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業界別SNSマーケティング戦略━━具体的なTipsで学ぶ成功のヒント

コスメのSNS戦略、本当にそのブランドに合っていますか?UGC創出から考える活用術

プチプラとデパコス、それぞれのSNS戦略はここが違う

 ここではわかりやすい例として、プチプラ、デパコスのそれぞれで戦略を考えてみます。

SNS活用例(1)プチプラのポイントメイクブランドの場合

 まず、プチプラのポイントメイクブランドの場合を考えてみましょう。ここで例とするブランドの特長は下記の通りです。

  • ドラッグストアで購入可能な低価格帯商品
  • 特に人気なリップアイテムは独特な色味が特徴で、1,000円前後の手に取りやすい価格設定
  • 主なターゲットは、トレンドに敏感なZ世代

 このようなブランド特性に合わせたSNS活用策として、まずカラーバリエーションを比較するInstagramでのインフルエンサー投稿が考えられます。視覚的に色の特徴を伝えられるため、商品の魅力を効果的にアピールできるでしょう。

 また、新製品発売時にはライブ配信を行い、実際の使用感や発色を丁寧に紹介することで、生活者の興味を引くことができます。さらに、拡散力の強いXでフォロー&リツイートキャンペーンを実施することで、話題の盛り上がりを作ることもできるでしょう。

SNS活用例(2)百貨店の高価格帯スキンケアブランドの場合

 次にデパコス、百貨店の高価格帯スキンケアブランドの例を見てみましょう。このブランドの特長は次の通りです。

  • 既にファンが多く、ブランドの世界観を維持することを重要視
  • 新商品の発売頻度は低く、ロングセラーの主力アイテムが売上の中心
  • 美白やしわ改善など、本格的な肌悩みを持つ顧客がターゲット
  • 商品の信頼性が購入の決め手

 このようなブランド特性に合わせたSNS活用策としては、まずInstagramでブランドのキービジュアルを使った広告配信が考えられます。これにより、世界観を維持しながら新たなファンにリーチできるでしょう。

 また、新商品の発売頻度が低いため、主力アイテムの投稿を継続的に行う必要があります。アカウント運用では季節に合わせてクリエイティブを変更するなど、フォロワーが飽きないようなコンテンツ制作に力を入れることが重要です。

 さらに、専門家や美容家をインフルエンサーとして起用し、Instagramライブで商品の継続使用の意義や使用されている成分、その効果を説明することで、商品への信頼性を高めて新規購入を促進できます。

 本格的な肌悩みを抱えるユーザーが商品を手に取り、効果を実感した場合は「私の〇〇という悩みがこれで解決しました! 同じように悩んでいる人は使ってみてほしい」といったUGCがXなどで投稿される可能性があります。そのような声は、企業アカウントでも積極的にリポストしていきましょう。なお、効果効能に触れる内容をリポストする場合は、薬機法に抵触しないか十分に吟味する必要がありますので、ご注意ください。

 高価格帯スキンケアブランドの場合は、一過性のバズよりも信ぴょう性の高いUGCが自然発生し、積層していく仕組み作りが大切です。店頭での接客と同様に、「スキンケアアイテムの購入検討時に生活者が気にするポイントはどこか?」という視点でSNS施策も考えてみると、自ずと打ち手が見えてくると思われます。『パッケージがかわいい』『色味が自分に似合いそう』といった、視覚的な魅力が購買意欲をかき立てるポイントアイテムとは異なる訴求が必要になるはずです。


 ここでは2つのパターンを紹介しましたが、商品特性によって活用すべきSNSや、そのSNSで発信すべき内容が違ってくることが見えたのではないでしょうか。フォロワー数やUGC数などのKPIを設定する際も同じく、ブランドの認知度や商品の価格帯、販売数などの外部要因を考慮に入れることが大切です。

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狙うべきは誰の投稿?UGC創出は購入体験から

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この記事の著者

渡辺 李咲(ワタナベ リサ)

ソーシャルメディアコンサルティング本部 アカウントコンサルティング1部 部長

IT企業の広報・PRを経て、国内化粧品メーカー2社でデジタルを中心としたPRやEC・SNS運用に計6年間従事。2021年8月にホットリンクへ入社し、飲料メーカーやコスメブランドなどのコンサルティングを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49186

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