eMarketerは、米国のプログラマティックな取引を通じて投下されたデジタルディスプレイ広告費は、今年137.1%成長し、100億ドルを上回るとの予測を発表した。これは、米国のデジタルディスプレイ広告市場の45%を占める。
上のグラフでもわかるとおり、2014年はプログラマティックなデジタルディスプレイ広告費が最も劇的な成長を見せた年となる。その背景には、プライベート・マーケットプレイスの構築、プログラマティック・ダイレクト、モバイルと動画におけるプログラマティックの成熟が挙げられる。2016年、プログラマティックなディスプレイ広告費は今年の2倍以上の204億1000万ドルに達し、米国のデジタルディスプレイ広告費の63.0%を占めることになる。成長要因のひとつであるモバイルの勢いも目覚ましく、2014年、モバイルは米国プログラマティック・ディスプレイ広告費の44.1%、44億4000万ドルに達し、デスクトップを来年早々にも抜く見込み。
プログラマティックな広告の買付手法は次のふたつ――リアルタイム・ビッディング(RTB)とプログラマティック・ダイレクトだ。
現在のプログラマティック広告の成長はRTBが牽引している。これはオークションベースのアプローチで、リアルタイムに、1インプレッションレベルで買付できる。RTBは現在、プログラマティック広告費の92.0%、92億5000万ドルを占めており、これからも主要な取引手法であり続けるだろう。しかし、eMarketerは、今後の大幅な成長はプログラマティック・ダイレクト(在庫予約型固定単価取引)によってもたらされると見ており、現時点では、プログラマティック広告費の8.0%にすぎないが、2016年までに42.0%、85億7000万ドルに達するとしている。
また、RTBについてはその2つのチャンネル「オープン・エクスチェンジ」と「プライベート・マーケットプレイス」についても分析。2014年、オープン・エクスチェンジは米国のRTBデジタルディスプレイ広告費のほぼ9割、81億4000万ドルを占めているが、2016年には、プライベート・マーケットプレイスが約3割、33億1000万ドルに達すると予測している。
しかし、プログラマティックな広告取引は現在でもバナー広告がメイン。動画、標準に準拠していない、カスタム・リッチメディア広告ユニット、そしてスポンサーシップについては、依然として、従来のダイレクトセールスチャネルを通じて取引されている。eMarketerは特に、動画は2016年までその傾向が続くだろうと指摘している。
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