新商品開発に舵を切った理由とは?
━━結果的にこの仮説は正しかったのでしょうか。
はい。調査の結果、仮説通りパッケージ上での機能価値訴求のわかりづらさが定量的に浮き彫りになりました。
それに加え、同調査のお陰でカロリミットブランドを認知してもらうためのコアになっている要素も明らかに。それは、「おいしく食事を楽しみながら健康を維持する明るくHappyな世界観」でした。そのため、この要素は決して崩すことのない“コアの価値”として定めることにしました。

こうしてブランドの課題を明らかにしたことで、次の「コンセプト商品設計」の段階に移行。ここでは、先ほどお話したブランド課題の解決を目指し、二つのカロリミットのリニューアルに向けてコンセプト定量調査を行いました。
しかし、このコンセプト調査の結果から、ブランドリニューアルを行うだけではなく新商品開発が必要であると判断。そこで、既存の2ブランドのパッケージリニューアルは進めつつも、新商品の必須要件を抽出し開発を行うことにしました。
━━新商品開発の必要性が生じた理由を教えてもらえますか。
複数ありますが一番の理由は、「ブランドとしての新鮮さ獲得」です。カロリミットブランドは、2000年から続くロングセラーブランドであるため、市場の中でも非常に高い認知率を確保できています。
だからこそ、ユーザー層をさらに拡大するには、既存の商品のリニューアルだけでは限界がありました。ブランドのさらなる成長を目指すには、新たな商品を開発することで「変化するニーズ」を捉え、「ブランドとしての新たなニュース」をお客様にお届けすることが非常に効果的であると考えました。
カロリミットらしさを残すために、20種類以上のデザインを検証
━━新商品開発を行うと決めてからは具体的にどのような調査を行ったのでしょうか。
ここからは、新商品開発と既存商品のリニューアルの方向性を決める「パッケージデザイン」の段階に入り調査に取り組みました。
まず、カロリミットらしさを残しつつ、「プレミアムさ」や「新しさ」を表現するために、20種類以上のデザインパターンを準備。その上で定性調査を行い、お客様の反応や戦略との合致などを見ながら候補を数パターンにまで絞り込んでいきました。
そこからは再度、定量調査に移行し、実際にお客様に選ばれるデザインを見極めるため、店頭での購買状況を模した「セントラルロケーションテスト」を実施。店頭での陳列を再現し、実際にお客様の目にとどまるかなどを数値で検証し、パッケージのデザインを確定させました。
パッケージデザイン確定後に取り組んだのは、新商品の中身です。これも調査を基に定めていきました。社内でモニター調査を行い、どの処方であれば効果を強く実感してもらえるのかを検証。満足度が高くなるように成分を調整していきました。
ここまでで商品設計自体は完了ですが、ここからは、発売に向けてさらに2種類の調査に取り組みました。一つ目が「適切な価格設定に向けた調査」です。同商品は、「本気で変わりたい」を応援するために成分に強くこだわったため、税込みで5,490円とサプリメントにしては高価格帯に位置しています。そのためコンジョイント調査を行い、お客様に納得感をもっていただけているかを確認しました。
そして二つ目が、「お客様によるモニター調査」です。発売開始前にお客様にモニター調査を実施。お客様からもしっかりと効果を体感していただけることを最終確認し、ようやく発売にまで至りました。