Webサイトの年間コストからみるCMSの選び方
Webガバナンス実現に向けたガイドライン策定やCMS導入、業務効率改善に寄与するWebサイト運営支援をするアンダーワークス株式会社。同社社長の田島学氏はまず「Webサイトの運用更新費用は年間いくらですか?」と会場に問いかけた。
「インターネット白書2008」の統計によると、社員5,000人規模の企業のおよそ17%が広告費などを含めたWebサイトの更新費用に年間1億円以上使っているという。
お客様のニーズにこたえる情報をタイムリーに流すため、営業・企画やマーケティングに関わらず、採用や広報など多くの部門がWebサイトの運用に携わるというのがトレンドになってきている。
「実は導入してみると意外と思ったほどうまくいかなかったというお話もよく聞きます」と田島氏は指摘。提案されたパッケージのCMSはどれも魅力的に映り、すべて解決できそうに思えてしまうのだ。そこで田島氏はCMSを導入する際によくある、できれば避けたい4種のリスクを解説した。
CMS導入時によくある4つのリスク
外注費が減らない
まずは、導入したにも関わらず、あまり外注費が減らないという問題だ。CMSを選定する際にエディターを使えばHTMLコーティングの必要性がないので誰でも更新ができると言っても、それすらも面倒くさいと思う担当者はその更新も外注してしまう。外注費を減らそうとCMS導入を試みたものの、なかなか減らないという結果になってしまう。
できないことが後から発覚
次に、できないことが後から発覚してしまうというケース。CMSを導入するとテンプレートができる、これにテキスト入力することでページが更新されるという機能だ。しかし、テンプレートと一口に言ってもパッケージによって意味と使い方が異なる。便利であるという概念だけで、提案を受けてしまうと、いざ運用となったときにしたいことができない。
想定外の費用が発生
そして、余計な費用の問題だ。CMS導入に際して、データ移行に関する項目を正確に見積もることは非常に難しく、実際に移行に取りかかると、移行が難しいページや、移行するのに時間がかかるページがあり、想定外の費用がかかることも多い。
導入したが誰も使わない
最後は、導入はしたものの結果として誰も使っていないケース。ほんの一部だけしか使っていない例も多いと田島氏は指摘する。
こういった問題を踏まえ、田島氏は「パッケージを比較するよりもまず、投資対効果(ROI/Return On Investment)を算定するというプロセスをはさみ、そのうえでCMSにどんな機能が必要なのかを見積もることから始めるべき」と、CMSの選び方のヒントを提示した。