とその後のライフスタイルまで掘り起こすことができます。
多田:やはり「製品を購入する」という1地点だけでなく、マーケターの方はその前後を見ながら「こういう体験をして欲しい」というストーリーを考えるのだと思います。キャッシュバックを使った販促に当たっては、販促とマーケティングに担当者やその組織が分かれる場合、両者が話し合い、どういう価値を見せていきたいか落としどころを見つけて融合させていくことが大切になると思います。
販促のハードル解消でLTVの向上につなげていく
━━お話を伺うと、キャッシュバック施策を実施するには、根底の考え方を「販促」だけでなく「ブランドコミュニケーション」まで広げて企画することが大切であると思いました。これまでのお話を踏まえて、販促領域に関わる読者へのメッセージをお願いします。
草刈:キャッシュバック自体は珍しい施策ではないのですが、悩みを抱える企業は多数いらっしゃいます。なかでも大きな課題は、今お話ししたブランドコミュニケーションを踏まえた企画部分ですが、そのほかにも「景品表示法の問題はないのか」「キャッシュバックは経理処理上どうすれば良いのか」など様々なハードルがあります。
「キャッシュバックの方法をどうするか」という点もあるでしょうし、実際の事務作業の担当に悩むケースもあるでしょう。加えて、実際に購入者の方にキャッシュバックする際には、企業側にもお客様にもそれなりの工数・コストがかかります。為替であれば受け取った購入者の方が現金化しなければなりませんし、郵便料金も値上がりしていますよね。お客様も「キャッシュバックは嬉しいけれど、いつキャッシュバックされるのかわからない」という思いがあるようです。
スコープはそうした販促キャッシュバックにともなう様々な課題を解決できますし、プランニングから携わることで、社内調整から実行まで一貫してサポートできるという強みがあります。また、事務局を担当した経験も豊富なので、初めてキャッシュバックキャンペーンを実施する企業の方も安心してお任せいただけますし、参加ハードルを下げるためのシステム面もお手伝いできます。たとえば、当社が展開する『ウォレッチョ』は、企業側がURLをお客様に通知するだけで、お客様側で銀行口座振込やATMからの引き出し、各種電子マネーのウォレット残高へのチャージからお好きな受取り手段を選んで受け取れる送金サービスです。お客様が普段利用するサイフに入金されるため、顧客体験を損なわず、キャッシュバックのメリットを実感できる設計になっています。
多田:改めて考えてみても、キャッシュバックの効果は絶大なので、この施策がなくなることはないと思います。しかし、より大切になるのは施策の実行ではありません。冒頭でもお話ししたように「一度の効果ではなく、途切れないように買い続けていただく」ということがより重視されるようになると思います。
そのために必要なのは、「キャッシュバックをやる」というアピールではなく、施策の中で「どのような理念をもったブランドなのか」が伝わるコミュニケーションがあることです。生活者の方にどういう体験をしていただきたいのか、どういう価値を提供しているのか、そこをしっかり訴求して共感を獲得し、ロイヤルカスタマーになっていただく取り組みが必要になります。
言い換えれば、販促中心に従事されてきた方にも、マーケターとして「販促でLTVをどう向上させていくか」という視点がより一層求められています。私たちスコープは、そんな思いを持つ企業の販促担当者の方をこれからもサポートしたいと考えています。
顧客体験に配慮したキャッシュバックを実現
ウォレッチョは、法人から個人へ、URLを通知するだけで送金ができるサービス。シンプルなUI設計と、消費者の財布カバー率93%(自社調べ)で、消費者はいつもの財布でかんたんにお受取りいただけます。キャッシュバックに限らず、ご興味を持たれた方はウォレッチョ資料ダウンロード公式サイトからお問い合わせください。