Q&Aやハッシュタグ機能の活用で“コマースSNS”へ
現在、レビューは発展を遂げ「Q&A機能」として進化しているという。Q&Aといっても、いわゆる企業がユーザーからの質問を想定してあらかじめ回答を用意しておく機能を意味するものではなく、レビューを通して購入済みユーザーや企業・店舗のスタッフが購入を検討しているユーザーの疑問を解決するという、双方向性を持った機能を指す。
このQ&A機能は、Amazonなどのリテール企業だけでなく、Appleといった大手企業も取り入れているという。「投稿されたレビューを起点にやりとりが生まれており、リテールECサイトのメディアとしての価値を高める非常に有力なコンテンツです」と山崎氏は説明した。
データで見ても、Q&Aを介して回答すると98%CVが向上するなどその影響力を示す結果が出ている。つまりECサイトでCVを上げるためには、いかにモチベーションの高いユーザーにタッチするかがポイントであり、検索内容やレビュー、Q&Aは重要な要素となってくるのだ。
加えて、ハッシュタグ(#)機能もUGCの典型的な例の一つであり、ECのメディア化を目指すうえで重要なコンテンツだという。口コミやハッシュタグが沢山付けられているページのほうがよりオーガニックさが強く、消費者にとってECサイト内だけでなくサイト外からも検索して自分が求めるものを探すうえで有用だ。
「リテールECサイトのメディア化が進めば、SEOも自然と高まり媒体価値が上昇するため、広告の出向先として一層魅力的になっていきます。ハッシュタグやレビューをうまく活用することで、リテールECサイトは“コマースSNS”へと発展を遂げられる可能性があります」と山崎氏は述べた。
リテールメディアの未来予想図
店舗との連携、いわゆるOMOも今後求められてくるテーマの一つだ。ECサイトだけでなくデジタルデバイスやアプリを活用することで、店舗のメディア化も重要性を増すという。「店舗に入るとストアアプリが立ち上がってナビゲーションしてくれたり、広告が出たり、おすすめの表示や購入決済の案内など、考えられる機能は沢山あります。リテールメディアとともに、このあたりのマーケットも盛り上がってくるかもしれません」と山崎氏。
セッションの総括として、サードパーティーCookie規制の有無に関わらずリテールECサイトは有望なユーザーとのタッチポイントとなる。そこに規制が起こったことで、その流れが加速した形だ。そのうえでレビューや双方向Q&A・ハッシュタグ機能といった様々な伸び代があり、それらが店舗と連動していく可能性も広がる。
実際、ZETAではハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」やレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を提供しており、グループ企業のデクワスからは検索連動型広告ソリューション「デクワス.LISTING」といったソリューションもあるという。
「このような発展が実現していけば、デジタルがありとあらゆるものをつなぐ新時代コマースが到来するかもしれません。そういった流れが、今まさにリテール業界に起こりつつあります」と山崎氏はセッションを締めくくった。
ZETAが提供するECマーケティング・リテールDXを支援するソリューション「ZETA CXシリーズ」の資料は、資料ダウンロードページよりダウンロードいただけます。