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博報堂ヒット習慣メーカーズの中川悠と探る、マーケティングに必要な習慣化の秘訣

マーケターはリピート購買、習慣化させるWhatを考えよ【博報堂中川氏×ナイアンティック足立氏対談】

 本記事では、4月25日に『カイタイ新書 -何度も「買いたい」仕組みのつくり方-』を刊行した博報堂 ヒット習慣メーカーズの中川悠氏が、ナイアンティックの足立光氏と対談。マクドナルド時代に習慣化をどう促していたのか、そして長く続く商品・サービスに必要なことを語り合った。

サービスを長続きさせるには変化し続けよ

中川:『カイタイ新書 -何度も「買いたい」仕組みのつくり方-』(秀和システム、以下『カイタイ新書』)の刊行を記念して、マーケターや番組プロデューサーに取材してきた本企画。今回は、元P&Gで日本マクドナルドのV字回復の立役者としても知られている、ナイアンティックの足立光さんにお話をうかがいます。

博報堂 ヒット習慣メーカーズ リーダー 中川 悠氏
博報堂 ヒット習慣メーカーズ リーダー 中川 悠氏

中川:具体的には、習慣化するサービスの秘訣、そしてマクドナルド時代に「お店に通い続けてもらう」ために工夫していたことをお聞きします。では、早速の質問ですが、足立さんにとって習慣化するサービスのポイントとはなんだと思いますか。

足立:習慣化して長く使い続けていただけるサービスは、お客様に合わせて変化し続けるものだと考えています。ナイアンティックが提供しているポケモンGOは、2016年7月にリリース以降さまざまなアップデートを繰り返し、今やリリース時とはまったく別の楽しみ方があるサービスになっています。

今回の対談相手:ナイアンティック APAC プロダクトマーケティング シニア・ディレクター 足立 光氏

 米国テキサス州生まれ。1990年にP&Gジャパンに入社。その後、ブーズ・アレン・ハミルトン、ローランド・ベルガー、シュワルツコフ ヘンケル代表取締役社長・会長、ワールド執行役員 国際本部長等を経て、2015年から日本マクドナルドにて上級執行役員・マーケティング本部長としてV字回復を牽引し、2018年6月に退任。2018年9月より現職。I-neの社外取締役、スマートニュースのアドバイザーなども兼任。著書に「圧倒的な成果を生み出す『劇薬』の仕事術」「世界的優良企業の実例に学ぶ『あなたの知らない』マーケティング大原則」など。オンラインサロン「無双塾」主催。

足立:ポケモンをゲットするところからスタートし、友達や他人と対戦する機能や協力してボスキャラ的なポケモンを倒すレイド機能が追加され、コミュニティ・デイと呼ばれる特定のポケモンが大量発生するイベントなども開催されるようになりました。

 これにより、いろんな遊び方が生まれました。ポケモンGOは特殊な例かもしれませんが、サービスを長く使い続けていただくためには、常にお客様に合わせて変化・進化させていくことに尽きると思います。

長く続くサービスには他に移行する障壁がある

中川:確かに僕もポケモンGOをやっているんですが、サービスの変化と進化のタイミングがいつも絶妙だなと思っていました。ちなみに、足立さんから見て、常に変化・進化しているサービスを提供している企業はどこだと思いますか。

足立:一番わかりやすいのはアップルです。同社が提供しているサービスと言えば、iTunesが有名でしたが、最近では同社のデバイス間でIDやパスワードを共有できるなど、便利なサービスが続々登場していますよね。

 これにより、他の会社の製品やサービスに移行することをうまくブロックしています。これはわかりやすくて良いサービスだと思います。

中川:日本で見たら、どうでしょうか。

足立:マネーフォワードは、非常に良い例ですね。マネーフォワードは、1回使い始めたら、やめる理由が見当たらないくらい便利です。自分の銀行や証券口座、クレジットカード、ポイントカードなどに関する情報ほぼすべてを、1つのアプリの中でリアルタイムで見ることができます。

 こういうサービスが出てくると、他のサービスに移行する必要性がなくなります。もちろん、他にも家計簿アプリは存在しますが、移行するにはリスクがともないますよね。

 これらの事例を見ると、サービスを改善しつつ競合サービスに移行する障壁を上げていくことが、続くサービスの勝ちパターンだと思います。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/21 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33985

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