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CVユーザーを性格診断?電通グループ「BPTS」の活用法をLINEヤフーで具体解説

 電通、電通デジタルが開発した心理学理論とAI・統計解析で性格特性を可視化し、分析・配信に活用する新マーケティングソリューション「BPTS」。従来の属性データや行動データに「Trait(性格特性)」という新たな軸を加えることで、これまでにないアプローチが可能となった。では、実際にBPTSを活用することで、何を可視化でき、どのように施策へ活かせるのか。本記事では、LINEヤフーでの活用を例に、BPTSで可能となる具体的なアプローチを詳しく聞いた。

「Trait(性格特性)」の切り口で深い顧客理解を可能にする「BPTS」

MarkeZine編集部(以下、MZ):本日は、電通グループが提供する「BPTS」の活用についてうかがっていきます。はじめに、改めてBPTSの概要をお聞かせください。

築地:BPTSは、心理学分野で代表的な「Big5理論」をベースに、10万人規模の調査データとAI・統計モデルを活用して、顧客群の「Trait(性格特性:以下、Trait)」を可視化し、分析・配信に活用するソリューションです。開発にあたっては、パーソナリティ心理学を専門とする小塩真司教授(早稲田大学)に監修いただいています。

 属性データが示す「Who(どんな人か)」や、行動データが示す「What(何をしたか)」に、Traitという第3の軸を重ねることで、生活者の行動の背景にある心理「Why(なぜその行動をとったのか)」に迫れることが特徴です。現時点では、LINEヤフー広告を対象にサービスを提供していますが、今後は他のプラットフォームや媒体にも順次拡大していく予定です。

株式会社電通 データ・テクノロジーセンター プラットフォーマーデータ1部 アナリスト 築地 佑弥氏
株式会社電通 データ・テクノロジーセンター プラットフォーマーデータ1部 アナリスト 築地 佑弥氏

築地:仕組みや開発背景の詳細はBPTS概要編の記事に譲り、本記事では「実際にどう活用できるのか」を中心にお話しできればと思います。

BPTSの概要について、詳しくはこちら

BPTSによって実現できる分析とは

MZ:実際に、どういった分析が実現できるのでしょうか?

岸本:大きく分けると、「広告配信前の事前分析」と「広告配信後の効果検証」の2つで考えています。

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 まず配信前には、申し込みといったCVユーザーデータ、サイト来訪データ、購買データ、広告主が管理する会員情報などを起点に、成果につながりやすいユーザー群にどのようなTraitの傾向があるかを分析できます。その結果をもとに、「コアとなるユーザーにはどういった訴求が響きそうか」という仮説を立案することも可能です。

 たとえば、単に「30代男性が反応している」と見るのではなく、「新しい体験に前向きな層」なのか「安心材料を重視する層」なのか、あるいは「コスパ・タイパに反応しやすい層」なのか。デモグラとは異なる切り口で、成果につながりやすいTraitの傾向を分析し、ユーザーの解像度を高めることができます。BPTSは、Traitという軸で補助的に読み解き、配信前の仮説設計に組み込める点が価値だと考えています。

 また、配信後にはCPAやCTRといった広告指標をTrait別に分解することで、「どのTraitを持った層がクリックしやすかったのか」「どのTraitを持った層が購買につながりやすかったのか」の検証も可能です。

株式会社電通デジタル データソリューション戦略部データクリーンルームグループ 岸本氏
株式会社電通デジタル データ&AIソリューションセンター データソリューション戦略部 コンサルティンググループ 岸本千里氏

岸本:ファネルの観点では、クリックからLPへの遷移、フォーム到達、最終的な購買と段階ごとに見ていくことで、どの層・どの段階で反応差が出ているのかを把握できます。「この広告は良かった/悪かった」で終わらせるのではなく、「このTraitの層には認知段階では反応があるが、比較検討段階では不安を払拭する情報が足りていないのではないか」といった、次の改善に使える示唆に落とし込めます。

 最終的には、プラットフォーマーが保有する属性・行動データや興味関心データと掛け合わせることで、より立体的なペルソナ設計につなげていくことも可能です。

BPTSで最適化する、LINEヤフーの広告戦略

MZ:既にLINEヤフーを対象に提供が始まっているとのことですが、具体的な活用についてお聞かせください。LINEヤフーは、広告配信やLINE公式アカウントなど様々な施策で活用されるプラットフォームですが、どのような使い方が可能なのでしょうか?

佐藤:私からは、「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型:以下、LYDA)」におけるBPTSの活用について説明します。

 LYDAでは、CVや購買などのデータを起点に顧客群のTrait傾向を捉え、その傾向に基づくセグメントを広告配信に活用できます。分析の起点には、LINEヤフーが保有する検索・CVデータやオフライン購買データに加え、広告主が保有するファーストパーティデータも利用できます。過去の出稿や、顧客データを持たない企業の場合も、LINEヤフーが保有しているデータを活用できるため、企業規模を問わず幅広く活用いただけます

株式会社電通デジタル プラットフォーム2部LINEヤフーグループ 佐藤 雄飛氏
株式会社電通デジタル プラットフォーム部門 プラットフォーム2部 LINEヤフーグループ 佐藤 雄飛氏

佐藤:具体的な活用方法は多岐にわたりますが、今回は2つご紹介します。1つ目は「Traitに応じたクリエイティブの出し分け」です。LYDAの配信セグメントにBPTSを組み込むことで、ユーザーのTraitに合わせたコミュニケーション設計が可能になります。ポイントは、このセグメントがあらかじめ用意された「型」ではないことです。クライアントのデータから、どのTraitの組み合わせが成果と結びついているかを分析し、その企業専用のセグメントを都度設計します。

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佐藤:たとえばある商材で、CVやサイト来訪につながったユーザーのTraitを分析したところ、好奇心が強い「開放性:高い」の層と、手軽さやスピードを重視する「誠実性:低い」の層が成果に結びついていたとします。この分析結果を受けて、「開放性:高い」の層には「世界初」「未経験のテクノロジー登場」といった新規性を打ち出すクリエイティブを、「誠実性:低い」の層には「ワンクリックだけ」といった手軽さを感じさせるクリエイティブを設計する、という流れです。

 どのTraitが成果につながり、どのような訴求が響くかは、商材や顧客によって毎回異なります。同じ商品でも、顧客が魅力を感じるポイントはTraitによって異なる可能性があります。そこで、自社顧客のTrait傾向に合わせて訴求するポイントや表現を変えることで、顧客が重視する魅力を伝えやすくなります。結果として広告の認知度や好意度の向上、さらにはCV率や検索率の向上といった効果も期待できます。

「BPTS」の8尺度と高低による価値観の傾向と訴求仮説のフレームワーク(クリックして拡大)

佐藤:2つ目は「スマートターゲティングと組み合わせた配信対象の拡張(シグナル活用)」です。LINEヤフーが持つ「スマートターゲティング」は、広告配信におけるターゲティングを「CVしそうなユーザー」に最適化する機能です。

 この機能は「年齢」や「過去の行動」というシグナル(手がかり)を頼りに最適化を行っているのですが、そこにBPTSで抽出したTrait傾向を示す顧客群を、スマートターゲティングの起点となるオーディエンスとして活用することで、配信対象の拡張にTraitの視点を加えられます。これにより、獲得効率の改善を目指すことができます。なお、ここでシグナルとして加えるのは、そのクライアントのCVユーザーから抽出した固有のTrait傾向です。年齢や行動といった汎用的なシグナルにはない、その企業ならではの手がかりを運用に組み込める点がポイントです。

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LINE公式アカウントの体験設計や運用見直しにも

石野:次に、LINE公式アカウントにおけるBPTSの活用について説明します。こちらも2つのパターンが挙げられます。

 1つ目は「Traitを踏まえたメッセージ設計」です。LYDAと同様、LINE公式アカウントの友だちデータを分析し、その結果をメッセージ配信のセグメントとして活用できます。LINE公式アカウントでは、バナーに加えて一定量のテキストで情報を伝えられるため、Traitの傾向に応じて、訴求軸だけでなく言葉の選び方や説明の詳しさを変えることもできます。たとえば、新しさを重視する層には新機能や先進性を前面に出し、安心感を重視する層には実績やサポート情報を丁寧に伝える、といった設計が考えられます。

 クリエイティブの出し分けだけでなく、友だちのTraitに応じて「どの商材やキャンペーンを案内するか」という配信内容の設計にも活用できます。特典やお得さを重視する傾向の層にはキャンペーンやポイント情報を、新しさを重視する傾向の層には新商品や新機能の情報を優先して案内するといった使い分けが可能です。

 LINE公式アカウントの運用では、友だち追加してくれたユーザーとつながり続けること、ブロックされないことが重要です。BPTSを活用することで、友だちのTraitに合わせたコミュニケーション設計が可能となり、配信効率の向上はもちろん、CRM施策としての効果も期待できます

株式会社電通デジタル LINEプランニング部第4グループ 石野 明日華氏
株式会社電通デジタル ソーシャルエンゲージメントデザイン部門 LINEプランニング部 石野 明日華氏

石野:2つ目は、施策の前段となる現状把握としての「LINE公式アカウント全体の体験設計」への活用です。LINE公式アカウントは単なるメッセージ配信のプラットフォームではなく、友だち追加したユーザーに対して認知から購入、カスタマーサポートに至るまで、フルファネルの施策を展開できるプラットフォームです。

 LINE公式アカウントでは、認知から購入、問い合わせ、アフターサポートまで継続的に接点を持つからこそ、各段階で顧客に寄り添った体験が求められます。BPTSで友だち全体のTraitの傾向を把握することで、接客のプロフェッショナルが顧客に合わせて説明やサポートを変えるように、どのような情報や支援を、どのように届けるかを検討する手がかりになります。

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石野:たとえば「否定的情動性:高い」のTraitを持つ友だちが多い場合、不安を感じやすい可能性を踏まえ、メッセージ内でFAQやチャットサポートへの導線をわかりやすく示すなど、安心材料にアクセスしやすくする工夫が考えられます。

 「なんとなく運用を続けているが今後の方向性に迷っている」「自社公式アカウントの友だちの実態がわからない」といった課題をお持ちの企業は、まずBPTSで、友だち全体のTraitの傾向とメッセージへの反応との関係を分析することが良いと思います。そこで得られた示唆をもとに、配信内容や伝え方、アカウント運用の方向性を検討していくことができます。

幅広い業種や商材の課題に対応!

MZ:最後に、どのような企業にBPTSを活用してもらいたいかお聞かせください。

佐藤:LYDAでは、従来のリターゲティングや興味関心ターゲティングといった施策が頭打ちになっていると感じる企業にぜひ活用いただきたいです。Traitという新しい視点を取り入れることで、より顧客に寄り添った広告配信を、企業の皆様とともに作り上げていきたいと考えています。

石野:私からは、LINE公式アカウントにおける活用の観点でお伝えします。「公式アカウントの運用は続けているものの、コミュニケーションがマンネリ化している・成果が伸び悩んでいる」という企業にこそ、新しい軸としてぜひ活用いただきたいです。顧客との継続的な関係構築において、Traitは重要な視点になります。CRMの長期的な施策や顧客体験の設計まで、ご一緒させていただければ幸いです。

岸本:商材との相性でいえば、意思決定に心理的な要素が大きく関わるものと特に相性が良いですね。金融、自動車、転職サービスのように、検討期間が長く失敗の影響が大きい商材は「安心したい」「将来に備えたい」「お得に買いたい」といった動機が影響しやすいためです。また、ファッションやマッチングアプリのように自己表現や価値観の選択が関わる商材も、Traitを踏まえた訴求設計の余地がおおいにあります。

築地:BPTSは業種や商材に関係なく活用いただくことができます。属性データや行動データだけでは見えにくい顧客のTraitを可視化できるため、「自社の顧客をより深く理解したい」「広告や商品への反応の理由を把握したい」「顧客に合った訴求やコミュニケーションを設計したい」といった課題をお持ちの企業に、ぜひ活用いただきたいです。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社電通デジタル

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/11 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50883