※本記事は、2020年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』55号に掲載したものです。
市場の伸びを見込み2019年に日本法人設立
【左】ZVC Japan株式会社 カントリーゼネラルマネージャー 佐賀文宣(さが・ふみのぶ)氏
2019年2月にZVC Japan(Zoom)へ入社。2013年からヴイエムウェアでパートナービジネスを統括。2006年から2013年は、シスコシステムズに在籍し、Webexのパートナー開拓に携わる。1992年に日本IBMへ入社し、大和研究所にてThinkPadの開発部門に配属。その後2006年まで、PC部門で日本/APAC地域担当プロダクトマーケティングやパートナーセールスに携わる。【右】ZVC Japan株式会社 マーケティング部長 岡澤典子(おかざわ・のりこ)氏
2019年4月にZVC Japan(Zoom)へ入社。Zoomの米国以外のマーケター1号に。広報、ブランディング、コミュニケーション、イベント、リードジェネレーション・ナーチャリング、カスタマーエンゲージメントなどあらゆるマーケティング活動の戦略立案から実施までをカバー。大学卒業後、住友商事へ入社し営業を担当。住友商事退職後は、Sybase(現SAP)、Juniper Networks、Nutanixなどの外資系IT企業で日本オフィスおよびマーケティング部門の立ち上げおよび拡大に携わる。
――図らずも、人との接触が避けられるような事態になり、私たちの生活はビジネスもプライベートも様変わりしました。そんな中、日本ではそこまで一般的でなかったWeb会議のシステムが急速に浸透し、特にZoomが高い支持を集めています。日本法人は昨年立ち上げられたばかりですが、導入企業数やユーザー数などは現在どのような状況でしょうか?
佐賀:米Zoom Video Communicationsは2011年に創業し、各国で事業を展開していますが、この数年はアジアでは日本のユーザー数が最も速く伸びていました。働き方改革推進の流れもあり、さらなる成長を見込んで2019年2月に日本法人を設立しました。半年の間に国内2,000社以上が有料プランを導入し、それに合わせてスタッフも倍にする計画を立てて、順調な滑り出しでした。
ただ、年明けから約半年間のニーズの高まりは、もちろん私たちにも予期せぬことです。1月の時点で10ライセンス以上の企業ライセンスをご契約いただいた日本企業の数は3,500社、小規模ユーザーを含めると2万社ほどでしたが、5月現在でそれぞれ1万社/15万社、全世界での1日の会議参加者数も昨年末から30倍に跳ね上がっています。
一時、セキュリティに関して指摘が相次ぎましたが、創業者兼CEOのエリック・ユアン自ら即座に対策を講じ、アップデートを通して大幅なセキュリティ強化を実現しています。同時に、安全に使っていただくための広報活動にも注力しています。
――まず、日本市場の責任者でいらっしゃる佐賀さんのご経歴をうかがえますか?
佐賀:元々エンジニアで、IBMのノートPCの開発に始まり、レノボやシスコシステムズに勤めてきました。当初はPCそのものがテクノロジーの最先端でしたが、次第にネットワークの進化が著しくなり、その折にシスコが買収したWebexというWeb会議のプロダクトに出合いました。これは、私にとって衝撃的でした。SaaSの柔軟性と拡張性があれば、オンプレミスのハードウェアに縛られてSEが徹夜でトラブル対応をしなくてもいいわけですから。
その後、8年ほど仮想化技術の会社でパートナービジネスに携わり、昨年Webexの仲間とともに元のWeb会議の業界に戻ってきました。