広告だとわかっても受け入れてもらえるコンテンツとは
ワンスターがダイレクトレスポンス×コンテンツマーケティングの領域を開拓する際、最も注力したのは、最適なクリエイティブのフォーマットを見つけることだった。アウトブレインのメディア環境に合わせて、ユーザーに広告を届けるにはどうすればいいのか。記事広告をクリックした後も、広告を情報として受け取ってもらえるクリエイティブはどういったものか。試行錯誤を繰り返しながら、アウトブレインのメディア環境に適したコンテンツ作成の力を磨いていった。
そんなワンスターがコンテンツ作りにおいて重要視しているポイントは、「商材の深掘り」である。クライアントの商材を徹底的に深掘りして理解した上で、競合の商品にはない魅力をコンテンツに落とし込む。記事が広告だとわかっても、読んだ後に「買おう」「調べてみよう」と思ってもらえるコンテンツ作りを意識している。
その成果として、広告主からは「アウトブレインに出稿すると、売り上げだけでなく、検索数も上がる」といった声が上がっているそうだ。「記事広告でCVしなくても、コンテンツから知識や情報がインプットされているから、検索という次のアクションにつながるのだろう」と野上氏。広告の質が、様々な面に影響することがわかる。
クリエイティブ力で正しく戦える環境があってこそ
そして、ワンスターのコンテンツ力が活きるメディア環境にも注目したい。横に並ぶ広告を気にせず、クリエイティブで勝負できるメディア環境は、決して当たり前ではないからだ。
アウトブレインでは、薬機法に対応する形で、明確にコンテンツガイドラインを引いている。わかりやすく言うと、健康食品やコスメなどの商材では、「痩せた」「シミが消える」などのワードが使われることが多々ある。
だがアウトブレインでは、薬機法に基づき、こうしたワードを使ったコンテンツの掲載を認められない。社内に設置した専任のコンテンツ審査チームが外部業者と提携し、コンテンツやタイトルが薬機法に抵触していないかどうかを厳しくチェックしているのだ。
「以前はユーザーに誤解を与える可能性のある表現でも、出稿できてしまう状況がありました。ですが、アウトブレインは、薬機法を守って下さっているので、横に並んだ違反広告がより目を引いてしまわないかどうかを気にすることなく、純粋にクリエイティブ力で勝負できる。我々の強みを活かせるので、非常に有り難いです」(野上氏)
増井氏も、「確かに、『痩せる』とか『シミが消える』などの効果効能を表現することで、新規の獲得効率は上がるかもしれません。ですが、ユーザーの商品に対する期待値もその分上がってしまうので、継続率だったりLTVは結局下がってしまいます」と話す。惹きの強い表現は必ずしもクライアントの売り上げにつながらない、というわけだ。
さらに野上氏は、直接的に強い表現をすることのリスクをこう述べる。
「堅実に売り上げを伸ばしていったクライアント様の多くが事業を成功させています。足元でリスクを冒すくらいなら、正しく戦って正しく売り上げを伸ばしていくほうが、クライアント様へ貢献できるのです」(野上氏)