「口コミコム」や「訪日ラボ」を運営するmovは、9月17日、お店選びにおけるAI時代のユーザージャーニー「AICRAS(アイクラズ)」を提唱することを発表した。これは店舗や宿泊施設を選ぶまでの意思決定プロセスを6段階で整理したモデルである。

同社はユーザー視点では発見から意思決定までのジャーニーは大きく変わらない一方、AIツールが媒体として加わり検索体験の中身が変わった点を踏まえて、ジャーニーを再定義した。従来のジャーニーとの違いは「Comparison(比較)」と「Reputation(評価確認)」を独立したプロセスとして位置付けた点にある。
AIツールの普及で複数候補の比較が効率化され、比較後にどこ・どれが自分に最適かをAIに再確認する工程が生まれたとしている。背景には、AIツールが店舗事業者の定量データと、口コミ・VoC・UGCといった定性データの双方を参照・引用できるようになったことがあると考えられる。
実際に、同社が8月に実施した調査では、宿泊先を決める際に利用する情報媒体・ツールは「AIツール」が41.9%で、Googleマップ(41.2%)と並び、SNS(29.6%)や比較サイト(27.7%)を上回った。

AIツールの利用は情報収集の段階にとどまらず、「行き先が決まり、条件に合う施設を探し始めるとき」(69%)、「複数の施設を比較検討しているとき」(51.1%)と幅広いフェーズで使われている様子がうかがえる。
一方で、「AIツールで気になる宿泊施設を見つけた際、その後どのような行動を取ったか」を聞いたところ、60.9%がGoogle検索をし、62.9%がAIでは分からない「リアルな口コミ」や最新の評価を確認していた。AIが担っているのは候補を絞るところまでで、最後の判断はユーザー自身が別の情報源で裏を取っていることがわかる。

調査の結果を踏まえ、同社はユーザーの店舗選びにおける「発見から意思決定」までのプロセスでは、Google マップ・予約サイト・グルメサイト・SNSといった主要プラットフォームが、引き続き重要な役割を担う一方、店舗事業者による自社情報の正確性や特徴といった客観的事実の発信がこれまで以上に重要になると考えていると見解を示す。
今後、同社は店舗事業者に対し、「AICRAS」を軸とした新たなユーザージャーニーに沿ったデジタルマーケティング支援を行っていく。
【調査概要】
- 調査の方法:Webアンケートによる定量調査
-
調査の対象:以下条件を満たす20〜50代の男女
・直近1年以内に宿泊を伴う国内旅行の経験がある
・過去に一度以上AIツールを使用したことがある - 有効回答数:415名
- 調査実施日:2026年8月13日〜2026年8月17日
- 調査実施機関:株式会社マーケティングアプリケーションズ(Surveroid)
【関連記事】
・movが「ローカルインベントリマーケティング」を提唱、小売EC送客へ新サービス「ライトOMO」を開始
・mov、小売店舗・EC向けに「ライトOMOサービス」提供開始 Google検索やマップ上に情報を表示
・電通グループ4社、AI時代の購買行動モデル「AIJES」を提唱 人とAIによる新意思決定プロセス提示
・Appier、AIエージェント・コマース時代に向けたデュアル・マーケティング戦略を提唱
・博報堂買物研究所、AIエージェントの活用で変わる新しい購買行動モデル「DREAM」を提唱
