イベントにはコロナ禍「以前」から続く課題があった
――どの課題も、BtoB企業なら痛感する話ではないかと思います。御社が実践する中では、特にどういった点がポイントだと感じられたのでしょうか?
瀬戸:3つの課題に順番に取り組んだ上で、ファネル全体を捉えて転換率を向上させることが大きなポイントだという学びがありました。営業やマーケティングのプロセスをデジタル化することが目的ではなく、オンラインで実施した際に成約率を高めることが大事ですよね。ですので、ファネルにおけるリード獲得から案件化、クロージングまでの段階をひとつずつ、きめ細やかなフォローアップで丁寧に改善していきました。
この部分は、今回のソリューションで提供するサポート内容としてもこだわっているところです。
――なるほど。冒頭でも住岡さんから、単なるウェビナー実施ではなくBtoBマーケティング全体を捉えて支援するとお話がありましたが、ファネル全体のお話でより具体的にイメージできました。そのひとつの段階が、ウェビナーやオンラインイベントであり、今回集中的に立ち上げられるようにソリューション化したというわけですね。
住岡:そうですね。イベントを例にお話すると、オフラインのイベントはそもそも商談化率がとても低いのです。我々の実績だと、オフラインの自社セミナーで10%程度、イベントへのブース出展だと1%以下という商談化率でした。コロナ禍でオフライン開催が難しくなったという変化がなかったとしても、オフラインのイベントには元々複数の課題があったのです。
単なるオンライン化ではなくデジタルの強みを上乗せする
――具体的に、オフラインのイベントにおける課題とは?
住岡:まず、参加人数が多く、個別顧客へのアプローチが難しいことです。大規模なイベントほど、既存顧客に対するお祭りのような位置づけで告知されて人が集まることが多いので、打ち出したい自社のソリューションに対して、そのテーマに課題を持つ企業を集客できていないこともよく起こります。
2つ目の課題は、顧客がどのような関心を持ってイベント会場を回ったかの動線や履歴が把握できないこと。そして3つ目の課題は、集客リストが得られたとしても各リードの関心度合いが分からず、事後の効果的なフォローアップが難しいことです。
つまり、集客からアフターフォローまでがデータドリブンになっていないから、ロスがとても大きいわけですね。今回リリースしたソリューションでは、デジタル化によってこうした課題を解決しています。たとえば確度の高いリードが把握できれば、すぐに商談につなげられますよね。オフラインの活動をオンライン化するだけでなく、デジタルならではの要素を乗せて、オフライン以上の成果を狙います。
――なるほど。ではソリューションの概要と特徴をうかがえますか?
鞍田:ウェビナーやオンラインイベント実施の際の、(1)全体プランニングから(2)集客、(3)本番のサポート、そして(4)実施後のフォローアップという4段階を一気通貫でサポートします。
たとえば当日の運営オペレーションの支援など、部分的なサービスはあると思いますが、BtoB領域でこの一連をサポートできる点は当社の強みです。集客のための広告配信やクリエイティブには、冒頭でお話ししたように電通デジタルの広告事業との連携も活かすことが可能です。