Apple Search Adsはキーワード設定がカギ
──ASA活用のきっかけを教えてください。
林:2018年のリリース当初から運用しています。ASAはApp Store内における広告なので、「安心して出稿できる、不正のないクリーンなメディア」というのが最初の印象です。私は運用者として不正広告とは向き合ってきたので今までのアプリ広告とは一線を画する感じがしました。
App Storeに表示される広告なので、何かしらのアプリインストールを検討している方が多いです。ですからiOSにおける獲得の要になると、社内でも十分に説得力のある媒体でした。
──ASAに注力された理由を教えてください。
林:他の広告媒体も含めて、当社は基本的にインハウスで広告運用しています。中でもASAは、インストールの確度が高いユーザーに対してプロモーションできる、重要な広告と位置付けており、プライオリティの高い媒体です。検索広告であれば大手2社の広告があるように、iOSではASAを押さえることが必要だと考えています。
質の良いユーザーに向けて配信できる場所なので、積極的にリーチ拡大と安定獲得が重要です。しかし社内リソースですと、運用スピードが出せていなかったのが課題でした。また、キーワードの発掘に膨大な時間がかかっていました。そんな中、注目したのがUNICORNさんの機械学習でした。
今泉:ASAのSearch results広告はキーワード単位での検索連動なので、獲得には効率の良いキーワードの選定が重要です。非ブランドワードの拡大は人力では難しく、途方もない作業が発生します。長年の経験だけでは限界があると考え、導入を決めました。
人の手には負えない数の調整を機械学習で完全自動化
──モバイルファクトリーさんの課題を受けて、UNICORNさんはどのような提案をされたのですか。
須藤:ASAの特徴的なのは、入札、ターゲティングにおいて非常に細かく設定できるところです。
たとえば1つのキーワードでも、20代男性における夜の時間帯と、40代女性における昼の時間帯ではクリック率などが違います。ASAの入札調整は、キーワード・セグメント・日時指定の掛け合わせで決まります。設定を細かく分けて運用し、新たなキーワードを模索し続けて、調整を行えば効果を出すことができますが、人力で調整し続けるには限度があります。
横山:UNICORNにおけるASAキャンペーンのユーザー属性の切り分けは100以上あり、そこに設定しているキーワードとの掛け合わせにより、数万から数十万通りのパターンで入札調整をかけています。我々は、そのような人の手には負えない数の調整業務を機械学習と独自の最適化ロジックを用いて完全自動化し、24時間365日行っています。
モバイルファクトリーさんの非ブランドワードの拡大に関する課題に対し、常に新規のキーワードを探索し、買い付けから入札調整までも行っていく当社の仕組みが、課題解決に向けて貢献できるのではないかと思いました。
──とても膨大な設定ができるのですね。
林:そうですね。また継続的に新規ユーザーを獲得するために、キーワードを模索していくことも重要なポイントです。
新しいキーワードの発掘は本当に苦戦を強いられましたね。自社運用の頃にASAの検索マッチ機能を使用しながら発掘していましたが、それだけでは限界を感じていました。
横山:検索マッチ機能は、Appleが独自で推奨キーワードをピックアップして、自動的に配信してくれるシステムです。
UNICORNでは、検索マッチ機能も活用しつつ、独自でキーワードの自動収集、自動買い付けを行います。そのうえで、完全一致および部分一致のいずれの場合も、キーワード単位の効果を見ながら、目標CPIと照らし合わせて適切な入札単価調整を自動で行っていくので、CPIのパフォーマンスを保ちつつ、非ブランドワードの拡大が可能となっています。