SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめのセミナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第111号(2025年3月号)
特集「CES 2025より テクノロジーで変わる社会、広告、マーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2025 Spring

平均200万再生・Z世代に圧倒的な認知度を誇る『ドコモ×青春』に学ぶ、縦型ショートドラマ成功の秘訣

 急速に伸びる「縦型ショートドラマ」市場。企業の活用事例も増えつつある中、成功事例として押さえておきたいのが、NTTドコモのショートドラマシリーズ「ドコモ×青春」だ。ドラマシリーズの展開により、Z世代の2人に1人はNTTドコモのTikTok公式アカウントを認知し、さらにブランド好意度の上昇にも貢献するなど、大きな成果を出している。3月5日・6日開催の「MarkeZine Day 2025 Spring」では、NTTドコモの梅津氏と、ショートドラマ制作を支援した動画クリエイター集団GOKKOの中矢氏が登壇。今企業がショートドラマに取り組むべき理由や、NTTドコモの取り組みの成果や施策のポイントについて語られた。

Z世代の心を掴んだ、NTTドコモのTikTok公式アカウント

 NTTドコモのTikTok公式アカウントが話題だ。フォロワー数は38万超え、いいねの数は1,700万以上に上り(2025年4月現在)、多くのTikTokユーザーから支持されている。

 配信している動画一覧を見ると、制服を着た学生の画像がずらりと並んでいる。タイトルは「運命のクラス替え」「参観サプライズ」「席替えカースト」と、高校生の日常の一コマを切り取ったドラマ仕立ての動画ばかりだ。友だちと一緒にスマホで自撮りしたり、休み時間にスマホを触ったりしているシーンはあるが、ストーリーとは直接関係のないものが多い。動画の長さは1分前後、長くて2分と、隙間時間に気楽に視聴できる程度の尺だ。

@docomo.official クラス替えの思い出ありますか? #クラス替え #学生 #教室 #青春 #ショートドラマ #短編映画 #短編ドラマ #ドラマティッカー #ショートフィルム #ドラマ #WEBREEN #ドコモ #docomo #ごっこ倶楽部 @【ごっこ倶楽部】 == 運命のクラス替え 2話 == [出演] @廣瀬知紗 @後藤 光輝 佐々木ほのか @ほのかの気まぐれとっく @安部伊織 @桑島 海空(19) @根井 深考 @谷沢龍馬【ごっこ倶楽部】 [監督]@はるく [脚本]@大内唯 [使用楽曲]#GOKKOCLUB ♬ オリジナル楽曲 - NTTドコモ公式アカウント

 これらの動画は、NTTドコモが2024年4月にスタートした「ドコモ✕青春」というショートドラマシリーズだ。「何気ない日常にときめきを。」というコンセプトで、「等身大の青春」をテーマに、恋や友情、勉強など、令和の高校生のリアルな日常をドラマ仕立てで描いている。制作を支援しているのは、縦型ショートドラマに特化したクリエイター集団GOKKO Inc.の「ごっこ倶楽部」だ。

 ドラマシリーズの累計再生時間は数百万時間に上り、中には1,000万回以上の再生数に上るものもある。ドラマシリーズの展開により、Z世代の2人に1人はNTTドコモのTikTok公式アカウントを認知し、非認知者にくらべてブランド好意度も大きく上回っているなど、若い世代の心を掴むことに成功している。

企業が抱える、“若い世代に広告が届かない”問題

 NTTドコモが本取り組みを開始した背景には、現在多くのマーケターが実感している「若い世代に広告が届かない」という悩みがあった。その理由について、GOKKOの中矢氏は「一言でいえば、供給されているコンテンツ量が年々膨大になっており、可処分時間の奪い合いが発生しているからです」と明快に言い切る。

株式会社GOKKO ビジネス部門統括 執行役員 中矢 啓樹氏
株式会社GOKKO ビジネス部門統括 執行役員 中矢 啓樹氏

 この20年間で、動画・音楽のサブスクリプションサービスや投稿コンテンツ、電子書籍などの供給されるコンテンツは200倍にもなっていると言われている。それに対して個人の可処分時間はほとんど変わっていない。必然的に「興味がないことに時間を使いたくない」という風潮が広まり、CMをスキップすることは当たり前となった。

 「かつては、テレビCMや広告など『見たくないものを無理やり見せる』というマスマーケティングが機能していました。しかし年々情報過多になるにつれ、広告が嫌いな層は増えており、動画視聴時にCMをスキップするユーザーは96.5%に上っています。こうしたなか、若い世代に視聴してもらうには、『見たいコンテンツを、手を止めて見てもらう」という真逆のアプローチが必要です」(GOKKO 中矢氏)

 こうした背景の中、中矢氏が特にZ世代に向けた施策として勧めるのが「縦型ショートドラマ」の活用だ。

次のページ
タイパ重視の若年層にも届く、縦型ショートドラマの強み

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
MarkeZine Day 2025 Spring連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/04/22 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48768

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング