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『MarkeZine』(雑誌)

第110号(2025年2月号)
特集「イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る」

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【特集】イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る

エンタメを楽しみ、便利な機能を活用し、相手の反応を気にする──LINEリサーチから見るZ世代・α世代

 今回特集する中高生・大学生(Z世代・α世代)には、どのような特徴があるのだろうか? 「LINE」ユーザーから募った、国内最大級700万人規模のパネルを保有する調査プラットフォーム「LINEリサーチ」を用い、100本以上の若年層の調査を行ってきたLINEヤフーのシニアリサーチャーに取材。デジタルコンテンツへの接触、購買行動、コミュニケーション方法など、今の若者たちの実態を聞いた。

※本記事は、2025年2月刊行の『MarkeZine』(雑誌)110号に掲載したものです

【特集】イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る

─ エンタメを楽しみ、便利な機能を活用し、相手の反応を気にする──LINEリサーチから見るZ世代・α世代(本記事)

10代20代を数万人単位で調査できる「LINEリサーチ」

──Z世代後半〜α世代のインサイト把握について、LINEヤフー社ではどのように実現されているのですか?

 ユーザーインサイトを把握するために私たちが使っている方法の一つが「LINEリサーチ」というプラットフォームです。LINEアプリ内の「LINEアンケート」というアカウントに友だち登録してくださった方々をモニターとして、アンケートに参加していただく形で展開しています。LINEでアンケートを実施できて、ユーザーの声を収集できるプラットフォームとして活用しています。

 700万人を超える幅広い年代のモニターがいますが、一般的な調査会社のモニターとは異なり、他のアンケートサービスに登録されていない方が多いです。いわゆる普通のLINEユーザーさんですね。特に10代20代の方が多く参加してくださっているのが特徴で、13歳から1歳刻みで数千名単位の回答を収集できます。

 社内では各サービス事業部や経営層の課題に対して、LINEリサーチでユーザーインサイトを収集・分析することで解決のヒントを提供しています。プロのリサーチャーが提供する調査と、事業部担当者がクイックに実施できるセルフ型リサーチを、ニーズに応じて使い分けられる仕組みです。

 なお、LINEリサーチは社外提供もしていますので、事業成長に向け、日々消費者と向き合っているマーケターの皆さまにもご活用いただけます。

デジタルとリアルを垣根なく活用

──現在の学生はスマホやSNSが当たり前の世代ですが、日々どのようなコンテンツやチャネルに触れているのでしょうか?

 様々なメディアでも報じられていますが、基本的に中学1〜3年生の間にスマホを持ち始めます。何をしているかを聞くと、必ずトップに出てくるのが「動画を見る」「SNSを見る」の2つです。

 特に動画に関しては、TikTokのようなショート動画に加え、10代の7~8割がYouTubeを使っています。

 4年ほど100本以上の中高生調査をしてきた結果、随所で男女差は見られます。時間の過ごし方もそのひとつで、男子のほうが動画やゲームに時間を費やし、女子の方がSNS、Instagramなど、友達とのつながりやコミュニケーションに紐づいた使い方になる傾向があります。

 今の30〜40代以上が学生の頃と比べると、デジタルの中でコミュニケーションをしてエンターテインメントを楽しむ時間は確実に増えています。一方で、テレビや電話をまったく使わないわけではありません。週に1〜3日は通話をしますし、他の年代よりも、やや少ないとはいえテレビも1日あたりの平均で100分程度は視聴しています。私たちの時代よりもデジタルで時間を費やせるものが増えたので、そちらにも時間を割く生活になっているのは確かですね。

──動画では具体的にどのようなコンテンツを見ているのでしょうか?

 YouTubeで見ているジャンルを聞いた調査では全世代で音楽がトップに来ますが、特に10代ではその割合が高いです。アイドルグループやアーティストのミュージックビデオがよく公開されているので、それを視聴していることが多いのかもしれません。ただ、「勉強中や通学中にしていること」で「音楽を聴く」が上位に入ることが多く、「ながら聴き」も音楽を聴く方法として多いと考えられ、じっくり動画を見るというよりはバックグラウンドでの再生が多いと考えられます。

 また、動画で見ているジャンルに関しては、女子は特にメイクやファッション、男子は特にゲーム配信など、自分の好きなものを見る傾向があります。今はYouTubeが発展しTVerなどの見逃し配信も存在するため、リアルタイムでかじりついて視聴するスタイルは少なくなっていると考えられます。

──学生は学校で多くの時間を過ごしますが、それ以外の時間ではどのように過ごしているのでしょうか?

 2022年の調査では、自分の部屋で過ごす時間(就寝時間含む)が6時間以上という人が約5割という結果が出ています。遊び場所としては、ショッピングセンターやカラオケなど、リアルな接点も依然として人気です。

 遊ぶ場所は昔とそれほど変わっていませんが、街なかでは、一緒にスマホを見たり、各自スマホを触る若者の様子も見られるので、リアルなアクティビティをしながら、デジタルでも何かを共有する、という形で行動が紐づいているように思います。「スマホや動画ばかり見ている」ということについて、親世代は「テレビばかり見ている」という昔の時代にあった懸念と似た反応をするかもしれません。しかし、大人以上にデジタルとリアルを上手く使い分けているのではないでしょうか。たとえば、メッセージを送るときに返信を急かさないなどデジタル上での気遣いもあるようです(図表1)

図表1 相手に不快感や威圧感を与えないように様々な配慮をしている様子がうかがえる。相手にどう思われるかを意識している意見も多い(出典:LINEリサーチ「イマドキ中高生事情」2024年5月23日公開https://lineresearch-platform.blog.jp/archives/44876237.html#3)(タップで画像拡大)
図表1 相手に不快感や威圧感を与えないように様々な配慮をしている様子がうかがえる。相手にどう思われるかを意識している意見も多い(出典:LINEリサーチ「イマドキ中高生事情」2024年5月23日公開)(タップで画像拡大)

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/25 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47826

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