熱量高いファンを生み出す、ロイヤルティマーケティング推進の上で意識した二つのこと
お天気アプリ「ウェザーニュース」や、YouTubeを活用して24時間ライブ配信の気象情報番組「ウェザーニュースLiVE(ライブ)」、Web上で気象情報が確認できる「ウェザーニュース」など、多数のお天気メディアを展開するウェザーニューズでは、同社サービスのユーザーを「サポーター」と呼称。同社の事業を「一緒に運営する存在」と位置づけている。
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同社で総合プロデューサーを務める村田泰謁(むらた・ひろゆき)氏は、セッションの冒頭で、2024年11月11日に実施されたウェザーニュースLiVEのファンミーティングの様子を紹介。同イベントには、全国から1,400人のファンが集まり、会場はほぼ満席になったのだという。
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ただ本来、お天気メディアは、扱う内容の特性上エンタメ性が高いものではない。それにもかかわらず、なぜ同社には熱量の高いファンが集まるのだろうか?
村田氏は、同社がロイヤルティマーケティングを推進する上で目指してきた二つのことを紹介した。
一つ目が、「CRM施策の実施によるサポーターのファン化」。そして、二つ目が「ファンのLTVを最大化させることによる売上の向上」だ。ファンになってくれたサポーターに、より“コアなファン”となってもらうことで、最終的に事業の収益につなげるのだという。
では、ウェザーニューズではこれらの二つのポイントをどのようにお天気ビジネスに落とし込んでいるのだろうか?
1日あたり20万件、ウェザーニューズが活用する「リアルタイムの気象情報」
前提として、ウェザーニュースで配信される気象情報は、「一般的な天気予報と流通プロセスが大きく異なる」と村田氏は説明した。
「一般的に天気予報は、気象庁が全国に1,300台ほど設置しているアメダス(地域気象観測システム)で計測した気象データを、各メディアや地方自治体、民間気象会社に提供。それを基に天気予報を作成し生活者の皆様にお届けするという方式が採られています。
一方、ウェザーニュースの仕組みは、従来のものと大きく異なります。弊社ではアメダスを含めて13,000ヵ所の観測網からデータを収集しています。しかもそれに加えて、弊社では『ウェザーリポート』を中心としたお天気コミュニティの運営も行っています。同コミュニティではサポーターの皆様が『ウェザーリポート』として気象情報をリアルタイムで報告してくれており、これらのデータも組み合わせることで天気予報の精度向上を目指しています」(村田氏)
この気象情報の報告は1日当たり平均20万通ほど届き、同社の天気予報精度No.1(東京商工リサーチ調べ)に大きく寄与しているのだと村田氏は語る。
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