3.「メディア配分」という発想がなくなる
ここまで考えると、もうひとつ大きな変化が見えてきます。それは「メディア配分」という考え方そのものです。
従来のメディアプランニングは、まず予算があり、それをテレビに何%、デジタルに何%、SNSに何%、リテールメディアに何%と配分してきました。その配分をもとにそれぞれのメディアの中でターゲティングやクリエイティブを最適化するという流れです。
しかし、これは本当に正しい順番なのでしょうか。AIによって新マーケティングOSを実現するのであれば、順番は逆になるはずです。
まず、誰に・どんな接点で・どんなタイミングで・どんなクリエイティブを当てるのか。これを一人ひとり、一接点ごとに最適化します。こうした意思決定を何百万、何千万と積み上げ、その結果を全部足し上げた結果、「テレビが27%、CTVが18%、検索が12%、SNSが15%、リテールメディアが……」という数字が出てくる――つまり、メディア配分は入力値ではなく、最適化の結果として出てくる出力値になります。これも大きな転換です。つまり、メディアプランニングからコンタクトプランニングにシフトするのです。
これまでのメディアプランニングは、企業視点で「どのメディアにいくら使うか」を決めてきましたが、これからは生活者視点で「この人との次の最適な接点」を決め続け、その集積としてメディア配分が決まることになります。
ここでマーケティング予算をどう設定するかの転換点が訪れます。リスティング広告のように出来高払いのマーケティング投資は現実に行われていますから、こうした運用は可能でしょう。
メディア配分を決めてから生活者に当てにいくのではない。 生活者との最適な接点を積み上げた結果として、メディア配分が決まる。これこそが、マーケティングOSによるメディアプランニングの根本的な転換だと思います。
