このコラムは、生産設備、産業機器、電子部品、ITインフラ、業務システムなどの技術系BtoB商材を扱う企業のマーケティング担当者向けとなります。
※技術系BtoB商材:
製品やサービスの価値が仕組み・構成・技術的前提・運用方法の理解によって左右される、技術理解が必要なBtoB商材。
導入には複数部門が関与し、比較検討や稟議に時間がかかりやすく、顧客課題と技術を結び付けた説明がないと検討が前に進まない点が特徴。
「リードは増えているのに売上が伸びない」とはどのような状況か?
技術系商材を扱うBtoB企業では、「リード数は増えているのに売上が伸びない」という課題が発生することがあります。
たとえば、展示会での名刺獲得数や技術資料のダウンロード数は増えているにもかかわらず、商談数や受注数、売上にはほとんど変化が見られない状態です。マーケティング担当者からすると、「リード獲得は成功しているのに、なぜ売上につながらないのだろう」と感じる状況ではないでしょうか。
この問題が発生しやすいのが、生産設備、産業機器、電子部品、ITインフラ、業務システムなどの技術系商材です。技術系商材は購買プロセスが長く複雑であり、資料をダウンロードした担当者がそのまま購入を決定することはほとんどありません。情報収集から技術評価、社内調整、予算確保、比較検討を経て、初めて案件化に進みます。
そのため獲得したリードの中には、今すぐ導入を検討している企業だけでなく、将来に備えて情報収集している企業も数多く存在します。結果として「リードは増えているのに商談にならない」という状況が発生します。
さらに厄介なのは、商談になったとしても売上につながらないケースがあることです。たとえば、自社は「伴走力」を強みとしているにもかかわらず、顧客は「短納期」「低コスト」を求めている場合で考えてみます。このような状態では、比較検討や技術評価の段階で競合に負けてしまいます。
したがって「案件にならない」のではなく、「案件にはなるが受注できない」という状態です。マーケティング部門から見ると商談数は増えているため成功しているように見えますが、営業部門からすると提案機会ばかり増え、売上につながりません。

問題なのは、こうした状況が発生していても、MAやSFAの数値だけでは原因を特定しにくい点です。実際には、「ターゲットがずれている」「価値が伝わっていない」「導入タイミングが早い」「営業運用に課題がある」など、複数の要因が存在します。
つまり、「リードは増えているのに売上が伸びない状態」とは、単なるリード不足ではなく、商談化から受注までのプロセスのどこかに構造的な課題が存在している状態を指します。
「商談化4象限フレームワーク」で要因を分析
このような課題を体系的に整理し、原因を特定するために活用できるのが、下図の「商談化4象限フレームワーク」です。これは、リードが商談化しない要因を「価値認識不適合」「ターゲット不適合」「タイミング不適合」「プロセス・運用不適合」の4つに分類する分析手法です。
商談化4象限フレームワークでは、「顧客側と自社側のどちらに要因があるか」「戦略と実行のどちらに問題があるか」という2つの視点で整理し、改善すべきポイントを明確にします。
「リードは増えているのに売上が伸びない」という課題は、商談化から受注までのプロセスのどこかに構造的な課題が存在している状態です。そこで、商談化4象限フレームワークを関係者全員で見ながら「どこに要因があるのか?」を意見交換することで、関係者全員が課題に気がつき同じ目線を持って改善に取り組むことができます。
※記事の最後では、この商談化4象限フレームワークをExcel形式でダウンロードできます。
