適切なCMSを選定するための要件整理テクニック
田島氏の提示した、CMS導入時の要件整理で行っていることは主に次の3つだ。
ページを数えて全体像を把握
1つ目は、ページを数えることによる全体像の把握。同じようなデータの塊がいくつあり、それは誰が更新しているのか。HTMLなのかFlashなのか、それは内製なのか外注なのか。外注だった場合今後も外注しないとならないのだろうか、という項目をすべて数える。
運用状況の整理
2つ目は、運用状況の把握。各ページの担当者に実際に会い、なぜ外注費が発生しているのか、誰が承認作業を行いコンテンツをアップしているのか、更新の頻度はどうなっているのかをヒアリングする。
インフラの把握
3つ目は、インフラの把握。これについては、顧客のIT部門の協力を仰ぐこととなる。
どれもすごくシンプルな業務ではあるが、実施するとなると面倒なことも多く、通常はなかなか実施されるのが難しいというのが現状だ。しかし、同社が介在することで、外注費のコストや使用しているアプリケーションの用途、更新にかかっている時間を明確にして定量目標としていくのだ。
本質的なPDCAを回す
CMSの選定は難しい。パッケージだけを比較すると、よくできているCMSが多くどれを選んでよいか分からないと、感じることが多いだろう。
このような課題への解決策のヒントとして、田島氏は「1つのベンチマークとして、次のリニューアルまでに初期費用の回収ができるのかどうかを導入の可否判断にしてもよい。その後、費用は本当に減ったのか、なぜ減らなかったのかを定点チェックし、本質的なPDCAを回していくことが大切です」と、アドバイスを贈り、講演を終えた。