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リテールメディアの「可能性」と「課題点」 セブン-イレブン・ジャパンの事例から紐解く

広告と販促を連動させ購買までつなげる

 杉浦氏は、リテールメディア事業を進める際には、小売企業が抱えている課題が各社で違うと把握することが必要だと説明。その上で自社の強みや方向性、足りない要素を明確にし、自社に足りない部分を補ってくれるパートナーを選ぶことが重要だと語った。

 セブン-イレブン・ジャパンが目指す今後の展望について、杉浦氏は次のように述べる。

 「セブン-イレブンアプリの会員数は2,200万人を超えました。当社ではアプリにバナー広告を表示したり、バナーとクーポン販促を連動させたり、アンケート機能をつけたりしながら、メーカー側に結果をフィードバックできるレポーティングも行っています。我々はリテールメディアビジネスにおいて、広告を情報に変え、販促との連動によって顧客体験価値を高め、最終購買につなげることを目指しています。自社グループのデータを活用しながら、フルファネルでビジネスを提供できるサイクルの構築を目指して、皆様との連携を深めていきたいです」(杉浦氏)

 稲森氏もまた、リテールメディアの構築を支援する立場から次のように述べて本セッションを締めくくった。

 「リテールメディアでは『購買ポイント』にフォーカスした施策が多くなりがちです。我々としては、ブランド認知や興味関心の喚起といったカスタマージャーニーを捉えた、フルファネルでの施策が可能なリテールメディアの構築を様々な企業の皆様と一緒に考えていきたいです」(稲森氏)

【クリックすると拡大します】

Q&A

 時間の都合でセッション中に回答できなかった質問が二点あったため、本記事で回答してもらった。

Q1:当初狙っていた効果以外で、(直接・間接を問わず)想定外のメリットはありましたか?

A:想定以上に反響をいただき、業態問わず様々な企業と関わらせていただく機会が増えたことがメリットとして挙げられます。また、社内でもこの新規事業に挑戦したいと積極的に手を挙げてくれる社員が多く、仲間が大幅に増加したことも社内の活性化という点で良い面だったと感じています。(杉浦氏)

Q2:スポンサーであるメーカーとメディアであるリテーラーが直接折衝するのでしょうか? その場合、旧来の広告代理店の立ち位置はどう変わっていくと思われますか?

A:特に店舗で取り扱いのある商品の広告を配信する場合は、多くの直接折衝が発生しています。常にお客様と向き合っている小売企業だからこそできるメーカー様への提案はたくさんあると思っています。一方で、我々としては、広告代理店の立ち位置を述べる立場にはないですが、代理店の方々がお持ちのアイデアもたくさんあるので、そこは協業していければと考えています。(杉浦氏)

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社アドインテ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/26 11:30 https://markezine.jp/article/detail/44256

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