SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Autumn

AI時代のマーケティング最新動向(AD)

平均CPI比40%改善とサービス理解促進を達成!メルカリのAIクリエイティブ×YouTube二面活用

 MAU2,300万人以上(2025年12月時点)を誇るメルカリは、「高認知ゆえの無関心」という成熟期ブランド特有の課題に直面していた。同社とHakuhodo DY ONEは、この壁を打破すべく生成AIを活用したクリエイティブ「もしも、江戸時代にメルカリがあったなら」を制作。同クリエイティブはYouTube Works Awards Japan 2026のBest Use of Google AI部門でシルバーを受賞し、CPIは平均と比較して約40%改善するなど、ビジネス面でも高い成果を上げた。本記事では、AIを効率化ではなく「表現の拡張」として捉えたプロ仕様の制作プロセスや、「視聴」と「獲得」を両立させたYouTube運用戦略の全貌に迫る。

圧倒的ブランドが直面した「高認知ゆえの無関心」

━━今回のキャンペーンを行うにあたり、メルカリではどのような課題を持たれていたのでしょうか。

石渡(メルカリ):メルカリはサービス開始から12年を迎えたタイミングで、サービス名自体の認知率は80%以上と高い水準にありました。一方で、未利用者や低頻度利用のお客さまに対し、メルカリの細かな機能や使い方の認知・理解が十分にされていないという課題がありました。

 このような方々に対し、企業主語の広告で機能や使い方を訴求しても伝わりません。さらに、「メルカリのことならもう知っているから、広告は見なくてもいい」と、メルカリの広告だと気づいた時点で興味を失われてしまうという仮説を持っていました。

 そのため、これまでとは異なるアプローチの広告クリエイティブ制作・配信にチャレンジしたいと思い、今回の企画に取り組み始めました。

株式会社メルカリ Marketing Manager/AI Marketing Lead 石渡 貴大氏
株式会社メルカリ Marketing Manager/AI Marketing Lead 石渡 貴大氏

━━「もしも、江戸時代にメルカリがあったなら」はYouTube Works Awards Japan 2026のBest Use of Google AI 部門でシルバーを受賞していますが、メルカリが掲げる企業方針「AI-Native Company」が、今回のクリエイティブへのAI活用にも関わっているのでしょうか。

石渡:2025年7月にメルカリは「AI-Native Company」化を宣言し、AIによる全社的な業務フローの改革を行っています。マーケティングにおいてクリエイティブは非常に重要なピースであり、AI活用の余地が大きいと考えていました。

 もちろん、AIを使わない従来通りの制作も続けていますが、完全にAIに振り切った時にどこまでの表現ができるのか、チャレンジしたかったのです。それが結果として、「高認知ゆえの無関心」という成熟期ブランドの課題を解決する手段になると考えました。

大塚(Hakuhodo DY ONE):AIを活用した動画の制作や体験の企画を開発するAI特化型クリエイティブプラットフォーム「AI Experts ULTIMA(ウルティマ)」は、メルカリ様のように、事業やブランドが抱えるマーケティング課題に共に向き合い、AIクリエイティブの表現力で解決へと導くために編成されました。

 課題の発見から企画、制作、実装までを一気通貫で支援することで、従来の手法にとらわれない新たなブランド体験や顧客体験を創出しています。

 クリエイティブにおいてAIは、とにかく量産して効率化を図る方向に使われがちですが、今回の事例ではクリエイティブディレクター自身がAI生成の過程に関与することで、AIのみでは到達できない表現を追求しました。

「広告」を「コンテンツ」へ。江戸時代×メルカリの着想

━━過去のデータから「広告感の強いものはスキップされる」という仮説を立て、「もしも、江戸時代にメルカリがあったなら」という独自の世界観へとシフトした狙いを教えてください。

大塚:2023年と2025年の比較でメルカリの広告自体の視聴完了率が、約5ポイント低下しているというデータがありました。また、ユーザーインタビューでも「コンテンツっぽいものはつい見てしまうが、広告感が強いとスキップする」という声が頻出していました。

 そこで、コミュニケーションの入り口を「広告」ではなく「コンテンツ」へと転換し、冒頭から手が止まるような体験を作る方向へと舵を切りました。企画の切り口として「江戸時代」を選んだのは、モノを大切にし、循環させる当時の文化と、フリマアプリであるメルカリの精神に親和性があったからです。

株式会社Hakuhodo DY ONE クリエイティブ本部 第三クリエイティブ局 ULTIMA部 部長 大塚 夏海氏
株式会社Hakuhodo DY ONE クリエイティブ本部 第三クリエイティブ局 ULTIMA部 部長 大塚 夏海氏

横山(Hakuhodo DY ONE):実際にAIを活用してリサーチをしてみると、江戸時代には不要になった傘の骨や、かまどの灰を買い取って再利用する文化や、推しの歌舞伎役者を応援する文化があったことがわかりました。

 「メルカリは知っているから」とスキップされるのなら、誰も知らない「江戸時代のメルカリ」を描くことで、機能訴求を物語の中に自然に組み込めると考えました。

大塚:また、おもしろいだけのファンタジーで終わらせず、現代のメルカリの便利さや新たな利用提案「カテゴリーエントリーポイント(CEP)」を伝えるため、具体的な利用シーンを盛り込みました。「推しのグッズが欲しい時」「不要な参考書を売る時」など、現代の利用シーンを、江戸時代にもありそうな場面に置き換えて3パターン設計し、シリーズ展開することで、生活者のインサイトを捉えようと意識しました。

次のページ
AIでありがちな「質の低下」、どう乗り越えた?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
AI時代のマーケティング最新動向連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Hakuhodo DY ONE

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/08/21 11:00 https://markezine.jp/article/detail/77172

Special Contents

PR

Job Board

PR

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング