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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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MarkeZine Day 2022 Spring

メディア選定や効果測定の方法も公開 freeeとクラウドサーカスが語るブランディングの意義と進め方

 群雄割拠のSaaS市場において、ブランディングはますます重要になっている。そんな中freeeは、デジタルとマスを活用した幅広い施策によって、事業の成長とブランドの育成を両立させている。またクラウドサーカスも、テレビCMやデジタルへのマーケティング投資を一気に推進し、ブランドの認知を確立した。MarkeZine Day 2022 Springでは、両社のマーケティングをリードする沢村真治氏(freee)と石田拓己氏(クラウドサーカス)が登壇。両社が考える、SaaSにおけるブランディングのあり方とは? 社内理解の得方やBtoCのブランディングとの違いなどを、事例を踏まえて解説した。

SaaS企業のブランディングは「未来の賛同者づくり」

 登壇した沢村氏は、BtoCマーケティングを経験したのち独立を経てfreeeにジョイン。現在はBtoBビジネス、特にスモールビジネス事業のマーケティングに従事している。

freee スモールビジネス事業本部 副本部長 沢村真治氏
freee スモールビジネス事業本部 副本部長 沢村真治氏

 一方の石田氏は、新卒で博報堂に入社。複数のBtoC企業においてマーケティング業務を経験し、現在はクラウドサーカスでマーケティングの責任者を務めている。

クラウドサーカス マーケティング責任者 兼 スターティアホールディングス マーケティング室長 石田拓己氏
クラウドサーカス マーケティング責任者 兼
スターティアホールディングス マーケティング室長 石田拓己氏

 石田氏はまず、SaaS企業がブランディングをする意義について解説する。MAやCMSなど「誰もが使いこなせるマーケティングSaaS」を提供するクラウドサーカス。同社がブランディングへ取り組む背景には「企業・事業・商品の未来の賛同・共感者を増やす」という意義があると語る。

 BtoBの場合、顧客とサービスの間に社員や流通といった様々なメディア・ステークホルダーが挟まっている。石田氏はブランディングにおいて「オセロをひっくり返すように関係者を共感者へと変えてゆき、最終的には未来の顧客にも賛同者になってもらうこと」がポイントだとした。

様々なステークホルダーを示す図
様々なステークホルダーを示す図

 賛同・共感者作りを一朝一夕で実現するのは難しい。そのため、立ち上げ期から急成長期、拡大期、成熟期と「ブランドサイクルにあわせた戦略をとり、時間を味方につける必要がある」と指摘する。

ブランディングを広義と狭義に分けて推進

 実際、石田氏が2年ほど前に行ったリブランディングでは、ばらばらだったブランドを資金投資する手前でファミリー化。賛同者を増やしやすい構図にデザインした。限られた資金の中でたくさんの商材を訴求するのは困難なため「まず立ち上げ期にとるべき戦略は何か」を見極めたという。

ブランドライフサイクルに合わせた戦略の例
【クリック/タップで拡大】ブランドライフサイクルに合わせた戦略の例
クラウドサーカスでは左上から時計回りに施策を進めていった

 沢村氏はクラウドサーカスの一連の取り組みについて「様々なプロダクトの中からスタープレーヤーを作るのではなく、全体を底上げするという意思決定はすごい」とコメント。石田氏は次のように応える。

「大きく賛同者を広げていきたい場合、1ヵ所に投資をしても他と連動できなければ意味がありません。その後のプロモーション効率を考慮しても、全体の底上げが最適解だと考えました」(石田氏)

 続いて沢村氏が、freeeとして考えるブランディングの意義を解説。同社ではブランディングを広義と狭義の2種に分けて捉えているという。ロゴの制作やミッションのコピーライティングなどが広義のブランディングにあたり、狭義のブランディングはマーケティングにおけるブランディングを指す。

【クリック/タップで拡大】

 様々なサービスを展開するfreeeだが、沢村氏曰く「会計ソフト屋としてのイメージが強い」という課題も。ミッションである「スモールビジネスを、世界の主役に。」の通り「スモールビジネス全体に価値を提供する企業」というイメージを実現したい──これが広義のブランディングにおいて今のfreeeが目指す姿だと語る。

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この記事の著者

尾高 志保(オダカ シホ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/20 08:30 https://markezine.jp/article/detail/38579

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