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MarkeZine Day 2025 Retail

変容する金融業界のマーケティング

会員増にも貢献!総再生回数1億回超え、松井証券がYouTube運用で守り続けた“1つのルール”

コンテンツ戦略の目的を忘れない

──既に一定の評価を受けているとのことですが、この5年ほどYouTubeに取り組んできて感じる社内の変化があれば教えてください。

武藤:最初は社内でも「何を作ろうとしているのか」が理解されず、懐疑的な空気があったと思います。しかし、実際に制作したコンテンツを観てもらうと「なるほど、こういうことがやりたかったのか」とわかってもらうことができ、社内に理解者が徐々に増えていきました。

 最初の頃、金融機関のコンテンツは基本的に二極化しており、アナリストなどの専門家が説明するもの、もう一方ではタレントを起用した「初心者向け」という触れ込みの内容でした。私たちが着目したのは、その中間に位置するアプローチです。専門的な内容に「お笑い」という要素を加え、互いに補完し合うような形式です。当時、このような試みは業界にほとんど存在していなかったと思います。

 何よりコンテンツ制作において、私は常に「証券会社の人間として伝えるべきことがベースにあり、その上に他の要素をのせる」ことを意識しています。先ほどお伝えした「面白いものを作ろうとしない」にも通じることです。これは社内でも繰り返し伝えていることであり「私たちは証券会社の人間であり、その基本を忘れずにコンテンツを制作すること」を徹底しています。基本的な証券情報の提供と面白さのバランスを大切にしています。

5年の運用実績をもとに、新たなチャレンジへ

──最後に、今後の展望や取り組みたいチャレンジなどをお話しください。

武藤:様々な取り組みを進める中で、今後挑戦したいと考えているのはライブ配信です。「資産運用!学べるラブリー」をライブ形式で実施してみたいと思っています。お客様あってのコンテンツだと考えていますので、お客様と直接交流できる場を作りたいと思っています。

 中長期的には、新しい軸のコンテンツ展開が求められていると思います。たとえば「資産運用!学べるラブリー」は内容が徐々に難しくなってきていますので、原点に立ち戻り「学べる予備校」という新シリーズを企画しました。出演メンバーは基本的に同じですが、そこに新しい人材を加え、現在の知識で改めて学び直すという試みです。完全な初心者の視点と、5年間学んできた視点とでは、同じ「初心者向け」というテーマであっても見える角度がまったく異なります。これは長く取り組んできたからこそできる、新たな切り口だと考えています。

新番組「マヂカルラブリーと学ぶ 松井証券 資産運用!学べる予備校 Season1 #1」

武藤:このように、継続して視聴している方々と、新規に参加される方々の両方にとって価値のあるコンテンツを提供していくことが、中長期的な展望においても重要だと考えています。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/04 09:30 https://markezine.jp/article/detail/49081

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