VOで成果を出すコツ 投資対効果の最大化を目指す
──実際にVOを活用するにあたり、広告主側との合意形成などのハードルはどう乗り越えているのでしょうか。
真木(CyberZ):基本的に、新しくKPIを変える形で当社から広告主様にコミュニケーションを取る際は、検証予算という形で、そのKPIで運用した場合の実績がどうなるかを可視化する提案から入ります。
たとえば、これまですべての予算をCPI評価で配信していた場合、「全体予算の20%からROASを評価する形で運用してみませんか」といった提案を行います。
──VOを活用する際の前提条件と推奨設定を教えてください。
Yang(Meta):1つ目は、iOSの場合アプリ合算イベント(AEM)をアトリビューションとして導入し、レポーティングにおける遅延や欠損を防ぐことです。AEMは従来のSKANとは異なり、リアルタイムレポーティングや確率的マッチングが可能になるため、より迅速かつ広範囲にデータの受信ができるという利点を持ちます。なお、従来のSKANでは非対応だったクリック7日間のアトリビューション期間がAEM実装のバリュー最適化キャンペーンでは選択できるため、短いアトリビューション期間による不必要な欠損を防げる効果もあります。
2つ目は、コンバージョンデータの質と量を保つことです。イベント設定の段階で各イベントに正確な値(CV Value)を付与することで、質の高いコンバージョンデータが返ってくるようにします。なお、Metaでは機械学習が十分に回るためには、VOキャンペーンにおいては「3週間以上の配信期間」、そして「週50件以上のCV」が必要と見ています。
3つ目のポイントは、Advantage+とバリュールールを組み合わせて、精度の高い運用の自動化を図ることです。AIによる自動最適化を行うAdvantage+は、アプリ領域においても手動運用に比べてCPAが7%改善したという社内データもあり、アプリ・ウェブ問わず現在のMeta運用の基本となっています。
ここに、デモグラ等の入札度合いを任意設定できる「バリュールール」を掛け合わせます。Advantage+環境下でも運用者が決めた重み付けで配信されるため、「LTVの高いユーザーへの配信を強化する」といったマーケターのインサイトを十分に生かしながら、AIによる自動化を図ることが可能です。
この3つのポイントをしっかり押さえて、投資対効果を最大限にする本質的なアプリマーケティングをMetaで実現していただきたいと思っています。
VOの効果を最大化するクリエイティブ選定・運用手法2つのポイント
──CyberZでは、VOの効果を最大化するうえで、クリエイティブ選定や運用手法をどのように工夫していますか。
真木(CyberZ):先述の3つのポイントは、当社としても大前提として非常に重要だと考えています。そのうえで、実際に運用をお預かりする代理店の立場から、特に重要視しているポイントが2つあります。
まず、計測乖離を踏まえた配信面のコントロールです。プラットフォームや出面によっては、MMPなどの評価ツールとの乖離が大きく出るケースがあります。
当社では、過去実績から乖離が大きいと判断したプラットフォームや出面に対しては、バリュールールで入札を抑制し、配信が特定の面に過度に偏重しないようにコントロールしています。管理画面上の成果だけでなく、広告主様の評価軸であるMMP計測上の成果を最大化させることが、代理店として果たすべき重要な役割だと考えています。
もう1つのポイントは、VOに投入するクリエイティブの選定です。VOは学習に時間を要する傾向があるうえ、LTVの最大化を目的とするキャンペーンですので、クリエイティブの当たり外れを試す場としては適していません。
そこで当社では、インストール最適化の配信でCPIが良好と判断できたクリエイティブを選定してVOのキャンペーンに投入するようにしています。CPI段階での「勝ちクリエイティブ」を見極めてからVOに展開することで、パフォーマンスのブレを最小限に抑えたうえで、VOの学習を進行できると考えています。
──最後に、今後の展望をお聞かせください。
真木(CyberZ):アプリマーケティング市場が成熟期に入っていく中で、ユーザーを「獲得する」時代から、獲得したユーザーの「LTVを最大化する」時代へと完全に移行しつつあると考えています。Meta様のVOやApp AEMといったプロダクトをうまく活用し、環境が整った今こそ、事業成長につながる適切なアプリ広告への投資を行うタイミングです。当社としても、そのための的確なプランニングのサポートを今後も続けてまいります。
Yang(Meta):Metaとしては、アプリ広告市場における新しい需要を捉え、引き続きプロダクトの提供や改善に迅速に取り組んでまいります。広告主様には、本質的な価値を生み出すマーケティング手段として、ぜひVOをご活用いただきたいです。これを機に、LTV最大化に向けた新たな戦略立案へ積極的に踏み出していただければ幸いです。

